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第八十三話◆

第八十三話

 寒いと何もしたくない。そういうわけでコタツから首だけ出してテレビを見ていた。悠子は最近帰りが遅く、どうやら飛び級のことで校長先生、教頭先生と話があるそうだ。どういったことかはわからないし、僕がどうこう言える立場でもないので詳しく尋ねたりはしていない。



ぴんぽ〜ん♪



 チャイムが鳴ったのだが面倒だなぁ……居留守を使おうとしたのだがドンドン叩かれる。

「居留守なんて使っても無駄よ!メーター回ってるんだから!」

どうやら電気メーターを相手は確認しているようだ。

 きっと一番寒い日だろうな、今日は。

 扉を開けるとそこには悠が立っていた。いや、すぐさま狭い玄関へと入り込んでくる。

「寒い!急いで扉閉めてよ!」

「え?あ、うん」

 扉を閉めるとすでに悠の姿はなくコタツに入って幸せそうな顔をしていた。見ていると和まないでもない。普段は元気がよすぎる程度なのだがこのように静かにしているとなんとなくだがおとなしそうな子に見えなくもない。まぁ、そうおもって近づいたりする人はバカを見ることになろうが……

「あ〜天国」

「何言ってるの?」

「心の素直な声」

 ああ、かわいそうに……きっとこの寒さで脳みそまで凍ってしまったのだろう。

「ほら、霧之助も入りなよ。入れてあげる」

「……うん」

 なんとなく理不尽だ。いや、それ以前に僕が座っていた場所に悠は腰を下ろしている。やれやれ、困ったちゃんだな……

「で、今日はどうしたの?」

「近くに来たからよっただけ」

「そっか、それにしては………重装備だね?」

 大きなリュック、一つ……ボストンバック二つ……制服姿にコートを纏っていたりする。

「あのね、家出してきたの」

「……家出?」

 頭の中で言葉と意味がうまくつながってくれない。

「家出よ、家出。しばらくここにおいてよ!お願い!何でもするから!」

 頭を下げられてこれは本当に困ったことになったぞ……さて、なんていえばいいんだと考えたがまぁ、悠の家までは歩いて向かえない距離じゃない。

「う〜ん、それは別にかまわないよ?」

 部屋も以前由美子ちゃんが使っていた部屋が空いている。まぁ、少しだけ掃除をしないといけないんだけどね。

「やった♪ありがとっ!!」

 にっこり微笑む悠にさて、僕はどうやって悠子に説明したらいいだろうかと考えるのだった。



――――――――



「はぁ?」

「えっとね、悠が家出してきたんだって」

「警察呼んで」

「いや、警察は大げさすぎるかと…」

「家出娘は狙われる可能性が高いのよ?いかがわしいことしてお金を稼ごうとしたりするのが関の山だから」

 思ったとおり悠子は大反対だった。

「あんなわからずやここにおいてもいいことないわよ」

 今現在悠はお風呂に入っているためここにはいない。いや、いたらいたでうるさいことになっていただろうけど。

「ごめん、お願い!」

「……じゃあ、条件があるわ」

「条件?僕に?」

「お兄さんじゃなくて、あのバカに」

「何?」

「絶対に騒がない。それだけ守ってもらえれば結構。それ以上をあの子には何も望めなさそうだからね」

 そういって悠子は部屋に閉じこもってしまった。

「何々?どうしたの?」

 脱衣所から出てきた悠はほかほかと湯気が立っていた。



――――――――



「何?あたしのことを犬か何かと間違えてるんじゃない?ちょっと文句言ってくるわ」

 悠子の部屋の扉を開けて悠は入っていった。しばしの間うるさいだろうから耳をふさいでコタツに寝転がっていると悠が姿を見せる。

「……ちぇ、正論で打ち負かされた」

 どうやら平和的な話し合いで決着がついたようだ。よかったよかった。


友達の家においてもらおうにもそこに家族がいたらいづらくなってしまうものなのです。そういうわけですが、一人暮らしなどのところに転がり込んでもそんなことはないのです。まぁ、彼女は彼氏がいたら大変ですが見ての通り霧之助のところには妹がいても彼女はいません。もちろん彼氏もいたりしませんので悠は転がり込んだというわけなのですよ。しかし、実はこれにはちょっとした事情があり、後に判明することになります。そうですね、期末テストのときでしょうか?これからどういった展開を見せて終わるのか……そして、終わるまでに感想や評価をいただけるのか、実に見所のある戦いが繰り広げられるに違いないと思います。とにもかくにも、お暇なときに一分程度で読める小説として続けていくつもりです。

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