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第八十五話◆

第八十五話

 天国からの声しか聞こえないわがクラス。いい声してないのに全てが歓喜に湧き立っており、この地に天使が舞い降りたかのような幻想さえも聞く者たちに与えさせる。神は彼らを見捨てることなく……いや、正確に言うのならばテストの神様は最高の紙を彼らに与えたのである。

「よっしゃ、また今回も満点だぜ♪」

「俺らに怖いテストなんてないはず!」

「ああ、抜き打ちぐらいだからな!!」

 そんな声が聞こえてくる。

 対して、他のクラスは地の底から響き渡るおそろしい声だ。その声は生ける屍よろしく大群を率いてこの学年のほぼ全クラスに蔓延しており、頭がよいという唯一対抗できるワクチンを持たぬものたちを感染させていったのである。阿鼻叫喚のさなか、次のような声が例としてあげられる。

「ハードルあげすぎだろ!?あんなの絶対に解けない!」

「怖い、怖いよ……テスト怖いよぉ……ママぁ!!!」

「払いたまえ!わが悪しきテストの結果を払いたまぇぇぇぇ!!!!」



 そして、そして猛は、このクラスを、学年平均最高点をとったチームの、あがめるべき対象となる神になった……



「さぁ、私をあがめなさい!」

「「「お・う・どう!お・う・どう!!」」」

 まぁ、この程度で知的だが馬鹿な話はおいておくとしよう。

「百合ちゃんはどうだった?」

「……(目で何かを訴えかける。一見、失敗したような感じだがそれは素人意見だ。このときの顔は非常に点数がいいというのを僕は最近知った)」

 はっきりいうが、僕の意見としては結構、いや、かなり難しかった。

 そんなことを思っているとケータイに電話が入る。ディスプレイに表示されている文字は『野々村自宅』……あれ?こんなのいつ登録したっけ?

 不思議に思いながらもでることにする。

「はい、もしもし?」

『やぁ、霧之助君』

「お久しぶりです」

 声は悠のお父さん。もしかしたら他人かもしれないがわざわざボイスチェンジャーを使ったりしないだろう。

「どうかしたんですか?」

『いやぁ、ね……悠がお世話になっていると思う。まことに申し訳ない』

「いえ、気にしないでください。楽しいですから」

『だが、君に迷惑をかけるのも今日までだ』

 がらりと教室が開けられてそこには野々村父の姿が……って、自宅じゃねぇじゃん!

 ぽかんと野々村父を見ていると隣に悠が立っているのに気がついた。

「ほら、悠お世話になりましたっていいなさい」

「お世話になりました、年明けたらまた来ます」

 懲りてないな。

「あの、何でこんなことになったんですか?」

「それは簡単に言うなら私たちが海外旅行に行っていたからだ……悠を連れて行こうとしたのだが拒まれてしまってね。学校に行きたいって言って聞かないんだ」

 やれやれ困った娘だと目が語っていた。

「母上だって許してくれたんだからいいじゃない。また泊まりに来るからね♪」

「……」

 それだけ言って悠はさっさと姿を消した。

「今度また改めてお礼をしに来ようと思っているから」

「気にしないでください」

「で……ちょっかいは何も出してないだろうね?」

 きっと人を殺せるぐらいの眼力が僕をさした。

「は?」

「いかがわしいまねを君がしていないという証拠なんて何もない」

「意味がわかりませんが?」

 首をかしげていると悠が戻ってきて自分の親のむこうずねを思い切り蹴った。

「ななな、なんて事言うのよっ!!霧之助がそんなことするわけないじゃない!」

「いたたた……男など全員狼だ」

 そう、僕はロンリーウルフだ。黄銅猛、宮川百合、そして僕こと間山霧之助の三人の『ロンリーウルフ』でいつも話しているために『三人のロンリーウルフ』なんて呼ばれていたらよかったのになぁ。

「安心してください、一切触れてませんから。触れようなんて思ってもいません」

「……それはそれで失礼ではないか?私の娘には触るほどの魅力もないといっている気がする」

「き、霧之助……そうなの?」

 野々村家は大丈夫なのだろうか?悠に何かした瞬間、僕は捕まってしまうのである。おそろしい話だが、このまま放置しておいてもいずれ地獄を見てしまうかもしれない。

「……トイレに行ってきます」

 どうすることもできなくなったとき、人は……


 戦う    道具

 ○ケモン →逃げる


 逃亡を選択するのである。


たまに思うんですよ、この小説の最初は本当に少ない人しか見てくれなかった……いや、好奇心からちょっと覗きたくなったそんな動機かもしれません。しかし、いまこの小説は毎日百人近くの人がディスプレイというすばらしい代物を使用してみているのです。なんとうれしいことなんでしょうか?いや、まぁ、本当のところはわかりません。きっとこの後書きを詠んでいる方の中には『こいつアホだw』なぁんて思っている方がいないとも限りませんし、『雨月をつるし上げろ!』なんて革命的思想の持ち主がいるかもしれません。そしてそして、最終的には『この人は相変わらずバカだ』なぁんて失敬なことを考えているに違いあーりませんよ?ぎくりとした方は腕立て五回、五分間かけてやってください。じゃあ、いつものあれを…感想評価、その他いろいろとございましたらお願いしますね。九月十三日日、七時五十七分雨月。次回もお楽しみにしていただけるとうれしいものです。

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