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◆◆第二百四十三話◆◆◆:基本ルールはとっても大事!

第二百四十三話

 高校三年生にとっての期末テストは勿論大事だが、それよりも自分の進路のほうが大切である。進路のほうが大切だが、就職する、進学する……どちらの進路でも受けなくてはならないし、あまり低い点数を採るのもどうかと思われる。

 そして、期末テストが終われば夏休みがやってくる……高校一年、二年のときは遊んでばっかりだったが(一年の時は引きこもり、二年次ははしゃぎまくり)三年生ともなるとそうもいっていられない。勉強しなくてはいけないのである。

 しかし、生徒の中には真面目に勉強しようとしないものが居るためにこの高校では勉強合宿というものが存在する。勉強合宿、それは読んで字のごとく勉強するために全校生徒が、この学校の別荘のようなところで缶詰状態にされることである。全員参加型ではあるのだが、一ヶ月手前に二度目の応募があり、その点で三年生の一部(就職組)は二泊三日の合宿となる。他の生徒たちは月曜から金曜まで其処に居なくてはいけない。

 ついでに言っておくならば一学期期末テストで赤点をとったものたちはその勉強合宿中に追試を受けねばならない。

 朝八時から夜十時までの強行スケジュール。休み時間など存在しておらず、強いて言うならば朝食時、昼食時、寝るまでの時間(夜十一時就寝)が休み時間といえるだろう。

 そんな説明を喫茶店で受けるだけで気分が萎える。うんざりとした顔を惜しげもなく披露して目の前の体育会系水泳娘である里香がどんな返答をするのか待つ。

「わかる、わかるよ……だけどさ、これを二年間やってきたあたしたちはもう慣れっこ!だからどうってことないね」

「ふ~ん……僕にはわからないな」

 外は暑い、だが、この喫茶店は冷房の加減がちょうどよいために寒くもないし、熱くもない。

「しっかしまぁ、逃亡を企てようとするやからは居ないのかね~?」

 絶対に逃げ出しそうなやつがいそうだ。そういうと里香が頷く。

「いや、毎年居るけどね……警備が厳しいんだよ」

「警備が厳しいって……どうせ、深夜過ぎたら先生たち眠るでしょ」

 そこをつけば一発じゃないだろうか?

「次の日にばれちゃうよ……あとさ、自衛隊かどうかはわからないけどそんな人たちが見張っているんだよ」

「はい?」

「出てはいけないって言われているラインを突破しようとするとその人たちがいっせいに逃亡者に襲い掛かるんだ……あたし、その光景を生で見たから逃げ出すのを放棄したもん!最低でも相手は二十人ぐらい居るね!」

「……」

 興奮して話す里香だったが……逃げようとしたことあるんだねぇ……。

「あきらめて勉強したほうがあたしはいいと思うな」

 それはまぁ、そうでしょうね。きっとそっちのほうが身の危険を少なくなるでしょうからね……

「ところでさ、今日の試験、どうだった?」

「まぁまぁかな」

「ふ~ん?女王様、早乙女さんとの勝負は?」

「う~ん、あっちもなかなかいい表情していたから結構いいかもしれないね」

 勉強合宿を乗り越える前に早乙女さんとの決着をつけておかなければならない。明日も試験だし、今ここでゆっくりしているのもちょっとした息抜きである。

 


三が日って奴ですよ。まぁ、雨月は明日から舞いチャリに乗って出撃せねばなりませんけどね。受験生にとってはセンター試験を受けねばならない日数がさらに減ったことでしょう。中には一月一日から模試を受けちゃったよという忙しい方も居るかもしれません。とりあえず、雨月はがんばれというしかありません。そんなわけで、第二百四十三話です。期末テストの扱いがかなり小さくなってしまいましたが御気になさらず。早乙女桜との決着は次回つきますから。そうそう、アンケートも絶賛受付中です。ならびに、感想もいただけるとうれしいですね。それではまた次回、お会いしましょう。一月三日日曜、七時五十七分雨月。

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