◆◆第二百二話◆◆◆:曲がり角の喜劇
第二百二話
猛から聞いたことがあった。何を?いや、男子と女子が曲がり角で登校時間帯に激突するという話をね。
「いたたた……」
「だ、大丈夫ですか!?」
遅刻しそうになって朝ごはんのパンを銜え、走っていて曲がり角のところで女子生徒(基本的に転校生だそうだ。何故?と理由を聞かれてもよくわからないので答えられない)と激突する……確率としてはゼロじゃないだろう。ゼロならば考えられることが絶対にない。しかし、人と人がぶつかるよりも車とか、自転車、バイク等と激突するほうが確率的に高いと僕は思うんだ。
ぶつかったのが車じゃなくてよかった。今頃、病院に搬送されていたに違いない。自転車とぶつかっただけで危うく車道にダイブしてしまうところだったし……
もしも、車道に出ていたら僕を撥ねていたであろう車が経過するのをぞっとしながら見つめているとちっちゃな手が差し伸べられた。
「すいません!」
「え?ああ……」
差し伸べられた手に触れることなく(軽そうな人が重たい人を起こそうとしてもそれは徒労に終わりそうだし)自分で立ち上がる。学生服の(以前の高校の制服のまま)左肩にマヨネーズがつけられた食パンが張り付いている。ちなみに、僕が先ほどまで銜えていた食パンは胃袋の中に収められていたりする。まぁ、食パン一枚なんてすぐに食べ終えるからね。
「すいませんっ!!」
慌てたように食パンをとってそれを自分の口の中に放り込む。一生懸命食べている姿がハムスターだった……それを見終えた後に時計を確認する……五分程度余裕を持って学校につけると思っていたが五分程度経過している。つまり、このままで行くと遅刻だ。
「……ごめん、自転車借りるよ?」
「え?」
「乗って!」
荷台あることを確認してそこに事故相手が乗るのを待つ。
「……しっかり、つかまっててね?」
「わ、わかりました!!」
きゅっと、軽く制服が掴まれることを確認して急いでペダルをこぐ。そこらのカップルだって二人乗りしてるんだ、捕まるのならあっちのほうが多分先に違いないさ!!
――――――――
「……ま、間に合ってよかった……」
新学期そうそう、というより三年生になって早速遅刻なんて悠子に笑われちまうぜ……と、肩で息をしながら教室内に入ったわけだけどもやっぱり冷たい視線。
「何?なんだか黄色い何かが肩についてない?」
「何だろ、あれ?」
「……」
急いでハンカチを取り出して拭きさる……よし、ちょい残ったけど自分的にはセーフライン!
自分の座席にさっさと座る。他の座席は全て埋め尽くされているのでぽつんと残されているその場所が自分の指定席だと知った。
隣は野中君であった。
「ひぃっ!?」
「みろよ!早速隣の生徒に眼つけてるぜ?」
「うわ、目あわせないように気をつけよ」
ああ、なんだかとっても面倒なことになりそうだ……
ここはあれだね、僕がフレンドリーな人物ということをアッピール!しないといけないよ。早乙女さんのところに行って話でもしようかなと思ったが、僕がやってきたのが始業チャイム始まりだからそんな時間なんてなかったりする。
「はーい、静かにっ!!」
新任と思われる先生がやってきて出席を採り始めた。やれやれ、三年生って勉強で大変だからきっと友達なんてぜんぜん出来ないぞ……
――――――
授業は大体が今後どういったことをやっていくかの説明などがあった。まぁ、それと大半の生徒が受験をするとのことだったので受験勉強のことなどの話を聞いたかな。
昼休みもお弁当を食べ終えるとやっぱり暇である。友達と話すことなんてない(早乙女さんは何処かにいってしまった)というよりも友達がいないためにどうしようもない。なんだか頭文字にヤがつく人たちの抗争でも始まりそうな雰囲気が漂っていると……放送が鳴り響いた。
『三年五組、間山霧之助君……至急、職員室まで来てください。もう一度繰り返します、三年……』
「早速何かやったんだな……」
「しっ、お前声がでけぇよあほ!」
そんな声がクラス内から聞こえてくる。あ~何かしたかな?考えるも、何も思いつかないので素直に職員室へと僕は向かうのだった。
先日、マイチャリ三号が昇天してしまったことは言ったと思います。そういう理由で日曜日買いに行きました。自転車のなかにも様々な種類があり、きっと詳しくない人がみたらマウンテンバイクだ!というかと思います。街中で乗るタイプですが時速30キロ出ると聞きました……平坦な道でこいでみましたが、計測器とかないので不明。でも、よく考えてみたら野球のピッチャーの投げる球のほうが速いんですよね……。あ、今日から十二月ですね。特に何があるというわけではありませんが風邪、インフルエンザ、ニュータイプには気をつけましょ。うがい、手洗い、部屋の湿度上げなど怠ると非常に危険です。言い忘れていました、昨今のギャルゲーは過度な性的描写やプレイヤーおいてきぼりのいきなり展開、突如として美少女が基地外に……少々、やり過ぎ感が否めません。そうしないと売れないんでしょうかねぇ?ま、そこはやる人の好みでしょうからやりたくないならやるなよとなってしまいます。いきなり美少女が基地外に……成る程。って、別にそんな状態にはしませんよ?安心してください、特に変わったりしませんから。十二月一日火曜、八時五十七分雨月。