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◆◆第二百六十一話◆◆◆:霧之助不在におきたパンツ事件

第二百六十一話

「じゃあ、僕は行くからね?」

 間山霧之助はそういってちょっと年季の入っている『103号室』のゆっくりと開ける。普段ならば彼はそんなことを言わない。なぜなら、この部屋に住んでいるのは彼だけであり、ペットの類は存在していない。彼が何か別のものが視えているというならば話は別だが彼の部屋の中には彼以外でも見て確認することが出来る少女が一人、いるのである。

 少女の名前は野々村悠。間山霧之助の『お友達』である。

「うん、行ってらっしゃい!何か忘れ物はない?」

「ないよ」

「ハンカチは?」

「持ってる」

 そういって霧之助は水色のハンカチを見せる。

「じゃあ、ポケットティッシュは?」

「ぬかりないよ」

 駅前で無理やり押し付けられたポケットティッシュを差し出す。

「えっと、後は……」

「じゃ、行ってくるね」

「あ、待ってよ!」

 霧之助が歩き出したのを見て悠はそれを止める。

「今度はどうしたの?」

「……御守りは?」

「御守り……?ああ、これね?」

 財布の中から取り出したものは蒼いリボンのついた鍵である。

「うん、大丈夫ね……じゃ、行ってらっしゃい!」

「行ってきます」



――――――――



「行ってきます……かぁ」

 ぽけーっとしながら去っていったこのアパートの住人をいまだに見送っていた。

「いいなぁ、やっぱり……こういうの」

 幸せそうな顔をしていたがはっとして辺りを見渡す。

「……よかった、誰も居ないみたい」

 しばしの間きょろきょろと見渡していたが注意深く扉を閉めるのであった。

「さてと、霧之助が居ない間に掃除しないとね!あ、その前に洗濯物を干さないと……」

 独り言とともにちょっとぼろい中古の洗濯機がある浴室へと向かう。そして、それを悠は発見したのだった。

「んんっ?」

 それを摘み上げる。それは自分のではない、下着だった。勿論、霧之助のものではないだろう。女性物の下着をはいているとは思えない。実際、洗濯機の中には昨日彼がはいていたであろうトランクスが入っているからだ。まぁ、世の中には頭にパンツをかぶるという連中が居ないとは言い切れないし、もしかしたら、そう、万に一つの可能性で霧之助がそういった類の人間かもしれないと思わないでもない。

「……これ、誰のよ?」

 それを答えてくれる人は今現在ここにはいなかったりする。冷静にパンツを眺め、ぽんと手を叩いた。

「……青色と緑のストライプか……ああ、悠子のね」

 恐るべきは元ルームメイトだろうか?ちょっと冷静になればこんな問題はすぐさま解決である。

 素人探偵を目指そうか……そんなことを考えていたが、あほらしくなったようで立ち上がって洗濯物を干すためにベランダへと悠は向かったのだった。


新しい小説が書いてみたいですねぇ。ええ、もう気張ってはじめた『満月の騎士 ~死んでも死に切れないんだよぉ!~』が完っ全に暗礁に乗り上げてしまいましたよ。はっきりいって昔のほうがまだ面白かった……自分で書いててなんですけどね。でもともかく、今の自分にやるべきことはこっちの小説を完結させることなのです!幽霊や龍、魔王に勇者、魔法使いが登場しているわけではありませんし、普通の日常過ぎますが……それでも、終わりへと向けて一直線です。わき道なんて通っていませんよ?ついでに言うなら自分で決めた更新日時すら守っていません(本当は不定期連載)。ま、今後も自分の首を絞めない程度に更新を続けていこうかなと思います。ではまた次回。一月十七日日曜、九時二十七分雨月。

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