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◆◆第二百三十八話◆◆◆:絶叫、絶叫、また絶叫

第二百三十八話

 遊園地、とてもメルヘンチックな乗り物(メリーゴーランド、観覧車など)な乗り物がぱっと浮かんでそれに乗りたいのが僕の心境である。

 しかし、世の中にはそれに相反する考えの持ち主が居たりするのである。その相反する考えを持っている人物はチェックのプリーツスカートに青色のチュニックで武装している。

「じゃ、早速ジェットコースターに行ってみましょうか?」

「ま、マジで!?里香は……僕がそれが苦手だってことを……」

「はい、うだうだ言わないでいくよ~」

 何故、人はそこまでして恐怖を味わいたいのか僕にはさっぱりわからない。ある意味これは飛び降り自殺だといわれても仕方がないのではないだろうか?

 コースターはレールの上をかたん、かたんと登っていく……

「ね、ね、楽しみだよね?」

「……僕、死ぬかも。里香……死ぬ前に言って置くけど、君の友達でよかったよ」

「何言ってるの、大丈夫だって」

 嘘だ……あんな高さから落とされたら絶対に……死ぬっ!!

 藁にもすがるその気持ちががけっぷちに立たされた今、ようやく判った気がした。そして、僕は藁にもすがる思いで手の届く範囲にあったものをしっかりと握った。

「え?」

 隣からそんな声が聞こえてくるが……もう、目の前は落ちるしかない崖。何故、僕らはコースターの一番前に座っているのだろうか?



「ぎっひやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」



―――――――――



「なっさけないなぁ」

「……」

 何とでも言うがいいさ……今またこうやって地球の大地アスファルトだがを踏みしめている自分が素直にうれしいといっておこう。よく、あんな地獄から開放されたものだな……

「あ、でもさぁ……先に絶叫系消費していれば後はゆる~いものばかりじゃない?」

「確かに、そうかも……」

 恐いのを先に体験しておけば大丈夫だろう。

「じゃ、次いこうか?」

「え?次……」

 次はあれである。夏に人気であろう、水にどっぽ~ん、行くあれ。先ほどのよりは幾分マシだが、所詮目くそ鼻くそである。危険な乗り物であることに変わりはない。

 しっかり並ばされて、またもや先頭。気がついたらしっかりと乗せられ、かたん、かたんとレールを再び上がっていっていた。

「……手」

「え?」

「手、握ってあげてるから」

「……ありがとう」

 しっかりと里香の手をしっかり握り(所詮、気休めだろうが)前を見据える。きっと、目を閉じるから恐いのだろう……ここはしっかり前をみておくのだっ!!ぎゃーとか騒ぐから恐くなるのである。ここは一つ、違うことを叫んでみよう。



「り、里香ぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」



――――――――



「も、もうっ!何であたしの名前叫んでるの?」

「いや、とっさにこれしかない!!って思っちゃって」

「……恥ずかしいよ」

 二人とも少々濡れてしまった……まぁ、この程度なら続行可能だろうし、里香もそのつもりのようだ。

「……次、いこう」

「あ~、うん」

 どうも、機嫌が悪くなっちゃったようだ。う~ん、名前叫んだのがそんなにいけなかったのかなぁ……反省しておこう。

「じゃ、次はこれね」

「……二度あることは三度ある……か」

 次はコースター系ではなかったが……絶叫系には変わりなかった。とりあえず、上に上って、そのまま垂直落下するあれである。

「ほ、本当は……これ、勘弁してあげようって思ってたけどあたしに恥ずかしい思いをさせた罰だから!」

「……」

「覚悟……してよね?」

 覚悟……とは、まぁ、基本的に心に待ち設けることらしいけど……実は、あきらめることという意味があったりする。

 こうなったら、やけである。

「……手、つなぐ?」

 隣の里香が右手を差し出してくる。本当に、こういったのが好きなのだろう。生き生きしているその表情が僕には理解できないがうらやましいと思ったりする。

「たまにはしっかりしているところを見せないとね」

「……へぇ」

 格好つけてみたが……真下を見て前言撤回。無様に逃げ出してもいいがここからどうやって逃げることが出来ようか……いや、出来ない。



「り、里きゃぁぁぁぁぁぁぁっ・・・・・・」



――――――――



「も、もうっ!!またあたしの名前呼んで……恥ずかしいって!」

「……」

「ちょっと霧之助、聞いてる?」

 いいや、聴いていません。右から左にあなたの言葉が光の速さで貫いていきます。気分的に洗濯機の中の洗濯物……

 そんな僕に何を言っても無駄だと判断したのか一つため息をついた後に里香は僕の手を掴んだ。

「……じゃ、そろそろお昼ごはんを食べに行こうか?」

「……うん」

「ほら、こっちだよ」

 ふらふらした足取りのまま里香に引っ張られていってオープンカフェへと向かったのだった。



―――――――――



「ふぃ~、結構体調的によくなったよ」

「そっか、そりゃよかった」

 時間帯的に早めの昼食だったが、そろそろ人が集まり始めている。

「あのさ、お昼からは絶叫系やめてほしいんだ……いや、嫌だとかそういった子どもじみた理由じゃなくて胃の中のものがリヴァースしちゃうかもしれないって思うから、行っているんだ」

「……本当に?」

「うん、一生懸命胃に詰め込んじゃったからちょっとした拍子に出ちゃうかもしれない」

「そこまでして絶叫系に乗りたくないの?」

「これ以上乗ったら死んじゃう」

 呆れたような表情をされたが、僕はかまわない。いや、むしろ助かるためならどんな卑劣な手を使ってでも助かってみせるっ!!

「……あ、勿論、絶叫系の中のお化け屋敷とかなら大丈夫だよ?」

「……お化け屋敷?」

「うん、お化け屋敷……行かない?って、もしかしてお化け系、駄目?」

「だ、駄目じゃないよっ!行こう、行こうか?お化け屋敷にっ!!」

 妙なテンションだけど…これってあれだろうか?最上級の喜び方?僕の手をとり、お化け屋敷のある方向へ走っていく里香の顔が少しだけひきつっているように見えるのは気のせいかな?



――――――――



「じゃ、じゃあ、行こうか?」

「うん」

 遊園地にあるお化け屋敷は基本的に洋風(西洋のお城を基調とした物)か和風(日本のお屋敷を基調とした物)のどっちかである。そして、ここはどうやら後者のようで『ここの、怨霊(音量)がんばっています』という洒落の聞いた看板が置かれていた。ついでに、子どもの看板もついでに立っており『僕より恐がりは絶対に入っちゃいけないよ?』と書かれている。どうやってそれを見極めるんだよ?と突っ込みたくなったが『こんにゃくが恐い方は入らないでください』そう、書かれていた。

 里香はそれを一蹴して堂々と、僕と一緒に入る。

 入って少し経つとおどろおどろしい、音楽が聞こえてきた。

「へぇ、BGMがあるんだね~」

「うううう、うん!」

 通路が少し狭いためか、先ほどよりも僕の近くを歩いている。

 歩いていると、いきなり曲がぷつりと切れた。

「え?ええっ!?な、なんでぇ?」

 隣からそんな声が聞こえてくるけれど僕がわかるわけがない。

「演出じゃない?」

 そういうと再び曲が流れ出す。一歩一歩踏みしめるように前に歩いていると足元に『DANGER』と書かれているパネルがあった。

「……踏んでみる?」

「い、いや!踏みたくないっ!!」

 そういって里香は足を一歩踏み出したんだけど……その先にもう一つあったパネルを踏んでしまった。



ぺたん♪



「ひぃっ……」



「え?ちょっと、里香?」

 何か顔に張り付けて僕のほうに倒れてくる。しっかり支えると顔にこんにゃくが張り付いていた。こんにゃくにはなにやら紙切れがくっついており、暗がりの中目を凝らすと『後ほど洗ってお食べください』と書かれていた。

「……お~い、里香?」

「……」

 完全に駄目になってしまったようだ。入り口に戻ったほうがいいか?そう思ったけどさすがに途中で目を覚ますだろうと思って背負って先に行くことにする。



――――――――



「う~ん……」

「あ、気がついた?」

 背中から里香の声が聞こえてきたのでどうやら目を覚ましたようだ。

「え?あれ?何であたし……おんぶされてるの?」

「覚えてないの?お化け屋敷の中で倒れたんだよ……ほら、もうゴールだよ」

 出口では一人の女性が頭を下げていた。

「どうぞ、これをお納めください」

 そういって二枚のお札を手渡され……それを手にした瞬間、彼女の首がお腹辺りまで落ちた。



「ひぃっ……」



 そんな声が後ろから聞こえてくる。

 にこやか~に僕らを見送ってくれたお姉さんだったが、顔がやったぜ!って顔をしていてしてやられたな~と思いながら外に出る。



―――――――――



 里香の意識が戻ったのはお化け屋敷から出て一時間程度であり、虚ろな目がいつもの輝きに変わるのにさらに一時間かかったりする。

 もうそろそろ帰ったほうがいい時間帯になったので最後に観覧車に乗ることになった。

「た、たいしたことなかったね?」

「そうだね、あんまり怖くなかったかも」

「……あのさ、霧之助ってああいったお化け屋敷得意なほう?」

 観覧車に乗り込むときにそんなことを聞かれる。

「う~ん、どうだろ?別に普通じゃないかな?」

「そ、そうなんだ……あ、あたしも普通かな?」

 観覧車は徐々に上へ上へと上昇していく。

「あ、あのさ、今日は楽しかった……よね?」

「そうだね、絶叫系ばっかりだった気がするけど楽しかったよ?それに、里香の気絶した顔も見れたし」

 しかも二回も。

「……あ、あれはこんにゃくが苦手だから気絶してたのっ!!」

「ああ、そういえばあれって実は写真だったんだよ」

 ポケットから裏地がお札になっているものを渡す。

「……って、この瞬間!?」

 その瞬間とは里香が気絶している途中のもので、もう一つは里香を背負って歩いている僕の写真だった。

「あ、こっちもらっていい?」

 そういってこんにゃくで気絶途中の里香の写真をとろうとしたが先に里香にとられてしまった。

「だ、駄目っ!!こっちはあたしが……!!」

「じゃ、こっちかぁ……まぁ、こっちはこっちで寝ている?表情が可愛いから……」

「そっちも駄目っ!!」

「もう、欲張りなんだから……僕の思い出がないんだけど?」

「しょ、しょうがないから……ほら、ケータイ貸して」

「?」

 ちょうど観覧車は頂上にやってきたらしい、外には一望できるスポットが出来上がっていた。

「……一緒に写真撮ろう?それでいいでしょ?」

「まぁ、いいけどね」

 かなり近くまで引っ付いて撮る。

「……はい」

 手渡されたそれを確認すると僕は写っておらず、里香だけが写っていた。ちょっとだけ寂しいが、また何か言うと里香にいろいろといわれることだろう。

「どう?ばっちり写ってた?」

「うん、ばっちりだよ」

 ここは適当に嘘をついておくのがいいだろう。ケータイをそのままポケットに入れてせっかくなので景色を楽しむことにする。

「夕焼けに染まってきれ~だね」

「……そうだね。ああ、そういえば里香とはじめてあったのも遊園地だったかな~」

「……うん、遊園地。雪に呼ばれてあたしが来たんだよ」

「……懐かしいな~もうあれから二年か~」

 あの時は三人でいろいろと乗ったんだっけ?

「……」

「……」

 その後は終わりまで無言の時間が過ぎていったけど、里香にも何か思うところがあったのだろう。観覧車を降りたときに楽しかったといってくれたのがうれしかったりする。



――――――――



「霧之助、また来ようね?」

「うん、そうだね」

 駅前で別れるときにそんなことを言われた。

「今日は本当に楽しかった……じゃ、また学校で」

「ばいばい」

 曲がり角に曲がるまで僕は里香を見送る。曲がり角に曲がるまで里香は手を振ってくれた。

「神様の悪戯か……」

 もし、あの時転校なんてしなかったら今日のような楽しい日はやってこなかったかもしれない。


はてさて、どうだったでしょうか?正直言って前編後編に別れさせればよかったな、いまさらそう思っています。そして第百四十話に向かうと……人生、うまくいかないんですよ。今日はヒゲのあれを組み立てながら、撮ってあったガリレオを見たのちに、ミスターブレインの再放送を視聴。勉強しねぇといけねぇのに……と、思いながら朝っぱらから作成し始めた白ヒゲ、ミスターブレイン終わるまでに作成完了!って本当に自分はなにやってるんだぁぁぁぁぁ!と心の中で突っ込んでいました。そんなことなら小説かけよと自分に言ってみたりします。さて、今回のお話はどうだったでしょうか?なんだか扱いが微妙になってきたメインヒロインががんばるお話でしたね。ともかく、これでまた一つ卒業に近づいてしまったわけです。雨月が更新すればするほど、卒業に近づいていくのが世の常です。そんなわけで今後の霧之助はどういったことをやらかすのか、巻き込まれるのか……白ヒゲ、いいですねぇ、あのヒゲが……ともかく、ここから先は修羅の道、強者だけが生き残れます(なんのこっちゃ)んで、気合を入れていきましょう!(息抜きのためのガンプラ作成が逆に疲れる結果になった……反省)ああ、この話に対しての感想、お待ちしております。もしかしたらまた、やるかもしれませんから。十二月二十九日火曜、十九時五分雨月。

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