◆◆第二百二十一話◆◆◆:CM
今回は感想より頂いた不手際のため、皆様にちょっとした休憩を……そういうわけで今回、本編の話ではありません。ご了承ください。
第二百二十一話
「はい、今回もやってきました……全国貫通お茶ネット間山!」
「普通な商品を微妙な価格でお届けします!」
「さて、悠子……今日はこの包丁を紹介するんだったね?」
「ええ、そうよお兄さん。みて、この包丁………妖刀を包丁にダイレクトに変えているという一品なのよ?」
「本当だね、なんだか危なげなオーラが出てるよ」
「なんと、材料以外にも人の縁を断ち切ることが出来る機能を持っていたりします!」
「すごい!」
「……これを使えば浮気性なあなたの彼氏も一発で女性との縁が切れます……では、実際にちょっかい出しまくっているお兄さんに使用してみましょう」
「え?」
「大丈夫、直接きりつけるわけじゃないから」
ぶんっ!!
「ほわっ!?ちょ、ちょっと……危ない!危ないって!!!」
「その小指にまとわりつく紅い糸、『エンキリ』の血を持つ悠子が断ち切ってくれるわ!!」
「危険すぎ!この商品を売りさばくなんて僕には出来ないっ…とりあえず、つ、次の商品どうぞっ!!」
――――――――――
「お兄ちゃん、さっきは酷い目にあったわね~」
「そうなんだよ、由美子……見て、前髪が右側だけ不自然に切り取られちゃったよ」
「そっか……そんなあなたにこのバリカン!」
「バ、バリカン!?ってかなり久しぶりに聞いた名詞だよ」
「動かないで!実際に私が使って確かめてみるから………」
ジョリ……
「あ」
「あ?って何?」
「眉毛が左側なくなっちゃった……これじゃおかしいから……けど、来年ぐらいに片眉はやるかも」
「かもじゃないよっ!!どうするのさ!?」
「では、商品ナンバー3、『ビックサイズマグナムマジック(黒)』で書けば大丈夫ですね♪」
「大丈夫じゃないよっ!って、なにそれ?僕の頭と同じくらい太さがあるじゃん!」
「そりゃまぁ、名前どおりだから仕方ない……ちなみに、こっちのスイッチを押すとライトに早がわり!」
「まぶしいっ!!」
「気になる明るさはドームに設置されているライトぐらいあります。これで鍵を落としたときやちょっとした暗がりで使うには十分ですね」
「要らないよ……」
「え~っと、ほら、鶏を割くのに牛刀を使う?だっけ?あれと一緒。いっつも本気でやってるってことで」
「……本気でやりすぎっ!!」
――――――――
「え~っ、次で最後になりました」
「お兄さん、最後は何かしら?」
「私、すっごく気になるわ」
「えっと……最後は『掃除機』ってそのままだね」
「じゃ、持ってきてください」
うぃ~ん……がしん、がしん、がしん……
「……何これ?ガン○ム?アーマー○コア?」
『S-00です』
「しゃべった!?」
『基本、胸のハッチから出入りをして右手、左手に装備されたブラシと箒で立ちふさがる汚れを排除し、特殊な汚れに対しては右肩のキャノン砲から全ての汚れを溶かす液体を発射します』
「すげぇ……」
「お兄さん、驚いてないでセールス!」
「あ、そっか……他にはどんなこと出来るの?」
『どうしようもない汚れがあった場合でも対処できます』
「どうやって?」
『内蔵された自爆装置を起動させて汚れごと対象物を破壊、予想爆破範囲は半径二百メートル……内部で操縦していたパイロットは上空四百メートルに打ち上げます』
「おお、すごいね!?」
『現在、陸上はもちろん水上、空中、果ては宇宙空間までお掃除可能範囲を広げております……ただひとつ、問題があります』
「問題?」
『手入れを一度でも怠ると暴動を起こします』
「……さて、今回もまた微妙な製品ばかりを案内してきましたがあなたのお気に入り商品は見つかったでしょうか?では、また次回!!」
あれ?おかしいな?そう思ったときは急いで雨月にご連絡ください。時間を見つけ出してでもその不祥事を発見してどうにかするとお約束します。読んでいていろいろと思い出しました。悠子と悠は同じ中学、悠と霧之助も同じ中学だから悠子と霧之助も同じ中学だったんですよ。しかし、霧之助が卒業するまで接点なかったのでスルーです。それを題材にしようと思っていたのに完全に忘れていました。と、ともかく……雨月の作品でおかしいことはよくあるので今後もよければ矛盾点を指摘していただけるとうれしいです。十二月十七日木曜、九時三十四分雨月。