◆◆第二百一話◆◆◆:三年生のクラス分け
第二百一話
今日は今現在通っている高校の入学式だ。いや、もう三年生になっている僕としてはいく理由もないんだけどね。それでも、今日からクラスの発表が行われているためにきちんと確認しておかなくてはいけないのだ。これを怠ってしまうと明日からの新学期をばたばたとした調子で学校に向かわなくてはいけないのだから。
―――――――
もし、それが運命だったら僕は受け入れようと思う。そう、神様がいるとしたらものすごく意地悪に違いない。苦手な人物と一緒にならないように一生懸命お祈りしたって明日が晴れるようにてるてるぼーずを十個、二十個、三十個作ったって神様は聞いてくれないのだ。
知り合いがこっちではまだ少ないために知り合いというより以前のクラスの人が独りぐらいいたら少しは気がらくだと思った……思ったけど、苦手な人がいてはあまり意味がないと僕は思うんだ。
僕は五組、里香の名前を確認したところ……三組。そして、早乙女さんは五組だったりする。
二年最後、早乙女さんとはぎくしゃくしっぱなしだったりする。修学旅行以降の授業ではなんだかおかしな感じだったし、話しかけても立ち去ってしまうのだ。おいおい、お前が何かしちまったんじゃないのか?クラスメートのそんな視線が痛かった。正直言って、二年生が終わってクラス替えがあるとのことで期待していたのだが……甘い、甘いぞ!チョコレートよりも甘かった!
きっと、運命とか神様とか人を超越しちゃってる存在は僕に試練を与えてくださったのだろう。
「……」
もし、もし僕の名前をどうにかして消し去って隣の組の人の名前を書いて僕がそっちに移っていたら意外といけるかもしれない。
やっちゃおうか?
「おっはよう!」
「ひゃん!!」
後ろからそんな声が聞こえてきて振り替える。そこには高畑里香がいた。
「僕を殺す気?危うく心臓が口から飛び出すところだったよっ!!」
「大丈夫大丈夫、飛び出てないから心配しないで」
「あったりまえだよ!心臓飛び出てたら自分で気づく!」
「はははは、怒らない怒らない……で、クラスわけ、どうだった?」
「僕五組、里香は三組だよ」
「そっか、そりゃ残念……で、霧之助の知り合いとか同じクラスにいた?」
「……いたよ」
それはよかったねぇ、と言ってくるわけだが……
「早乙女さんなんだ」
「……がんばれ少年、夢はあの太陽に行けばかなうさ!」
親指突きつけられるも、太陽に行ったとしても夢はかなわないと思うんだ。そろそろ、人も多くなってきていて私服姿の二年、三年と体育館へと向かっていく一年生が確認できる。
「じゃ、学校に来た用事も終わったしいつものところに行こうか?」
「そうだね~」
明日から始まる新学期に思いをはせながら僕らは校門を後にしたのだった。
ついに、ついにサブタイトルをつけました!いやぁ、やりましたねぇ……これで以前何処でどういったことがあったかわかりやすくなるかと……しかし、ないても笑っても高校生活というのは三年間です。いや、その中にも三年以上やっちゃってる人もいますけどね。ついに始まった第三章!これからも感想とかメッセージを募集していますのでお暇なときによろしくお願いします。しっかしまぁ、いまさら気がついたことですけど高一のときの霧之助はいろんなトラブルに巻き込まれていますね。それに引き換え二年の時はやっぱり落ち着いています。それでは、また次回お会いしましょう。十一月三十日月曜、九時三十七分雨月。