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第三話◆

第三話

 殺人ビームか、腹黒か……迷った結果前者へ決定。実際のところはいきなり携帯を取り出して話をし始めたために前者しか話せなかったのである。

 机に突っ伏しているので話しかけづらかったのだがこのままいけばあのおっさん野郎が寄ってくる。

「あのさ……昨日のドラマ……」

「……起こしたら竹刀でどつき回す」

「……なんでもないです、はい」

 ふぅ〜……よもや見た目どおりおそろしい人だとは思いもしなかった。実はものすごくかわいい性格だったとかやはり小説やテレビだけの話か。考えが甘かったな……

 先ほど宣言したとおり竹刀袋が隣に置かれており、この人が剣道部であるということが一目瞭然だった。

「へぇ、毎日竹刀もって帰ってるんだ偉いねぇ?」

「………」

 ゆらぁりと立ち上がり、おかれていた竹刀袋へと手を伸ばす。あれ?これ何気にやばい方向へ話が進んでいませんか?

 身の危険を感じ、廊下へと逃げ出す。下足箱へと行こうとしている見知らぬ同級生たちの間を縫うようにして逃げていると背後から悪鬼が!

「起こすなって……いっただろうがぁぁぁぁっ!!」

 竹刀を振り回しながら殺人ビームを乱射している鬼が走ってきているではないか!臆病な連中は目をそらして壁に張り付くようにして歩いているために若干だが廊下の人の数が減る。

「ごめんなさい!悪気はなかったんです!」

「嘘付けっ!!」

 だだだだだだだっ!なぜか知らないがそんな音がしっくり来るような気がして、ついでに言うのならダンプカーが背後から迫っている気がする。つかまったら五臓六腑裂かれて捨てられるに違いない。それから校門にさらし首にされて見世物にされるんだろうな……ぐすん、短い人生だったと果敢無んでもいいんだけど追い詰められたねずみは猫に噛み付くってやつだ。いや、噛み付いたりしないけど逃げまくってやるさ。

 そんな思いを胸に秘め、急いで廊下の角を曲がるとそこには青い男と赤い女のマークが!男マークへと逃げろ、やつは見た目は女(実は女装している男かもしれん)だからきっと入ってこれないぞと脳内が言うのだが、裏をかいて女子トイレへと転がり込む。三番目の個室に入り鍵を掛け、一息つくことができた。一瞬脳裏にトイレの花子さんは三番目という情報が咲いて散ったが高校にも出たりするのだろうか?

 そんなどうでもよさげなことを考えていると男子トイレのほうから『いやぁぁぁぁん!』という声が聞こえてきた。よかった、あの鬼はどこまでも標的である僕を追いかけてくるつもりだったのだ。しかし、ちょっと話しかけただけであそこまで怒るなんて世も末である。

 ほとぼりが冷めるまで待っていようかと思ったのだが女子が入ってきたらまずい気がした。とっさに入ったのだがここは女子トイレだ。男が入っていい場所ではないし(だが、女子が男子トイレに入ってもそんなに咎められないのは何故だ?)、愚図愚図していたらやつがこっちにも来るかもしれない。

 タイミングを見計らっていると人の足音が聞こえ、隣の個室へと入ったようだ。これはやばいのでは?見つかったら普通に覗き魔として警察に突き出される恐れが……退学さえ視野に入れておかねばなるまい。

 こうなったら今のうちに扉を開けて左にある裏庭へと飛び降りるしかない。あまり高さはないので目をつぶってだって降りれる程度のはずだ。

 急いで扉を開けてそのまま窓へと駆け寄って開いていた窓から飛び降りる。

「うわぁっ!!」

「きゃっ!!」

 どうやら下に人がいたらしく、その人をつぶしてしまったようだ……急いで相手が誰だったか確認しようとすると……そいつは僕の妹だった。


誤字脱字、その他何かおかしいところを発見しましたらぜひとも教えてください。実はもっと卑屈な主人公にするつもりだったんですけど気がついたらなんだか中途半端な主人公に…そしてその妹である悠子は今よりもおにいちゃん大好きっ子にしようかなぁと思っていたのですが今のところツンツンですね。デレてくれてません。今後デレる可能性があるかどうかは後の期待ということでよろしくお願いします。では、次回も読んで頂けるとうれしいです。

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