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第三十七話◆

第三十七話

「おじさん」

「ん?」

「ここじゃ近所の邪魔になると思いますから場所を変えませんか?」

「ああ、かまわないよ」

 黒スーツをびしっと決め込んでいるおじさんの姿はどうみてもあれだ。黒いサングラスだって似合っているし、ヤから始まる怖い人だ。

「じゃあそこに車を止めているからそこで話をしよう」

「ええ、わかりました」

 黒塗りの車。後ろのほうまでスモークガラス……どっからどうみてもあれじゃないのか?これは?ヤの幹部級の人が乗っている車に違いない。

 近所のおばさんとかに見られてないかと心配しながら静かに入った。

「君がよもや東の坊主と知り合いとは思わなかったよ」

「まぁ、僕自身この前あったばかりですから」

「そうかい、それは偶然もあるものだ……」

 タバコの代わりになにやら違うものをくわえる。じっとそれを見ているとバックミラーでおじさんと目が合った。

「ああ、今禁煙中でね。気休め程度かもしれないけど一応しているんだよ」

「そうなんですか」

「……当日、こっちは何もする気はない。けど……私の知っている話では君は悠の友達だ、といって首を突っ込んでいるようだね?」

 答えようによっては自分の身が保障されないのかもしれない……そんなことあるわけないのにそんな空気と錯覚してしまう。きっと今、僕は極度の緊張状態にあるのだろう。

 ゆがむ景色を振り切って僕はうなずいた。

「僕は、僕は悠の友達です」

「そうか、それだけ聞ければ安心だ……当日、何もする気はないといったけど……私の娘の友人としての行動を君が取らなかった、取れなかった場合洋一郎と美月は結ばれなくなると思ってくれていい……もちろん、君とその友人がこれからさき普通の生活を遅れなくなってしまう可能性だって大きい……私は嘘というのが嫌いでね、仲間内からは有言実行者だとよく言われているよ」

 目がマジだ。

「あの、最近悠が学校に来ていないらしいんですけど何でだかわかりますか?」

「そんなもの、悠に直接聞くといい」

 はき捨てるようにそう言う。何か思うところがあるのだろう……これ以上何か話す気にもなれずに僕は外に出ることにした。



―――――――



 すぐさま車は走り出して消え去ってしまった。空気に呑まれないと自信があったのだが所詮は子どもが考えるようなことだった。

 しかしまぁ、これで野々村側には計画がばれてしまっているのは確定事項のようだ……これを他に話したところで今から何かいい案が浮かぶとも思えなかった。

「おかえり、お兄さん」

「……ただいま」

 アパートの前に悠子が腕を組んで待っていた。その目は何かをいいたそうにしていた。

「友人ってそんなことまでするの?」

「……まぁね」

 悠子もきっと事情を知っているのだろう。そんなことを聞いてくる。

「私にはわからないわ。友達なんていないから」

「……」

 それだけ言って悠子は一人で戻っていった。もう戻れないところまで僕らは来ている。あとは、進むだけ……道を間違えないように。


シリアスな小説が書けないのはある意味災難です。そう、雨月はシリアスな小説をうまくかけないのです。どこか、奇行が目立ったりしてしまうのです。程よいシリアスをみんなは求めているのでしょうがここはコメディーですし、苦手な人にそれを期待しても求められません。行き過ぎたものか、しょぼいシリアスなものになってしまうのです。それと、こんなことを言うのもおかしいかもしれませんが読者がいる限りこの小説は続けたいと思っています。霧之助がどういった結末を迎えるのか未定ですが、その日まできちんとまとめたいと思っています。

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