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◆◆第二百五十四話◆◆◆:怪奇、トランクス紛失事件発生!

第二百五十四話

 四日目、明日にはバスに乗ってようやくこの宿泊場を後にすることが出来るわけだが、逆を言えばまだ今日一日頑張らなくてはいけないのである。

 夜遅くまで僕らの部屋に居た里香をなだめすかし、お菓子で釣って自分の部屋に帰ってもらったわけだがあまりいい夢を見ることは出来なかった。

「よし、じゃあ……一日ぶりの朝食を拝みに行きますかねっ」

「そうだね」

 早速、朝食へと全員で向かうことにしたのだった。



―――――――



 朝食についていたデザートをじゃんけんで負けた為に隣の奴に没収されてしまった……まぁ、朝食時に起こったちょっとしたトラブルというのはその程度のもので、至って平和な朝食で気がまぎれるというか何と言うか、この後に控えているお勉強時間前の自由時間といった感じだ。



 事件が起こったのはその後だった。



「な、何これ?」

 朝食を負えて、全員で自分たちの部屋に戻る。すると、鍵がすでに開けられており(鍵はルームメイトの一人が持っている)中に入ると荒らされた形跡があった。散らかし名人はこの部屋に居ないために全員がきちんと整理整頓を心がけていたのだが(一週間にもなるとその道の人が居るだけでホテルだろうと何処だろうと自室のように汚くなる)バックの中のものがひっくり返されていた。

「「「……」」」

 全員で立ち尽くしていたが、誰からというわけでもなく急いでバッグの中の盗られた物を確認しに行く。

「……俺は、とりあえず貴重品は大丈夫だ」

「俺もだ」

「俺も……」

「僕もだよ……」

 そして、誰一人何も……そう思ったとき、足りないものがわかった。

「僕、パンツ盗られたみたいだ……」

 そういうと、誰か一人笑ったが他の連中も急いで確認作業に入る。

「……俺のパンツもない」

「俺も……ないぞ、パンツが!」

「…え?何でパンツが?って、俺のパンツもナッシング!」

 微妙な空気が流れる。

「……下着泥棒か?」

「男の盗む奴がいるのかよ?」

「……シャツは残ってるしなぁ……」

「どうする?先生に言いにいく?」

「「「……」」」

 もしかしたら誰かの悪戯かもしれない。鍵をきちんと掛けていなかったため、誰かが入って悪戯のためにパンツを盗んでいってしまった……そう考えるのが普通だろう。

「お前ら、パンツに名前とか書いていたか?」

「おいおい、小学生じゃないんだから……第一にパンツなんて落とすわけないだろ」

「そうそう」

 勿論、僕もパンツに名前を書いていない。

「あ~こりゃ、帰ってこねぇな。何処の誰だか知らないが……まぁ、パンツぐらいなら許してやるか。おい、この中で誰かお気に入りのパンツを盗まれた奴いるか?いたらとりあえず先生に言っておこう」

 一人が手を挙げる。

「お、どんな柄だ?」

「……貴女が好きです!と書かれたトランクスだ!」



――――――――



 なんだかよくわからないがその後、急遽集合がかけられた。いつもの勉強会が行われている場所へと向かい、自分の席に着く。

「なんだろうな?やっぱり、他でもパンツが盗まれたのか?」

「そうかもね……」

 しかし、男のパンツを盗む奴が出てくるなんて世も末だな……。そう思いながら先生を見ているといきなり一枚のパンツをみんなに見せた。

「「「「!?」」」」

 そのパンツには『貴女のことが大好きです!』と書かれている……ピンクのトランクスだった。

「あ、あれ、お前のじゃないのか?」

「取りに行ったほうがいいんじゃないのか?」

「え?こ、ここで立ち上がってか?」

 就職組が帰ったためにある程度の人数は減っているが、それでも、三年生全体の三分の二はいるのである。そこでパンツのために手を挙げて出て行くなどと勉強合宿から学校へと帰った後にパンツ勇者としてあがめられかねない。

 そして、ちょっと雰囲気が違っていた。

「あ~このパンツが何処にあったと思う?」

 知らないよっ!!こっちが知りたいぐらいだ!そう思った、そしてきっと僕と同室の連中もそう思っているに違いない。



「これがあった場所は女風呂の脱衣所だ!しかも、昨日の夜……女子が風呂に入っている間に自分たちの着替えの上におかれていたそうだ!」



「「「「……」」」」

 ちょっと、想像してみた。風呂に入り、上がってくると、誰のかわからないが女子のパンツに『貴方が好きです』と書かれている……え?いいんじゃない?

「……おい、それが男の奴だったらどうするよ?」

「………何て卑劣な奴なんだろうな?あのパンツの所有者は女子全員からリンチを喰らっても文句は言えない」

「あれは俺のだけどな……それに見ろよ、あのパンツの数を」

 先生がみんなに見せているのは……なくなったはずの僕たちのパンツたちだった。まるでさらし首のようにみんなに見せられている。

「一体全体どういうことなんだろうか?」

 四日目にしてまさかミステリーに発展するとは思わなかった……というか、このまま何かぼろが出たら……僕らにあらぬ容疑がかけられてしまう。

「今日の勉強会は中止だ!男子どもは部屋に戻って待機していろ!これからパンツの点検を始めるっ!!」

 学年主任はそんなことを言った。え?つまり、持ってきていたパンツの点検を行うと?パンツの数が足りない僕たちは……一体全体どうなるんでしょうか?


さて、気がついている方もいるかもしれません。宣言どおり、第百二十話の百合エンドが……なんと、CM編に変わっちゃっています。残りは結エンドだけ……さぁ!あなたの胸にきちんと刻みましたか?思い出とはかくも美しいものばかりです。今回起こってしまったトランクス紛失事件!そして、それにプラスする形で起こったもう一つの事件……超危機的状況へといざなわれるかのように直面してしまった彼らに回避できる未来はあるのか?次回への振りはこの程度で……CM編、結構増えてきましたがどうでしょうか?おいおい、エンディングを消さなくたっていいだろうよ……と、思っている方がいるとは思わないので消してみました。勿論、アンケートの結果で悠、百合、結の誰かが選ばれた場合は新規でやり直します。あれ以上のハッピーエンドなんて雨月思いつくのか?そう思ってしまいますが……過去の自分を乗り越えて見せますっ!!そろそろアンケート結果を見直したほうがいいころあいですね。夏休み終わってからの高校三年生ってあっという間ですからね……一応、まだアンケートは受け付けていますのでよろしければお願いいたします。一月十一日月曜、十九時二十二分雨月。やっぱり、今日はポッキーの日だと思います。

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