表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/283

第八十九話◆

第八十九話

 通っている高校付近はなんとなく田舎っぽい。ちょっとわき道へとそれると田んぼが広がっているし、夏の夜に窓なんて開けてたら虫がたくさん入ってくる。

けど、母さんと……父さんが住んでいる場所は都会でありこれは母さんきっての希望だったらしい。

 年末ということもあり人通りは多く、ごった返した道を歩くのは正直言って面倒以外の何物でもなかった。クリスマスの雰囲気もたったの二日の間に消えてしまい、町を彩っていただろうツリーの姿は何処にもなくサンタの人形なんて何処にもなかった。まぁ、セール品でクリスマス関係のものが一応売られていたりするのだが。

 暖冬だと騒がれているのだが今年は例年より寒い気がしてならない。道を行く人々がマフラーにコートという姿をしている。誰一人として薄着をしている人はいない。

 そんなことを言っている僕もマフラーと茶色のコートで武装しているのだが。

「お兄さん、マフラーが曲がってるわ」

「え?」

「ほら、ちゃんとしなよ」

「ああ、ごめん」

 隣を歩いていた悠子に指摘されてマフラーをなおす。これから先向かう場所は父さんと母さんが待っているマンションの一室だ。僕らの住んでいるアパートとは比べることもなく、部屋の広さ!そして値段の高さは門外漢の僕でも簡単にお高いのだろうと想像がついた。

 鬱屈とした空気が自分にまとわりついているかのような感じを思わせる。これから……父さんと会わなければいけないからかもしれないな。

 そんな僕の心境でも読んだのだろうか?隣で悠子がしっかりと僕のマフラーを掴む。

「逃げちゃ駄目よ」

「……に、逃げないよっ!!」

「そう、それを聞いて安心したわ……」

 ふっと笑うがその笑みの中に言い知れぬ不安を覚えてしまった……何かをたくらんでいるような表情。いやいや、そんな悪いほうへと考えちゃ駄目だ。きっと悠子は普段どおりの自分を装って僕の緊張を緩和させようと……うんぬん。

 とにもかくにも苦手というか再婚した相手のどこぞの馬の骨とも知らない男を父さんと仰がなくてはいけない自分の身にもなってほしい……と、悠子に言いたかったのだが悠子からみればうちの母さんもそのどこぞの馬の骨ともわからない女を母さんと呼ばなければならなくなったので結果として同じである。イコールである、記号で書くと『=』である。

 まぁ、こんな風にぐだぐだ文句を言っているということは僕の本心はいやだと駄々をこねているところを悠子に支えられて、いや、縛られている可能性もなくはないな……ともかく、悠子がいなかったらここまでこなかった。こなかったというよりこれなかったといったほうがいいだろう。

「……ありがとう悠子」

「お礼を言うのはまだ早いわよ。お父さんと仲良くしてもらわないと家族写真なんて撮れないから」

 悠子の小さな夢をかなえてあげたっていいじゃないか、だって僕は悠子の兄なのだから。

 迫り来る敵城主の根城へとたった二人の精鋭部隊で向かう。しかし、考えようによってはその牙城には由美子ちゃんという悠子にとっては苦手とする相手もいるのだから悠子がもしも一人暮らしをしていたら実家に帰らない可能性だって無視できないはずである。由美子ちゃんの仕事も忙しいのが問題だが、実際のところ悠子とともに僕と暮らす予定だったらしい。

 たまにテレビに出たりするのだが、予想していた(サインが欲しいから頼んでおいてくれ!)ものはぜんぜんこなかったりするのがちょいと悲しいことでもある。

 普通双子だったら仲がいいものばかりだと思っていたのだがそういうものだってあるのだろうか?血のつながった兄弟の事が苦手だなんて想像できない。まぁ、いないんだから仕方がないということにしておこう。

「何考えてるの?」

「え?ああ、ちょっとね」

「ちょっと……?」

「気にすることでもないよ」

 悠子に覗き込まれるもなんだか心の奥底まで見られそうで急いで目をそらす。それ以上悠子は目を見ようとはせず、ああ、そう、とだけ言って再び歩き始める。もうマンションの前まで来ていた。

 あそこにいるのは……父さんではないか?


情景描写に今回はがんばって力を入れてみましたがどうでしょうか?愚駄愚駄と書いても意味がないと思うので普段ははしょっています。ああ、ふと思ったことですが誰か霧之助と悠子だけでもいいですからイメージ図が欲しいなんて思うのは欲しがり屋さんですかねぇ?きっと形あるもの、詳しく伝わるものが欲しいだけかもしれませんが……そんな心根の優しい方がいたらうれしいものです。夜空を駆け巡って龍になるかもしれません……もう眠くて眠くて自分が何を言っているのかわからないぐらい眠いんですよ……眠くなったとき、あなたはどうしますか?ちなみに雨月は力尽きてしまいます。気がついたら時計の針がおそろしいぐらいすすんでしまっていたなんてざらです。友達と会う約束をしているのに気がつかず、三時間ほど寝過ごしたこともありました。ペルソ○3P欲しいなぁと思う今日この頃です。次回の後書きはそうですね、日記の話をしようと思います。感想評価ありましたらお願いします。更新スピードにもナチュラルに関係してくる可能性代大です。しかし、これは絶対に決めておかねばなりませんでした……悠子と悠ってどっちが人気者なんでしょうね?あなたはどっち!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ