◆◆第二百九話◆◆◆:水道水は八分目まで
第二百九話
運動部の部室等の近くには給水所がある。他にも、自動販売機が置かれていたりするわけだが今の僕に後者は必要ない。
一生懸命水を胃袋におしこんで空腹を紛らわす。生水の栄養ってどんなのがあるんだろうか?ベータカロチンとかビタミンスィーとか……入っているのかな?カルキとか入っていそうだけどね。
「……まだ、時間はあるなぁ……ま、いっか」
たらふく水を胃袋に押さえておけばあと二時間がんばることが出来るだろう……腹八分という言葉を知っているために僕はここらでやめておく。
「うぇっぷ……」
胃から何かが戻ってきそうだったがそれはそれ、なんとか飲み込んで対応できた。
―――――――
教室に戻ってくると僕の机の上に半分だけ残されたお弁当がのっていた。そして、その隣の席には早乙女さんが僕を呆れたような目で見ていたりする。
「間山、あんたって……本当に馬鹿ね」
「え?何で?」
「……はぁ、ったく……別に、無理して水をお昼にすることないじゃない。私だったら絶対に自分が食べていたから」
「?」
「半分、残してあげてるだけ幸せって思いなさいよ」
立ち上がって教室を出て行ってしまった。不思議に思っているとクラスメートがひそひそと噂をし始める。
「優しいよな、早乙女さん」
「ああ、しっかし、馬鹿な奴だな~間山は」
「あれでフラフラしてるそうだぜ?一年とか三組の高畑にちょっかいだしてるらしいし」
何がちょっかいなのだろうか?そんなことした覚えなんてさらっさらないのだが……
「ま、いっか」
ともかく、今は半分残してもらったお弁当を残り少ないお昼休みの間に胃袋に収めておくのが急務だろう。
―――――――
「あ~じゃあ、ここの数式を早乙女に解いてもらおうか?」
数学教師のご氏名により、隣の早乙女さんが立ち上がった。もう、以前のように僕に問題をまわすこともなく淡々と黒板を見ながら答えをはじき出していく。
「……」
そんな早乙女さんをしたから眺めるような形で見ているとふと、目があった。
「……」
すぐさま目をそらされて席に着く。
「じゃ、続いて間山に解いてもらうとしよう」
「え?」
呼ばれ、立ち上がるもさっきまで早乙女さんを見ていたので何が何やらさっぱりわからない。一生懸命状況を把握しようとするも時間切れだったらしい。
「間山、今度からは早乙女じゃなくて黒板のほうを見ておくように」
「……はい」
「んじゃ、次の奴に当てるからな~……間山と同じように見とれてないように!」
クラス中から笑いの的にされてしまった……気まずい感じでせきをついて隣をみるも、早乙女さんは相変わらずだった。
「……」
「はぁ……」
ため息一つ。
「……ば~か」
「え?」
今、何か聞こえたような気が……気のせいだろうか?
寒さが徐々に厳しい季節になってきました……温暖化って深刻ですね?温暖化じゃなかったら今頃ガクブル症になってますよ。いや、意外とこたつむりかもしれません。さて、ネタがつきました。困りましたね…ああ、そういえば、コーラにメントス入れる実験したことありますか?あれ、最初は嘘だって思っていたら本当ですね。コーラが一本無駄になりましたよ。今回は、ここで終わりです。最近、スランプだなぁ……十二月八日八時五十二分雨月。