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第九十一話◆

第九十一話

 家に帰ってくると悠子がぶすっとした調子で家事を手伝っていた。その隣では同じようにして由美子ちゃんがこれまたぶすっとした調子で家事を手伝っている。

 そっくりだ、さすが双子違うのは悠子が髪が長いのに対して由美子ちゃんの髪が短いぐらい……なんて感心していると母さんが顔を出した。

「お帰り、霧之助」

「ただいま」

「あなたもお疲れ様」

「ああ、ちょうどよかったよ」

 何がちょうどよかったのかはわからないがとにもかくにも一応これで家族全員が揃ったことになる。

「あ、あのさっ」

 家族全員でコタツに入ったときにちょっと声をかけてみることにした。

「何?どうかしたの?」

 代表して母さんが僕に返事をする。

「これから家族写真を撮らない?えーとほら、こうやってちゃんと揃ったことなんてめったにないから……なんて思ったりして……ね……」

 尻すぼみになっていくのは驚いたような視線をみんなが僕に投げかけてきたから。

「あんた、頭どうかしたんじゃないの?大丈夫?」

「大丈夫だよ!」

「珍しい……」

 そんなことを言われる始末。と……父さんが持っていたカメラを使い(古いものだ)シャッターは自動。こんなふるいカメラでも自動でシャッターをきってくれるのだから技術とはすごいものだ。

 撮った場所はマンションのちょうど前。

 固い表情のまま写っているであろうと容易に想像できるものの、そのカメラを母さんに手渡された。

「現像してきなさい」

「……うん」

 お金とカメラを大事に持って、僕は玄関を出ることにしたのだった。

「待って、私も行く」

 悠子もマフラーを巻いてすぐに追いかけてきた。



――――――――



「ありがとね、お兄さん……」

「いや、僕も家族の写真ぐらい一枚持とうって思っただけだから」

「嘘ばっかり……」

 現像するのに三十分ばかりかかるといわれたので近くのファミレスで待つことにする。年末だが座れるテーブルがないほど繁盛している。

 コーヒーとミルクココアを頼んでどうってことない話をしている。そして、気がつけば時間はとっくに過ぎており一時間さめたコーヒーにミルクココアを飲み干してウェイトレスさんににらまれながらも後にする。



――――――――



 写真はうまく撮れていた………まぁ、よくも悪くも。僕は固い表情で目を閉じている。悠子がそれを見て笑った。

「……何これ?変なの」

「そ、そんなに変?取り直せばよかったかな?」

「いいの、これでいいから……じゃ、早速一枚貰うね」

 そういって一枚とって大事そうにかばんへとしまった。そして、次に顔を上げたとき悠子の顔は笑っておらず真剣そのもの。

「……あのね、お兄さんに話したいことがあるの」

 もうそろそろ夕方……人通りはさらに多くなり帰宅を急ぐ人たちでにぎやかに、いや騒がしくなる。冬がこんなにもにぎやかだとはこれまで気がつくことがなかった。


雨月の小説の殆どが知っている人は知っている非現実的なものが多いのです。一応日常関係のものもありますが、ぜんぜん続かずにおじゃんになっていたりします。さて、悠子が霧之助に対して大切な話があるとありました。それが最終的に悠子と霧之助が離れ離れになるとしてもですけどね。おっと、ネタばれじゃないですか。今の言葉は忘れてください。ともかく、予想ついちゃった人がいたらご連絡を。もちろん、答えが出る前にですけどね。あてられちゃった場合は一つ面白いことを考えています。次回もお時間がありましたらご一読ください。感想、評価ありましたらぜひお願いしたいと思います。あんたは相変わらずこういったところがぬるいなとかそういったものでもかまいませんのでよろしくお願いしたいと思います。

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