第七十八話◆
第七十八話
日本ではハロウィンなんて行事はあんまりしない。
あなたはいたずらを受けますか?それとも、お菓子をあげますか?
――――――
「ハロウィンをやろう」
「は?」
唐突に百合ちゃんがそんなことをいいだした。すでに衣替えも終わってしまった時期、十月三十一日の朝のHRにて。まだまだ期末テストには期間がある。
どこからかかぼちゃの頭を取り出してそれをかぶる。
『トリックオアハットトリック?』
「……違うよ、トリックオアトリートだよ」
ところでトリックオアハットトリックって何さ?ハットがついただけじゃないか。
どうやら猛もそれにのりたかったようで近寄ってくる。毎度毎度暇な男だ。いや、行司が好きなだけかもしれない。
「ああ、ハロウィンってトリックオアトリートメントだろ?」
「違うよ、トリックオアトリートだよ。なんだよ、トリックオアトリートメントって?それを言うならシャンプーオアトリートメントだろ?いや、シャンプーネクストトリートメントかな?」
「いや、もしかしたらトリックオアトーナメントかもしれないぞ」
それはない、絶対ない。というよりハロウィンからドンドンかけ離れて頭の悪そうな会話になってるだけだ。
『………で、結局トリックオア……なんだったっケ?』
「トリートだよ」
『トリックオアトリート?』
「悪戯かお菓子か……で、どっちをとるんだ?」
手持ちの電子辞書にて、悪戯とは無益で悪い戯れまたは悪ふざけ。つまり、逆ボランティアだそうだ。
お菓子とはこれまた手持ちの電子辞書にて、常食のほかに食する嗜好品。昔は果物であったが今は砂糖や小麦の粉、もちなど様々なものになっており、果実のことを水菓子と読んで分けている。和菓子と洋菓子に大別……適当な感じだがこんなところだろう。
「うぅん、お菓子をあげようにも今持ってるお菓子といったらこのぐらい?」
ポケットをまさぐって出てきたのはのど飴とオブラートに包まれたあの飴である。
「で、何でお前は俺のポケットに手を突っ込んでるんだよ?」
「いや、僕はお菓子なんて持ってこないし」
「買って来い」
『お菓子を買ってこないと悪戯しちゃうゾ♪』
「それはハロウィンじゃなくて単なるぱしりだから……まぁ、百合ちゃんの悪戯なんてかわいいものだよ」
そういうとかぼちゃ頭(かわいらしい顔なんてかかれておらず本当のかぼちゃ)が不適に笑った気がしてならなかった。中途半端パンプキンヘッドから嫌なオーラが漂い始める。
『後悔するなヨ?』
「お前、度胸あるな」
二人がそんなことを言うが所詮想像がつく悪戯などひざかっくんか夜道の不意打ち、下駄箱に嘘のラブレターが放り込まれている程度だろう。
「こぉんなかぼちゃもどこで見つけてきたんだろうか?」
ぺしぺしとかぼちゃ頭を叩いているとさらに不敵な声が……
『ふっふっふっふ……私を甘く見たようダ。霧之助……覚悟するんだゾ』
「はいはい、わかったから……ほら、先生来てるよ」
先生が来たのでようやくかぼちゃを取る。そのかぼちゃを見て先生が一言。
「ああ、そうかぁ……今日はハロウィンだったな……ん?どうした宮川」
「先生、霧之助はアンチハロウィニストです」
右手をびしっと挙げてそんなことを言う。また、適当なことを………大体、アンチハロウィニストって何さ?
「なんだと!?それが本当なら全員でいっせいに間山にかぼちゃをかぶらせろ!」
「ええっ!?何その展開っ!!!」
オレンジ色のかぼちゃ一個だけでも鈍器で殴られた衝撃……
―――――――――
「ってな夢を見たんだ。朝起きたら頭から床に落ちてる最中だった。」
「あのなぁ、そんなことを私がするわけないだろ?」
朝のHR。今日はハロウィンである。
「で、だからお菓子を私にすすめているのか?」
「うん、先に食べさせておけば終わったって事にしてもらえそうだから」
「で、オチは?」
「オチ?」
うーん……
「なんだか、おちつかない夢を見ちゃった♪あははは……」
「……オチ、つかないねぇ……」
おもむろにオブラートに包んであるオレンジ色の飴を百合ちゃんは口の中に放り込んだのだった。
日本でハロウィンをやるともらえるお菓子がやっぱり和を感じさせるものだと思われます。ぼんたん飴とかぽたぽた焼きとか……あれ?これって地方でしか売られていないお菓子ですかね?まぁ、とりあえずおいておくとしましょう。これは評価のほうでも答えさせていただいたのですが悠子の双子の妹である由美子は今後登場予定があります。もうちょっとだけ間があいちゃう可能性がありますけどね。今日覚えた言葉『乙狩りさまでした』非常にかっこいい言葉です。この言葉を世に広めようと思います。