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第六十一話◆

第六十一話

 僕が通っている高校は運動会や体育祭といった(呼び方が違うだけで中身はさほど変わらないだろう)体育会系の会や祭りはない代わりに文化祭のほうに力を入れていたりする。猛の話ではそれはもう、ピンからキリまで(しょぼい展示物からバイト先のラーメンの味を完璧に再現する模擬店まで)様々だそうである。

 そして、人の心を掌握するのが得意な猛という男はお祭りが大好きであり、この前なんてテレビで中継されるほど大きな祭りに参加しており、しかもちゃっかりインタビューまで受けていた。

 気になるのは呼ばれ方が『君』ではなく『さん』だったことだ。きっと、地元のおっさんと間違えていたに違いない。

 ま、そんなサイドエピソードがあるぐらいあの黄銅猛という男はお祭り好きなのである。正確には『浮かれた奴の面を見るのが好きだな』とのことである。



―――――――――



「そういうわけで、このクラスは積極的に文化祭に食い込んでいこうと思う」

 チョークを持って黄銅猛はそんなことを言う。食い込んでいこうって、何か間違ってないか?表現的に。

「各自、やりたいことをまずは適当に上げていってくれ。面白いことなら合法非合法、問わないから」

 いや、非合法はやっちゃ駄目だろ?

 とにもかくにも、自由時間が与えられて仲のよい友人たちで話し合ったりしている。百合さんも面倒くさそうにこちらに顔を向けて一応は話し合う体勢を作っていた。

「あぁ〜……めんどくせぇ」

「百合さん、最近男っぽい口調になったねぇ〜」

 そういうとぴたりと動きが止まる。

「え?そうか?元はどんなだったっけ?まぁ、こんな感じだっただろ?」

「そうだっけ?半年ぐらい前のことなのにもう忘れちゃったよ」

「きっとボケがもう始まったんだな、霧之助は。ま、いいや……何かやりたいことあるか?」

 そういわれても特に何もない。教室を与えられているし、許可を貰えば体育館なども時間つきだが一応は借りることができる。もっとも、体育館を借りるとなると少々手の込んだ仕掛けなどをしなくてはならないだろう。

 ついでに言うのならこれはクラス対抗だったりする。クラスで一位を飾ることができればそのクラスにはなんと!詳しくわからないが豪華商品を与えられるそうである。

「僕は何もないけど百合さんは?」

「……ん〜…去年のクラスの奴は不評だったしな」

「去年、何をしたの?」

「一年三組アメリカマウスランド……本場から著作権がどうのこうのって事で訴訟まで発展しちゃったそうだ。着ぐるみ手作りまでして風船配ってたら開始一時間で駄目になった」

「……」

 げにおそろしきかな?というか、そんなのいちいち言わなくていいから!

「と、とにかくっ!!そういうことをしたら駄目だって言うのはわかったよ!」

「……どこがまずかったんだろうな?ちゃんと『ちゅ〜ちゅ〜』って言ってたし、着ぐるみだって一時期やってた○国のものより完成度高かったんだけどなぁ〜」

 もう、百合さんは置いておくとしよう。



―――――――



 わがクラスの出し物、演劇。まぁ、妥協点だとは思うよ?僕としても。模擬店なんてやりだしたらいろいろと面倒なことになりそうだし。

 しかし、一つだけ理解できないのはクラスのほぼ全員(僕と百合さん以外)が演劇に手を上げるのはどうかなぁって思うんだ。その後行われた主役を誰がやるか(男子だと華がないので女子オンリー)なんてじゃんけんで百合さんが一人勝ち。百合さんちょきで残りパー。

「なんだか陰謀を感じるよ」

「おいおい、百合さんが何を出すか、それまではわからねぇよ」

「しゅ、主役かぁ……緊張するなぁ……で、何をするんだ?」

「まだ、決めてない」

 時間はまだまだあるということなのだろうか?主役を決めてからやるもの決めるって…どうだろう?間違ってない?


国が悪い方向へと向かうと国民は選挙に関心を持つようです。まぁ、選挙の話はおいておくとしましょう。今日は

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