◆◆第二百二十話◆◆◆:屋上への呼び出し
第二百二十話
雪ちゃんに電話をしてきられてしまった僕だが、里香に聞けばわかることなのである。そういうことで僕は里香に会おうとしたのだが……
「里香?まだ里香はきてないよ」
「……そうだよね」
里香のクラスメートが一人いるだけでまだ誰も来ていない、そんな早い時間帯。そりゃそうだ。里香は結構お寝坊さんらしいので来るのが遅いってことはわかっていたんだけど善は急げということわざにひっかかったのさ……
膳は急げ……だったら……いやいや、なんでもないなんでもない。
馬鹿な考えをさっさと捨てておとなしくクラスに帰ることにしたのだが……
「里香が来たら君が来たっていっておくけどかまわないよね?」
「え?ああ、お願いします」
そういい残して僕は今度こそクラスに戻ることにしたのだった。
―――――――
昼休み、廊下から手をふっている里香に気づいてそっちへと向かう。
「やっほ、ところで用事って何?なんだかニヤニヤしながら友達が言っていたんだけど?」
ニヤニヤって……あの人がニヤニヤしていたのだろうか?ともかく、率直に意見を聞くには廊下ではまずい気がする。
「……あのさ、ちょっと気になることがあってね……」
「気になること?ああ、なるほど……」
「あ、わかってくれた?それなら今から屋上いけるかな?」
「まぁ、いいけど……」
僕と里香はこうして、屋上へと向かったのである。
―――――――
以下、間山霧之助がクラスを立ち去った後の蛇足。
「みて、間山君が三組の高畑さんと一緒に何処かに行くわ!」
「早乙女さん、追わなくていいの?」
「……どうせ、ろくでもないことでしょ」
「愛の告白かも!」
「そんなわけないでしょ」
「……ああ、そういえば……噂じゃ前の高校にいたころから高畑さんと知り合いだったそうらしいな」
「え?何でだろう……中学時代同じじゃないってこの前聞いたけど?」
「……友人のそのまた友人って落ちじゃないの?」
「早乙女さん、これは由々しき事態だわ!わたしたちは早乙女さんを応援してるから!」
「………わけがわからないわ」
「さ、行ってくるんだ!」
「ちょっと、気安く触らないで……」
「「「がんばれ、僕たち、私たちの早乙女さん!」」」
「………」
早乙女桜は仕方がないので屋上を目指すことになったのだった。
――――――――
「で、屋上までつれてきて何?愛の告白?」
「いや、違うけど?」
「……もう、ちょっとは否定してよ」
「えっと、ちょっとおしいよ」
「……もういいよ、わかってるわ……霧之助が知りたいことって……」
ひとつ、深呼吸した後に恥ずかしそうにこういった。
「あたしのスリーサイズでしょ?」
「………」
ナイスボケ、六点……じゃなくて!
「違うよ!」
「じゃ、雪のスリーサイズ?」
「……まず、スリーサイズから外れようよ」
「……靴?」
そんなの知ってどうするんだよ……
「はぁ、あのね……この前の部活になんで出ないのかって話」
そういうと疲れたように里香は僕を見ていた。
「……で、それ知ってどうするの?」
「……いや、知りたいだけ。単なる知的好奇心だよ」
しばし、お互いににらみ合うような感じで時間が経過した……そして、先に折れたのは里香のほうだ。
「……わかったよ、教えてあげるけど……誰にも言わないでね」
そういうと里香は近くにあったベンチに座ったのだった。
ええ、もう、ね……気がついたら霧之助は三年生。悠子から始まり今のところ夏帆までですか………そんなわけで第一回人気投票!作者のみが突っ走りまくる後書き。きっと誰も読んでいないと想定しての今回の催し物。しかも、限定して『ぶっちゃけいってヒロインは誰がお似合いか!?』といった感じで行ってみましょう!あなたの投票が未来を左右します!まぁ、もしも、本当にもしも送られてきたときは随時報告します。重ねていいますが、今回の後書き読んでなかったらわかりませんね。一票くればいいところでしょう。十二月十六日水曜、十七時二十八分雨月。