◆◆第二百四十五話◆◆◆:始動、恐怖の肝試し
第二百四十五話
バスで移動すること約二時間。小高い丘に聳え立つ洋館のような建物……それが、勉強合宿で滞在する場所である。しかしまぁ、全校生徒でお泊りなんて出来るのかよと思っていたけれども、出来るところがあるなんてねぇ……想像してなかったよ。
「今年もまた、ここに来てしまったのね……」
感慨深げに建物を見上げている里香。その背中には哀愁が漂っていたりする。
「もしかして、今年も逃亡を企てているの?」
「まっさかぁ!そんなことしたらスペシャルチームに捕まって特別フルコースで勉強させられちゃうよっ!!」
がくがくぶるぶる……震えている彼女を見るとどうやら逃亡をしないと誓っているようだ。
「さ、とりあえず荷物とかを置いてこないとね!」
里香はそういって手を振りながら友達たちと去っていった。さて、僕もそろそろ動き始めないと……
―――――――――
昼食を食べた後に三年生は大広間で勉強会である。一年、二年生はどうやら違うようで(写生会だそうだ)別行動。少しばかりうらやましいけど……ここは気合を入れておかないと乗り切れない。
「なぁ、間山……」
「何?」
食事の時、クラスメートの男子たちと一緒に集まっていると一人が話しかけてきた。
「肝試ししねぇか?」
「肝試しぃ?」
「ああ、肝試し」
何故、勉強合宿にやってきて肝試しをしなければならないのか不思議だが……
「まぁ、いいけど」
「よし、話がわかるいい奴だ!」
その後も、そいつは様々な奴に話しかけていたわけだけども……何をたくらんでいるのだろうか?大体、先生たちが肝試しを承認してくれるわけないはずだし、女子に一切話しかけなかったのも気になった。
――――――――
六時間ばかりの勉強時間が過ぎ、さらに夕食、入浴をはさんで(入浴時には素っ裸で廊下を走っていた奴がいた……)再びお勉強である。
「間山、大丈夫?」
「……え?ヤン・ヨーステンがどうかした?」
「いや、目が虚ろだから……」
早乙女さんにそういわれたがそんなに僕の目は虚ろだろうか?
「気にしないでよ。大丈夫大丈夫」
「……私はこっちよ?誰に言っているの?というより、本当に大丈夫?」
ありゃ、左に居ると思っていたら右に居たのか……
―――――――――
「よし、集まったな」
総勢、十名だろうか?野郎共が僕たちの部屋に集まっている。
「これから肝試しを行う……知ってのとおり、女子の部屋に忍び込み、自分の所持品を一つ知り合いの女子の枕元においてくるというのがルールだ!」
「ちょっとまった!」
「何だ、間山?」
僕はてっきりお化けとかが出てくる奴を想像していた……というよりも!
「それって肝試しでもなんでもないだろ?」
「いや、肝試しだ。先生に捕まったら説教、眠っているであろう女子たちにばれた場合は……警察行きだろうな、うん」
「……」
「ああ、気にするなよ?ちゃんと相手に行くって伝えておけばいいんだからな。さすがに、人生棒に振るのは早い」
確かにそうだろうけどさ……
「今日から毎日行うからそのつもりで居てくれ」
他のみんなはやる気満々。
「つ~わけで、これから誰のところに行くのか消灯時間までに決めてくれよ?明日の朝、俺が責任もってその所持品を相手からもらってくるからな。あ、先に言っておくけどいまさらやらないとか駄目だぜ?」
まったく、しょうがない奴だな……っと、さすがに犯罪者にはなりたくないから誰かにメールをしておくことにしよう……
「誰がいいだろうか?」
ケータイの電話帳を眺めながら僕は知り合いの女子の番号をじっと眺めるのであった
続投、打ち切り、消去、さじなげ…敢えて選ぶのなら、さじなげですかね?まぁ、まださじなげるほど悲観的ではないです。打ち切りはまずありませんね。けど、打ち切れよ(笑)が来たらマジで打ち切りになる可能性があります。そういうわけで、そういったものはなしでお願いします。さて、あとがきなのに前置きが長くなってしまいました。今回から向こう三十話ぐらい、夏休み編をやります……と言いたいですが無理だと思われますのでとりあえず勉強合宿をいじりいじりやっていきたいと思ってます。ああ、それとアンケートの件は保留の方向でお願いします。それでは、次回お会い出来たらお会いしましょう。一月五日火曜、八時五十三分雨月。