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◆◆第二百三十四話◆◆◆:あの扉に『開けゴマ』は通用しない

第二百三十四話

「……」

「……」

 朝のテレビの占いであまり芳しくない結果があったからかどうなのか……『部屋』に気をつけてってそういう意味だったのかぁといまさらながら感心している。どうせ、あたらないだろうと思われているテレビの占いだがよくよく考えてみるとその番組を見ている全ての人の中から一人でもあたったと感じる人がいればそれで十分ではないのだろうか?そして、意外とその当たる確率って高い気がするのだ。下手な鉄砲数撃ちゃ当たる……

 ともかく、僕は今図書館の管理人室みたいなところに閉じ込められてしまっている。なんだか、既視感を覚えるわけだが……今現在、一緒に閉じ込められているのは早乙女さんではない。

「ぶ、部長…どうしましょう」

「どうしようか?」

 佐竹一二三ちゃん……なのだ。何故、こうなったのだろう……



――――――――



「あの、一二三ちゃん?」

「……」

 無視され、そのまま管理人室へと一二三ちゃんは先に入ってしまった。部活が終わった後に管理人室へと鍵を置いてきてほしいといわれたために(一二三ちゃんの友達二人組からである)二人で(二人組からの一緒についていってあげてほしいという視線に負けたため)向かったのである。偶然夏帆が休みのため、久しぶりの二人だけの部活だったがいつもはうるさいと注意してくる図書館の司書さんもびっくりの無言。いるだけで胃の調子が悪くなるようなそんな空間だった。

 一二三ちゃんは寝たらすぐに忘れてくれるようなタイプじゃないようだ。

 まぁ、管理人室へと一緒に向かうときに『嫌です、こんな人と一緒に行きたくありません』とかいわれなくて本当によかったと思う。

 そして、入って一二三ちゃんが鍵を置くのを見届けて一緒に出ようとすると……

「あれ?」

「どうしたの?」

「いや、ドアノブが……その~、まわらないみたいです」

 何かに引っかかっているのか、がちゃがちゃ音はするものの開かないのだ。引く奴か?そう思って引っ張ってみても違うようだった。

「弱ったな……一二三ちゃん、ケータイ持ってる?」

「ありますけどもう、電池がないです」

「……僕もだよ」



――――――――



 そんな感じで今に至るわけである。この部屋は時計ないし、腕時計は今日持ってきていないし……お手上げだ、時間すら確認できない。この部屋に窓はなく、どうにかして脱出しようにもあるのは机とソファーぐらいしかない。

 二人してソファーに座ってどうやって脱出するべきか考えているつもりである。

「一二三ちゃん、何かいい案思いついた?」

「はひっ!?」

「?」

 隣の一二三ちゃんは顔を真っ赤にしてのけぞっていた。

「どうしたの?顔、赤いよ?」

「え?あ、えっと……」

 自分の顔をぺたぺた触っている……ああ、きっと突発的な状況に弱いんだろうなぁ……僕を撥ねたときもびっくりしていたし。

「うん、僕もわかるよその気持ち」

「え?ほ、本当ですか?」

「当たり前だよ。僕、前も閉じ込められたことがあったからね。まさか閉じ込められるなんて……そう思うからね。けど、ここはゆっくりと深呼吸して冷静になって考えてみよう。助かる方法を見つけ出すんだ」

 そういって一二三ちゃんを見たわけなんだけど……なんだか微妙な顔をしていた。

「あの、先輩……どきどきとかしないんですか?」

「え?してるよ?」

「そ、そうですよね、やっぱり、どきどきしますよね」

 ほっと胸をなでおろされる……

「うん、もし、この部屋の酸素がなくなるまでに脱出できなかったらどうしようとか……」

「……」

 すごく、微妙な顔をされてしまった。そうじゃないんだけどな~この人、空気読めてないよと一二三ちゃんの目が語っていたりする。

「あれ?僕何かまちがったこと言ったかな?」

「え?い、いっていません。正しいことを言っています」

「そっか、なんだか一二三ちゃんががっかりしたような顔していたからさ」

「が、がっかりなんてしていませんよ」

 あ、そうか……きっと不安だから励まして欲しかったんだろうな。

「大丈夫、きっと助かるから安心していいって!」

「……そういってもらえるのはうれしいんですけど、部長、根拠は?」

「まず、明日は管理人室の掃除があるって言われているし、一二三ちゃんの家の人が帰ってきていないのを気づくだろうからさ」

「……一二三、今のところ一人暮らしです」

「……そ、そうなんだ…だけど、明日になればとりあえず助かるよ!」

 明日、明日かぁ……

「まだ、きっと長いんでしょうね」

「九時にもなってないと思うよ」

 もう一度扉のところでドアノブを回してみるけどまわるだけ。外から鍵を掛けられていたとしても中にサムターンがあるために鍵を掛けられているわけではないし……どうしたものだろうか?

 ソファーのほうを振り返るとなにやら一二三ちゃんの顔が微妙だった。いや、顔が微妙だったってかなり失礼な言い方だな……結構かわいいし……は、置いておくとして、表情が微妙だった。何かを我慢しているようなそんな表情。

「どうかした?」

「い、いや、ど、どうもしていません……」

 スカートからのびる色白の足をもじもじと動かしている。もしかして……

「……」

 冷や汗をだらだらかいているところをみると僕の予想が当たってしまったようだ。

「……明日まで……は悠長すぎるようだね。よし、これからこの扉をぶっ壊して脱出しよう!一二三ちゃんはそこに座ってて!動いちゃ駄目!」

「は、はい……一二三も予想外の展開です……」

 女の子に下品なことをはっきり言っては駄目だというのは以前、身を持って体験した。相手が男だったらう~~とかち~~とか関係ないんだけどね。



――――――――



「悠子、トイレ長すぎ!大きいほ……あべしっ!?」

「……さいってぇっ!!」



――――――――



 懐かしいな、あれってちょうど二年前の今の時期ぐらいだったかな。

 おっと、今は思い出に浸っている場合じゃないなっ!!


やってきました閉じ込められちゃった第二弾。そして、また別の意味で第二段です。策略の第二弾……とでも言っておきましょう。さて、またもや感想を頂いてただいま宙に浮かんだ雨月です。……さて、アンケート随時受付中でただいま、悠子、雪、百合、結、桜が並んでいる状況ですね。まだまだ先は長いわけですがやっぱり作者としてはアンケートのほうも気になるわけなのですよ。まぁ、実は満月の騎士のほうもさっさと書かなくてはいけないんですけどね。あちらはあちらで気色が若干違う話のために一緒に書いていると混同してしまうんです。以前はそれで見事にやっちまったことがあります。ま~ともかく、これからの予定としてはちょっとだけ一二三編が続き、その後は遊園地編、三者面談、夏休みに入って勉強合宿、夏祭り、海、花火大会、夏の宿題、模試、模試、模試、模試だらけじゃぁっ!?すんすん、雨月の高校三年生時はずっと模試だらけだった気が……しかし、友人に聞いてみたところ意外と遊んでいるといたといわれました。結構、いいところに行っちゃったくせして遊びだとぉ!?とまぁ、予定はあくまで予定です。本年度の最後に受験だけど遊ぶぜ♪と考えている人、今ならまだ思いなおせますよ……しかしまぁ、彼なら両立させることが可能でしょう。さて、ここで一つ提示しておきましょう。卒業式に出て、涙を流したが来年からもう一度三年生をやったという話もあったりします。これがどういう意味なのか、解釈するのはあなたしだいですよ。まだまだ先は長いですが応援、よろしくお願いしたいと思います。十二月二十七日二十二時十九分雨月。

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