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第八話◆

第八話

 し〜んとなっているクラスに百合さんが伊達眼鏡をかけて入ってくる。そして、黒板に三つの文字を書いた。BL法と書かれている。

「……百合さん、それってBR法の間違いでは?」

「え?そうなの?」

 いやぁ、RとLって間違いやすいよね〜とか言い訳をしながら消して再びBR法と書き終える。

「え〜、今日の体育は先生がいないため体育委員であるこの私が仕切ります!異論を唱えたい人は前に出てきて下さい」

 ばしばしと竹刀を肩に当てながらそんなことを笑顔で言う。おそろしい人だ……無論誰も文句を言わなかった。猛から聞いた話だが落第した原因はどうやら暴力事件を起こしたためらしい……それがどういったものなのかはちょっとまだわからないが百合さんから聞くのもデリカシーがないだろう。

 そういうわけでその件については放置しておくことにした。

「じゃ、いないようなので全員自分の分の鉢巻を背中側のズボンに挟めてください」

 そういって百合さんはお尻をこちらに向けてどうするべきか教えたのだった。

「ではこれより第一回尻の鉢巻取り合戦、略して尻取りを始めます!!」

 言うが早いか窓から飛び出し、遅れて他の生徒たちもやる気なさそうに始めたのだった。

「霧之助、俺とチーム組まないか?」

「おいおい、どうせそういって取る気だろ?誰だって考える手段だよ」

「ちっ、ばれたか……これまではお前と仲良くやってきたが今日だけそれはなしだ。どっちが上か決着つけようか……」

「望むところだ!」

 そんな青春的なやり取りをしていると僕らの鉢巻はあっさり他のクラスメートたちに取られてしまった。

「「……」」

 はい、残りの約三十五分暇な時間。



――――――――



 体育が終わり、そのままなし崩し的に昼の時間になりお弁当をちゃちゃっと片付けて校内をうろうろする。

別に友人がいないわけではないがうろうろするのは中学のころからのくせである。

落ち着きがないとかよく言われたがそれはそれで仕方ない。部活に何か入ったほうがいいのだろうがどういった部活があるのか見学にすら言ってないのでどうしようもなかった。まぁ、剣道部があるんだろうけど残念ながら圧倒的に弱いに違いない。それに選択体育で剣道は取っているから無理して部活に入る必要もないだろうし。

 そんなことを考えながら校長室の横を通り過ぎ、ついでに言うなら職員室も通り過ぎる。ちらりと中をうかがうと女性の先生と悠子が話しているところだった。その隣には昨日知り合った悠が立っておりお互い相手のことをにらみ合っているのが見て取れた。

「なんだありゃ?」

 独り言をつぶやきながらもその光景を目に焼き付けることにする。先生のほうはあきれているような感じで説教をしているようでしかもその言葉を二人は聞いておらずにらみ合いを続けていた。そんなに仲が悪いのかぁと考えているとここで一人の先生が僕に気づいて扉を開ける。

「どうかしたのかい?」

「あ、いえ、ちょっと覗き……じゃなかった先生を探しているんですけど見つからないんで失礼します」

 誰を探しているんだと聞かれると非常に困ったためにそのまま放置して逃げる。教室まで誰にも合わずに走って逃げてこれたことをなんとなく運がよかったということにしてため息を吐き出す。

「こんな真昼間からため息なんて……お前はそんなに思い悩んでいたんだな?あ、練炭はやめておけよ?あれってものすごく苦しいってうわさだからな」

「猛、何を言ってるんだよ……」

 見た目はおっさん、頭脳は高一!その名も黄銅猛!腕を組んでうんうんうなずいている猛にけりを入れる。

「痛いなぁ、暴力反対」

「はいはい、わかったから……」

 そういって猛からも逃げようとしているとケータイが鳴り出した。

「彼女か?」

「違うよ、野々村悠って子だよ」

「野々村悠って……飛び級の?」

「そうだよ」

 どうやって知り合ったのかなどはこれ以上話せないのでケータイの通話を押すことにした。


前々回?いや、さらにもう一つ前だったかなぁ……自分が日陰者だって言うのはわかりきっていますからあえて後書きのほうに書かせてもらいます。もはやそんなことを言っていたのも思い出せませんけど。ですがまぁ、アクセス数もようやく百を突破し、物語もヒロインたちが出揃ってきました。これ以上増えるかどうかまだわかりませんが作者ともどもよろしくお願いしたいと思います。

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