第九十六話◆
第九十六話
バレンタインデーから一週間ほど経ってようやく悠子、悠の手紙(途中英語の先生に手伝ってもらった)を翻訳。
悠子の手紙
『お兄さんへ、お兄さんがこの手紙を見て驚いているのが送る前から手に取るようにわかります。きちんと翻訳して返してください。期限は一ヶ月、がんばって!日本じゃバレンタインだから、妹が兄にチョコレートを送ってもおかしくないから……送ります。けど、中身はチョコレートじゃありません。悠と一緒だけどあなたの妹は元気です』
悠の手紙
『きっと、きっと霧之助がこの手紙を翻訳したときすでに世界が崩壊しているかもしれない……それだけありえないかもってあたしは思ってる。チョコレートを送ってもよかったんだけどねぇ〜。中身は写真たてだから!ちゃんと使ってよね?くれぐれも、悠子の写真をいれないように!返事、絶対してよ?』
やれやれ、いちいち手の込みすぎたことを……挫折しちゃったらどうなっていただろうか?きっと国際電話がひっきりなしに一ヶ月過ぎたらかかりっぱなしになるんだろうなぁ……くわばらくわばら
くわばらくわばらを英語でいったら何になるのだろうかと思いながら未開風だったはこの方に手を伸ばす。中に入っていたものは悠の言っていた写真立てと謎の置物だった。謎の置物のほうは見ていると悠子には悪いのだがその、不安にさせるような感じだ。
そんな仕様なのだろうか?
―――――――
「結さん、今日は何を食べますか?」
フライパンを握って席についている結さんを見やる。
「そうですねぇ、霧之助さんのお好きなようにしてかまいませんよ。この時間帯から手のかかるものは避けたいでしょうし」
「つまり、食べられるなら何でもいいと?」
「ええ、そうです」
「何でもいいが一番困るんですけど?」
そういうとそれならわかりましたといってメモ帳を取り出した。一枚の写真がはらりと落ちる。
それを拾い上げてみてみるとその写真には悠子と結さんが一緒に写っていた。二人とも笑ってはいないがやわらかな表情をしており、場所は……たぶん学校帰りにある商店街の野菜屋の前だろう。下りたシャッターに『山田八百屋』と書かれている。
「いつ撮ったんですか?」
「十二月中旬ですね。帰りにたまたま会って撮ったものですよ」
「そうですか」
ついつい目を細めてみてしまう。写真の中の悠子はあんまり僕に向けたことのないような表情をしている。
「そんなに細めると目が悪くなってしまいますよ」
「ああ、すいません……」
写真を手渡して僕は一つため息をついてしまった。そのことに結さんは触れずに近くにおいてあった女性物のファッション雑誌を手に取る。
「これ、悠子さんがおいていったものでしょうか?」
「それは違います、僕が買ったものですよ」
あれ?あのぅ、何でそんな変なものでもみるような目つきになっているんでしょうか?
内容がものすごく減ってるなぁ……なんて思ったそこの貴方!ええ、雨月も読み返してものすごく短いことに気がついてしまいました。さて、今回の後書きはこんな流れで行きましょう。雨月の小説は日本一、いや、世界一だ。この小説を読んだ後他の小説は読めない!何言ってるんだ?残暑にやられちまったのか?と思っている方、雨月は残暑にやられていません。驕れる者はうんぬんというように上から目線は駄目なのです。友愛精神を持てとまでは言いませんが崖から落ちそうな人の手を踏まずにそっと包み込んであげるくらいの気持ちは持ちましょうといいたいのですよ。作者の方、雨月の小説を読んでこいつまた誤字やっちゃってるよwなぁんて、言って結構ですよ。雨月もやってます。他の小説の評価見て読む小説決めちゃう悪い子ですから。しかし、今読んでくれている読者がいるから雨月の小説は成り立っているのです。いつか、いつか後書き読むためだけにこの小説読んでいますというクレイジーな人を見つけてみせますから。百一話目からは一発で変わったという印象を貴方に与えます。なるほどなぁと思った方はぜひご感想を!おひねりを!!慈悲の手を!!!きっと、調子乗ってると天罰がくだるんだろうなぁ……




