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◆◆第二百五十三話◆◆◆:友情の印

第二百五十三話

 一年女子がなぜか、六階を陣取っている。どうせならよい景色を眺めることが出来る六階に行ってみたかったが男子は女子の領域へと足を踏み入れてはならないのである。まぁ、何か間違いか何かが起こってはいけないからだろう。



こつ……こつ……こつ……



 三階の階段踊り場にて上を見てみるが、どうやら誰も居ないらしい。まぁ、この時間帯にうろうろしている連中は肝試しをしている奴らか先生、もしくはホテルの従業員ぐらいだろうか?

 何とか、一階上の四階の階段踊り場まで到着。ここはすでに女子の領域である。しかしまぁ、この静けさのうちに急いで階段を駆け上がりたい。だが、もしも各階の廊下にちょうど先生が見回りをしていたら音に気がついて間違いなく、ばれてしまうだろう。いっそのこと、どこかで身を潜めて部屋に戻りたいのだが、一二三ちゃんがどういった理由で僕を呼び出したかわからないためにそれを無碍にしてしまうというのもなんだか酷な話である……と、言うか……なんだか、一二三ちゃんって怒ると怖そうな女の子みたいだし。下手にご機嫌損ねて何か後で面倒なことを背負い込むことになるのも少し面倒だ。しかし、ここで呼び出されてほいほい相手の下へ危険を冒していこうというのもあまりにも無謀ではなかろうか?いや、まぁ、確かに……僕は一二三ちゃんにあれを渡したのだから何か一つお願い事を聞いてあげるというのも当然だろうけど……

 そんな風にぶつぶつ言っていると上から何か音がしてきた。

「!?」

 それが学校指定のジャージ(合宿中のパジャマは全員ジャージ)であることに気がついたのは相手が一階上に居る状態である……というか、急いで何処かに隠れたほうがいいではないのだろうか?

 まるで他人事のように考えていたわけだが、今から何処かに行くというのは時間的にも無駄である。しょうがないので階段踊り場に置かれていた観葉植物に成りすます。

「……あの、部長……何をしているんですか?」

「何だ、一二三ちゃんか…びっくりしたよ」

「こっちがびっくりしました。そんな変なポーズをとっているのですから」

 まぁ、確かに驚いてしまうかもしれないけどさ……

「ああ、それで用事って何かな?売店で何かをおごって欲しいとかそういったものだったらちょっと時間帯的に無理だって思うんだけど?」

「違いますよ、そんなおごって欲しいとかは……あの、これを受け取ってもらいたいんです」

 そういっておずおずといった調子で差し出されたものは友情の印だった。

「あ、これ買ってきたんだ?」

「一二三は別にですね、こういったものでその、固定というか、何と言うか……部長との間が……」

「うれしいよ、ありがとう」

「あ、いえ……部長からももらっていますから……じゃ、一二三はこれで帰りますね」

 そういって階段を駆け上がっていく……が、途中で足を止めて急いで駆け下りてきた。

「あの、このことは夏帆には内緒ですからね?絶対ですよ?」

「え?あ、うん……言わないよ」

 安心したのかほっとしたような表情を見せる。

「おやすみなさい、部長」

「うん、おやすみ」

 そういって今度こそ駆け上がっていってしまった。まったく、僕はいい後輩を持ったものだな……



―――――――



「お、今日は女子を連れ帰ってこなかったな?」

「まぁ、あれだよ。僕もやれば出来る男だからさ。毎日トラブルメーカーを連れて帰ってくるわけが……」

「や、霧之助!」

「り、里香……な、何で?」

「べつにい~じゃん!で、今のトラブルメーカーって誰のこと?」

 笑顔に微笑む里香が素敵に怖かった。


目玉焼きを作ろうとして玉子が粉砕。フライパンに顔を近づけて殻を取り除こうとしたところ……右目に異物混入!どうやら油が入り込んできたようで三分程度もだえていました。いやぁ、痛いものですね……リアルに目が、目がァァ……とのた打ち回っていました。あの痛さはタンスの角に小指をぶつけたレベルに匹敵するんじゃないのか?そう、雨月は思っています。本編とはまったく関係のない話をしているのはいつものことなんですけど、今回は真面目に本編の話をしようと決めていました。そういうわけで早速いってみましょう!里香、桜、一二三ときて……満を持して次回登場するのは、というよりも主眼として捉えられるのは第三期では完全に影の薄いあの子の、予定です。予定はあくまで予定であり、狂うことがよくあります。勉強合宿が終わった後は三者面談があり、そこで一つの区切り目をつけてもいいんじゃないかな?そう思っています。いわば、大切な分岐点。大学見学にもまだ行っていませんからね。こういうのは二年から行くものばかりだと思っていましたが完全に忘れていました。それからまだまだ終わらない夏休み編。長引く夏休みの話の果てにあるものは、全ての小説が向かう先……なのかもしれません。まぁ、長かったようで意外と短い高校生活三年間。間山霧之助は後悔することなく卒業し、ハッピーエンドを手に入れることが出来るのか?まだまだ、アンケートは募集していますので我こそは!という方はぜひ、お願いしたいと思います。ああ、それと忘れていましたがエンディングを書いてくれると言う方も実はいまだに募集していたりします。匿名希望などでもかまいませんのでよろしくお願いしたいと思います。それではまた、次回、おなかの調子と、目に油が入り込むアクシデントがなければ後書きでお会いしましょう。一月十一日(ポッキーの日ではないのか?)月曜、八時二十六分雨月。

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