第九話◆
第九話
「もしもし?どうしたの?」
基本学校内では電話使用禁止である。もちろん、この校則は先生たちも指定された場所以外で使用してはいけないのである。
実際のところはまだ一ヶ月も経っていないのにケータイをばんばん使用している連中が多いためにあるようでないものに変わっているのだが。実質一週間だって立っていないところを見るととりあえずこのクラスの連中は全てルールとかに縛られるのがいやな連中なんだろう……そう言う僕もその一人の一員なんだけどね。
『あのさ、今から五分以内に屋上に来てくれない?ちょっと面倒なことになってさ』
「まぁ、別にいいけど?」
じゃあねとそのまま電話を切られてしまったので僕はその場所へと向かうしかなかった。
「おいおい、友人よりも飛び級選ぶのかよ?」
茶化してくる猛を無視して僕は屋上へ向かう階段を上ることにしたのだった。
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「お、お兄さん……」
「悠子……」
「え、お兄さんって……」
屋上には腕組みをして待っていた悠子と悠がおり、僕を含めて三人が驚いていた。
「霧之助って……あの冷徹女の兄だったの!?」
「え、まぁ……」
「昨日のとき教えてくれなかったじゃん!」
「いや、それは親戚だって聞いてきたから……」
悠に詰め寄られて後ずさりしているとおそろしい形相をしている悠子もにじり寄ってきた。
「……何?お兄さんってこの馬鹿女の友達だったの?」
「え〜と、まぁ……」
「いつから?」
「昨日から」
そういうと満足そうに悠子は悠のことを見下しているような表情をする。
「へぇ、友達がいるって聞いたときは内心驚いたけど昨日から……それなら友達なんていえないんじゃない?」
ものすごくいやみったらしくそういっている。しかし、悠も負けていなかったりするんだが……
「そんなの関係ないわよ、あんたみたいなやつの友達なんて一人もいないじゃない……あぁ、そういえばあんたのとこ再婚したって聞いたから血がつながってないんでしょ、霧之助と」
実際のところ事実だし、僕が口出ししてもなんだか悪い方向へ導いてしまいそうだったので黙っておくことにした。
「そうよ、それが何か?」
「べっつに……霧之助、今度の週末一緒にどこか遊びに行かない?」
こちらのほうに笑顔を飛ばしてきてそんなことを言う。週末予定なんて入っていないのでもちろん返事はイエスだ。
「え、ああ別に用事は……」
ないよ、行こうよといおうとしたら悠子がものすごくにらみを聞かせてこちらを見てくる。
「お兄さん、今週の週末買い物に付き合って」
「え……」
悠子が話しかけてきてくれたのはうれしいんだが何もこのタイミングで話しかけてこなくてもいいんじゃないかなぁと僕は思う。
「何よ、あんた!あたしのほうが早かったんだから!」
「あなたは単なる友人でしょ!しかも数日!こっちは兄妹なんだから!」
「かんけーないでしょっ!!」
「関係あるわよっ!!」
恐い……ものすごく、恐い。これから先どうなってしまうのか、誰か助けてくれないかと僕は神に祈ってみたのだが効果なし。妥協案を提出すべく手を挙げて発言したのだった。
ぴんぽんぱんぽ〜ん、え〜次回記念すべき?第十話です。第十話を堺に話をかえていきたいなぁと思っています。今のところまだまだ笑える要素がまったくないと思われますが、こんな小説でもできましたら感想をいただけたらかなりうれしいです。しかも、不定期な後書きまで読んでるよ!というすばらしい方がいたらぜひともお願いしたいと思います。