◆◆第二百四十七話◆◆◆:お化けの正体なんていつも勘違い
第二百四十七話
里香と女子トイレで少々雑談していると、急に口をふさがれてしまった。
「うぐぅ?」
「……しっ!誰か来るっ!!」
急いで掃除用具の扉を開けて、押し込まれる。全国の掃除用具と比べて比較的広いわけだが(多分である)さすがに掃除用具+人間二人はきつかったりする。
「……」
「……」
こつ、こつ、こつ……キィ、パタン。
どうやらトイレの中に入ったようで今のうちに出ることが可能のようである。
「……えっと、ところでなんで里香まで隠れたの?」
「え?あ~……まぁ、成り行き上、しょうがなかったということで……さ、今のうちにここから出ようよ」
手を引かれ、ゆっくりと扉を開けようとして……
パタン……
閉めた。
「え?どうしたの?」
「……見られた」
「え?」
「見られたって言ったのっ!!あっちもちょうど扉が開いているところだったからさ!」
こつ……こつ……
ゆっくりとこちらに歩いてくる相手はどうやら恐がっているようだ。一歩一歩、恐る恐る……
「ど、どうしよう……」
もはやどうすることも出来ないということで里香のほうを見ると親指をかんでいた。
「……ええい!ままよっ!!」
なぜかモップを手に持って扉を勢いよく開ける。
「きゃあああああっ!!!!」
どこかで聞いたような声が聞こえてきて、里香は急いで僕の手を引き、廊下へと出る。
「何何?どうしたのっ?」
そんな声が(多分、というか絶対吉野先生)聞こえてきたのでもはや逃げ場所は階段しかなく、急いで駆け下りる。しかし、今の悲鳴がかなり遠くまで響いていたのかどたどたという音が聞こえてきていた。
「霧之助、部屋は?」
「僕の部屋?とりあえずここの廊下を駆け抜けた一番奥!」
「……間に合うかな?」
どうだろうか?
――――――
「で、お前は高畑を連れてきたと?」
「う、うん!」
「つれてきたって言うよりもあたしが霧之助を連れてきたんだけどね」
「……まぁ、いい。えっと、今日の優勝書は間山だ。まさか、女子を部屋に連れてくるとは思わなかったからな……今日はお開き」
―――――――
里香が戻れるわけもなく、結局、一晩過ごすことになった。しかし、布団はこの部屋に泊まっているものの分しかないために足りないのである。
「……で、当然僕が押入れってことになるんだね」
「当たり前だろ、お前が高畑連れてきたんだからな」
「……反省してます」
部屋が暑いために布団も何も必要ないが、できれば枕は欲しかった。
さて、やっと勉強合宿一日目終了です。いやぁ、やっぱり合宿の話は書いていて楽し〜!まぁ、本当は女湯に突貫するという話にしようか悩みましたが、そうしてしまうと繋がらないのでやめました。とにもかくにも次回もまだまだ勉強合宿です。感想なんか待ってます!一月七日木曜、八時十六分雨月。