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◆◆第二百二十六話◆◆◆:プールでの出来事

二百二十六話

 五月の最終日……つまり、今日は五月三十一日。あと一週間程度で体育祭が始まるわけで、三つのブロックに分かれて体育祭の競技、応援合戦などの準備が滞りなく進んでいたりする。まぁ、僕はブロックに所属しているわけではないので一生懸命、里香のお手伝いをしていたりする。三回目の会議からはきちんと席が用意されたのでそれが地味にうれしかった。

 しかし、体育祭に使われている体育という字は祭りだけではなく、ちゃんと授業にも使われていたりする。

「んじゃ、今度の体育から水泳をはじめるぞ~」

 体育の先生はそんなことを言ったのだった。まぁ、期間的にそんなものだし……前の高校はプールが壊れているために殆ど陸上競技ばっかりだったから正直、うれしい。

 まぁ、それはいったん置いておくとしよう。里香とは仲直りできたものの早乙女さん、一二三ちゃん、夏帆とはいまだ仲直りできていない。ついでにいうなれば……吉野先生にあのことが今にもばれそうであぶない。

 目下、一番最優先でどうにかしたいことは……

「あのさ、早乙女さん?」

「……ぷいっ」

 立ち上がって何処かに行ってしまうのである。これでは話のしようがない。早乙女さんは隣の席のために心労で僕が近い将来倒れてしまうのではないかと考えてしまう。

「あのさ、一二三ちゃん?」

「部長、うるさいから静かにしてください」

「あ、ご、ごめん」

 そして、一二三ちゃんに話しかけても無視はされないが冷たい反応をとられる。

「夏帆?」

「……」

 こっちは完璧に無視である。

 女の子って難しいな……どうしたらいいのだろう?

「ねぇ、間山君?」

「……はい、何でしょう?」

「体育祭が終わってからとても、とても、聞きたいことがあるの……覚えておいてくれるかしら?」

「……もちろんですとも~」

「そのときは、一年生の佐竹さんも呼んでくれるかしら?」

 崖っぷちの霧……と題して映画にすればきっと大ヒットに違いない。



―――――――



「何かした?」

「……いや、何も」

 悠子とか由美子とかと一緒に暮らしていれば聞けたわけだがこっちにはいないので里香に聞くしかない。

 相手が男友達だったら基本的に次の日忘れてくれているから助かるんだけどね。どうも、忘れてくれていないらしい。

「ど~したらいいんだろ?」

「もう、放っておいたら?」

 里香がオレンジジュースをちゅ~と飲み干しながらどうでもよさげにそんなことを言う。

「ええっ!!そんな他人事な……」

「だって、他人事だし……それにね、あたしだって女の子なんだからね?」

「……え?うん、わかってるけど?」

「……せっかく、一緒にいるのに他の女の子の話をしたら失礼って思わないの?」

「……ごめん」

「わかればよろしい……」

 完全に、手詰まりである。里香からも拒絶されたのなら仕方がない……時間が解決してくれると信じて日々を過ごすしかないな……



――――――――



 六月、今年は湿気が多いのだろう……お風呂掃除の手抜きをすればカビたちが喜ぶ時期になってきた。

 一回目の水泳の時間、準備体操を終えた後に先生が騒ぐ男子たちを黙らせる。

「んじゃ、今日は今年初めての水泳の授業だから自由に泳いでよし!一、二、三コースは女子で四、五、六コースが男子だからな」

「「「は~い」」」

 対岸の女子たちも同じようにして先生の話を聞いている。

 それから、自由時間となったわけだが……

「ん~、やっぱ、早乙女さんの水着姿はすげぇよな」

 男子生徒の一人がそんなことを聞いてきた。

「ん?ああ、そうだね」

「そうだねってお前、何か他に言うことはねぇのかよ?」

「たとえば?」

 そういうとじーっと女子のほうを見ている。

「……たとえば?そうだな、早乙女さん泳ぐの速いし…やっぱり、速そうな体系だな~とか」

「つまり、凹凸がないと?」

「そこまではいってねぇ」

「お前ら、何はなしてるんだ?」

 別の男子が話しに加わってくる。

「いや、早乙女さんが凹凸がねぇって話」

「あ~そりゃ、ひでぇ話してるな?」

「上からすと~んだよな?」

 他の男子も早乙女さんのほうを見ている。そして、そして…早乙女さんがその視線に気がついた。

「よし、間山……手を振れ!」

「は?まぁ、いいけどさ……」

 手を振ったのだが、それは男子どもの罠だった。

「「「お~い!!貧乳優等生っ!!!」」」

 早乙女さんの顔が一気に鬼になった。

「お、おいバカっ!!何を……」

「間山、逃げないと早乙女さんがこっちに来てるぞ?」

 ニヤニヤしながらそんなことを言うクラスメート。

「ええっ?」

 勝手に身体が反応して逃げてしまう。プールサイドはすべるので非常に危険……

「間山、あんた………」

「違う!僕は言ってないって!!」

「じゃあ、止まりなさいよっ!!」

「わ、わかったよ……」

 止まった、止まってみたのだが……



 それから少し経った後、プールサイドから『ばち~ん!!』という音が聞こえたと里香が言っていた。


道行くお姉さんの胸を見ていたら電柱に直撃……これほど馬鹿らしいことはありませんね。皆さんも気をつけましょう。いや、まぁ、その日はたまたま不調だっただけですよ。いつもだったらぎりぎりで避けることができていたんですけど……さて、冗談はそのぐらいにしましょう。雨月が激突したのは車だけです。まだ、電柱には激突していません。気がついたらもう、年末ですよ。早い早い!そして、高校三年生だったらもう少しでセンター試験ではないですかっ!!応援してますよ?がんばってくださいっ……まぁ、センターの結果がそのまま受験につながるかと聞かれてもそれは微妙なんですよね……でも、緊張感味わうのにはちょうどいいかと思います。最後の時間まで緊張感を持てる受験生、いるんですかね?雨月が駄目なやつかもしれませんが……ああ、気がついてみたらセンター試験の前にクリスマスが来るじゃないですか。サンタさんはいるんでしょうか……まぁ、いると信じていましょうか。どうも、指先怪我して後書き打ちづらいのでここで今回は終わらせてもらいます。夏に怪我してたら膿んでただろうな~(苦笑)十二月二十一日月曜、八時五十二分雨月。

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