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第二十八話◆

第二十八話

 翌日は三教科あって現代文、英語、古文……言語が苦手な人にとっては三凶科である。

しかし、悲惨な結果なんて生まれやしないはずで、そんな前向きな言葉が出てくる理由は猛勉強の努力。それもあってかこれは近年まれに見る手応え(冗談で友人を叩いたらきゅぴーんとかどすっ!という音がするような感じ)を感じることができた。このまま行けばきっと雪ちゃんの賭けにも勝利ができるだろう。

 そして、もう一つ憂慮すべき事態が発生したわけなのだがこれは知っての通り由美子ちゃんがやってきたのである。

 ややこしい話になることを考慮していただきたいのだが、以前は僕も悠子の父親も同じ市に住んでいた。

しかし、再婚するに当たって隣の県に引越し、それについてくるか、来ないかで僕と悠子はこっちでアパートを借りたというわけである。以前住んでいた部屋はとっくに次に住む人が決まっていたために急遽一人暮らしを言い出した僕のせいでアパート暮らしとなったといっていい。悠子がいたのに首をかしげたのだが、どうやら双子の片割れである由美子ちゃんとの関係が悪く、それなら僕と生活したほうがいいと考えた結果だろう。

 間山悠子、そして僕、間山霧之助の妹である(悠子が先か、由美子ちゃんが先なのかは僕は知らない)間山由美子。身長百六十五センチ(僕より高い)、体重は不明…スリーサイズは上から八十四、六十、八十らしい。最近活躍しているモデルさんだそうで、たまーに、テレビに出ている。おっとりとしている性格だそうだ。

 駅前で悠子とともに待っているとのっているであろう電車から由美子ちゃんと思われる子が出てきた。おっとり系のモデルがはやる世界になったのかは知らないがゆっくりと歩いてきているその姿はまさしくモデルなのだろう。そして、悠子はその由美子ちゃんが嫌いということで……

「由美子、さっさと歩いてきなさいよっ!!」

「えぇっ!?久しぶりに会ったのにそんなこというのぉ!?」

「当たり前でしょ!私たちがあんたを何分待っているっていうのよ!」

 そういうとぼーっと考えるような顔をしている。いらいらとした調子でそれを悠子は待っている。ああ、対照的な姉妹だな。

「……わからない」

「そう!それならもういい!お兄さん、もうこいつなんて置いて帰ろう!」

 この怒りを誰かにぶつけたいと体中で表現し、僕を見てくる。

「ま、まぁまぁ、押さえて押さえて。とりあえず連れて行こうよ」

「勝手についてくるわよっ!!私帰る!」

 いつもよりも三倍ほど足が速く見えるのは悠子の顔が怒りに燃えているためだろうか?ま、まぁ、そんなことはおいておくとしてあまり妹とはいえない妹と取り残されてしまった。今だったら悠子と何時間一緒にいようと緊張なんてしないのだが、めったに、というか一回ぐらいしかあったことのない妹となめらかーに話すことなんて僕には無理だ。

「あ、あ〜、久しぶり」

「うん、久しぶり」

「えーと……」

「そろそろ行こうか、お兄ちゃん」

 お兄ちゃん……お兄ちゃんかぁ……初めていわれたような気が……え?あれ?以前いわれことがあるかもしれないが……まぁ、いいや。

 家に帰り着くまでに何故こっちのほうにやって来たのかようやく理解できた。ずばり!仕事だそうだ。



―――――――



 由美子ちゃんが来てから悠子の機嫌は最悪である。仲が悪いとのことで、悠子と由美子ちゃんの部屋は別にしている。彼女の部屋は物置として使用していた部屋を掃除し、布団を買ってきてそれを設置し、簡単なテーブルをおいている。

 由美子ちゃんが仕事に行っている間(ちょうど夕食を作り始めたとき)悠子とともに夕飯を作り始める。

「悠子、何か怒ってる?」

「別に……それより、妹と話せて楽しそうね、お兄さん」

「え?」

 これまで一回も由美子ちゃんと話したことはなかったのだが、彼女は意外と聞き上手だった。それでいつの間にか普通に話せるようになった。しかし、それが悠子には気にくわなかったらしい。

 まぁ、それでもよくよく考えてみたら気難しそうな悠子と普通に話すのも十分楽しかったりするんだけどね。

「そうかな?悠子と話すのも楽しいけど?」

「……ふんっ」

 そっぽを向かれてしまった……うぅん、気難しいんだな。


予定としては次で一つの区切りですね。もう一人の妹、由美子はものすごくサブキャラ扱いです。多分、今後の登場も少ないことでしょう。さて、いろいろと問題を抱えてきましたがこの小説もそろそろ第三十を突破します。いや、別に突破するから何がかわるってわけでもないんですけどね。それに他の方とか普通に三十こえてる人たち多いですし。数が多いと読む気にならない人もいたりするかもしれないので、第三十以降からは毎日三回の更新を目安にしています。

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