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第二十五話◆

第二十五話

「間山さん、いまさらですが間山さんはあの飛び級の間山悠子の兄ですよね?」

 たまたま今日は寝坊していたために悠子のお弁当しか作れなかった。よって僕は食堂でのお昼を過ごさねばならず、食堂組だったらしい百合さんの姉想いの妹である宮川雪ちゃんと鉢合わせた。

「ん?そ〜だよ。それがどうかしたの?」

 素うどんをずるずるすすりながらそういう。

「間山さんその割には頭悪そうですよね?」

「ぶほぉあっ………ごほごほ、し、失礼な!」

 こ、こう見えても僕は真ん中よりも上の……ごく普通のラインで止まっているのである。だから、頭がいいとは言われないまでも頭が悪いというのは間違った表現であり……

「あれ?どうかしましたか?」

「……いいや、何も」

「それより、そろそろ中間ですね。そういえばおととい国語は苦手だーとか言ってませんでした?」

 そういえば言っていたような気がする。というより、言語関係が苦手なので必然的に英語も苦手だ。まぁ、酷いというものではないが九十点以上を取れる自信がない。

「ま、まぁ、何とかなるよ。初めての中間テストだから先生たちも優しく作ってくれているだろうし」

「考えが甘いですね、ここって先生たちスパルタですよ」

「……」

 困ったなぁ……

「ま、一生懸命あがいて駄目だったらわたしにメールでもしてください。教えてあげますよ」

「だ、大丈夫だよ!僕だって一人で勉強ぐらいできるはずだし!」



―――――――――――



 大見得切ったものはいいものの、これは困ったことになってしまった……そういうわけで、ここはテスト傾向も知っているであろう雪ちゃんのお姉さんである百合さんに聞いてみることにした。

「……百合さん、それは……なに?」

「あ?これはあれだよ、あれ……形から入ってみた」

 ぐるぐる眼鏡に三つ編みで額には『目指せ!赤点零!』とかかれている白鉢巻を巻いていた。

「……もしかして、百合さんって頭よくないほう?」

 そういうと人を小ばかにしたような笑みをうかべる。

「よかったら……よかったらここにはいないだろ」

「そ、それもそうだね……」

 お互いあはは……と笑う。はぁ、どうやら自分のことで手一杯の彼女に協力を取り付けることは難しいようだ。僕って意外と友人の幅が少ないし、同じ中学からこの高校に来ている人って意外と少ないんだよなぁ……地元のはずなのに。

「お〜、お困りのようだな、霧之助」

「猛……残念だけど絶対にお前に教えてくれなんていわないからな」

「ああ、俺もお前に教えようなんて思わない……しかし、今のお前には頼れるやつがいるだろ?飛び級の友人に飛び級の妹!」

「お、おおっ!そういえばそうだった!」

「これでお前も百点万歳王国に仲間入りだな」

「うん、よく意味がわからないけど仲間入りだね!」

 悠のいる二組へと早速僕は歩き出したのだった。



――――――――――



「悠、勉強教えてくれない?」

 一人で黙々と勉強していた(勉強していると思ったら英文で何やらめちゃくちゃ長い文章を書いていた)悠のところに頭を下げに行った。周りの人たちも勉強しているところを見るとこのクラスは比較的努力家が多いのだろう。僕らのクラスなんて猛が『初めての高校のテストだが俺を信じろ!』といってテストのやまをクラス中に配布している始末である。

 勉強を教えてくれと頼んだのだが、悠はげんなりとした顔で笑った。

「あ〜それ無理。今のところさ、あたしから勉強を教えられた連中は全員悲惨な結果たどってんの」

「え?」

 そういうと気まずそうに悠は語りだした。

「中学のころなんだけどさ……始めて勉強教えてあげた子が見事に零点たたき出しちゃってね……同じ中学だったんだから知らない?」

「知らない」

「そう、それで、二回目に教えた子も見事に零点……そのとき、あたしの点数百点でね……あの時はものすごく怖かったよ……ずっと無言電話かかってきたし」

 トラウマなのだろう……顔が青ざめている。

「他にも……」

「わかった、もう言わなくていいから」

 逃げるようにしてわがクラスへと帰ってくる。これで今度のテストは八十点以上だ!とかいまだ叫んでいるクラスメートが哀れでしょうがなかった。

 百合さんも一生懸命一から教科書を復習している。

「これで点数取れなかったらあの教師に復讐が何か教えてやるっ!!」

 ものすごい意気込みである。


最近後書きを書いていません、すいません、本当。え?別に後書きなんて読んでないからかまわない?ま、まぁ、その通りといえばその通りでしょうけど……ふと、思ったことなんですがギャルゲーのEDが歌だけってむなしいですよね。だからそのキャラクター後日談的なアニメを流せばいいのに……ってどうでもいい話だぁ!

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