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◆◆第二百三十七話◆◆◆:二者面談とあの写真

第二百三十七話

 六月中旬、あと一ヶ月で期末テスト。まぁ、まだテストまで猶予があるわけだけども三年生はそうも言ってはいられなかったりする。

「それで、間山君は何になりたいんだっけ?」

 夏休みに入る(といっても、三年生は毎日夏の課外が入り込んでいる)前に三者面談があるんだけど六月には先生と生徒の二者面談があったりする。出席番号が比較的後ろのために結構日数がかかったけど今日は僕の番だ。

「えっと、先生になりたいです」

「そういえば言っていたわね……」

「はい!」

 しかし、吉野先生はなにやら難しそうな顔をしている。

「教師……まぁ、先生といっても本当にいろいろな種類があるわ。小学校、中学校、高校、大学、特殊学校の教師だってあるし、保健室の先生……養護教諭とか……ね。他にも何か一芸に秀でたものだってあるし、政治家だって先生といわれている……だからもう少し詳しく言ってくれるとうれしいんだけど……」

「えっと……ううん、こ、高校の先生とか……どうでしょう?」

「間山君の夢なのに何故、私に聞くの?」

 先生になりたい!って思っているだけでは当然なれない。正直言って教師になれれば何でもいいなって考えていたのかもしれないな。

「……まだ、綺麗に考えをまとめていないみたいね。それじゃあ、今度の三者面談までには出来るだけ決めておくように」

「はい……」

「うん、よろしい……」

 失礼しますと出て行こうとすると、引き止められた。

「そういえば、まだ渡していなかったわね……」

「はい?」

 再び椅子に座ると先生が持っていた書類の中から一枚の写真が取り出された。

「こ、これは……」

「動かぬ証拠ね、これからは取調べを行うわ」

 それには自転車に二人乗りして疾走している姿が映し出されていた。僕は一生懸命前を向いているが佐竹一二三ちゃんは僕の背中に顔をうずめるようにしている。

「これ、どうしたんですか?」

「いや、偶然写真部の人が撮ったそうよ?」

「……」

「で、あの時貴方は……」

「すいませんでしたっ!!全てをお話しますっ!!」

 頭を思い切り下げることにする。僕が停学になる分はまぁ、しょうがないが、一二三ちゃんがもしもそんなことになったら僕って悪い奴である。原因を作ったのは確かに一二三ちゃんかもしれないが彼女は何も悪くない。



――――――――



「で、何であたしが霧之助の掃除を手伝わされてるんだろ~?」

「……ごめん」

「聞いた話だと女の子との二人乗りが原因らしいけど?」

「この埋め合わせは絶対にするから!」

 二人して職員室内、吉野楓先生のデスクを掃除している。しかしまぁ、ファイルがぐちゃぐちゃ、謎の液体はにごりきって何かふわふわしたようなものが水面に浮いている。おそろしいね、まったく。

「本当に、埋め合わせしてくれる?何でも?」

「うん、何でも言ってよ!絶対にするからさ」

 謎の液体をそのまま捨てて(勿論、プラスチックの容器も一緒に)そんな話をする。

「よし、じゃあ今週の日曜に遊園地に行こうっ!」

「え?う、うん……それだけでいいの?」

「もちろん、費用は霧之助持ちね?」

 やっぱり……そうなるんだね。

「えっと、雪ちゃんとか呼んだほうがいいかな?」

「は?」

 すごく不思議そうな顔をされた。

「え?あ~……さすがに三人分の負担を強いるのは酷じゃないかな?」

「あ、雪ちゃん呼んだら僕が払わないといけないんだ……?」

「当然」

「じゃ、二人で行こうか?」

「うん!楽しみにしてるからっ!!さぁっ!!はりきって終わらせちゃうぞ~っ!!」

 俄然、やる気が出てきたのか、里香の目に火が入っていた。まぁ、人生何か目標を決めてがんばれるとうれしいからね。

「ほら、ちゃっちゃと終わらせようよ?」

「え?あ、うんっ!!」

 仕事をするとき里香が近くに居るとすごくはかどるのは何でだろう?場の雰囲気をよくしてやる気を増やしてくれるのが里香の天性の才能ってやつかな?


先に言っておきましょう。次回は里香との遊園地編です。長いです。いつもの三倍あるかとおもいます。ま~、メインヒロインですし、このぐらいしてあげてもいいかな、そう思っています。それより、最近出番がめっきり減った乙姫夏帆をどうするかが問題です。実に扱いにくいキャラですね……あの子は。ま、ともかく次回の次回からはまた次回の次回で新しく話が始まるわけで……誰に着眼点を置くかというと、それはやっぱり見てのお楽しみです。ああ、アンケートのほうもまた、よろしければお願いしたいと思います。それではまた、次回っ!!って言っても下手したら今日の夜ぐらいにまた更新するかもしれません。十二月二十九日火曜、八時四十分雨月。

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