◆第百九十八話◆◆
今回で第二章終了です。
第百九十八話
「あの、あの時は……ごめんなさい」
「あの時?」
場所は高速のサービスエリア。トイレ休憩という奴である。これから京都へとバスは向かうことだろう。
トイレには長者の列ができており、僕は並んでいない。バスの中で待っておくのもなんだか嫌だったのでベンチに座っていたら隣に早乙女さんが座ってきた、そしてそんなことを言われたのだ。
はて?あの時のこととはいつのことだろうか?早乙女さんが謝るようなことをしたのか?
「その、この前の体育館倉庫で……間山さんを生き埋めにしてしまったこと……」
「あ~、それかぁ……」
そうは言ってみたものの、記憶がないのでどういったことが起こったのか自分ではさっぱりなのだ。覚えているのは体育館の倉庫に向かったところまでで、それ以降はすぐさま保健室で目が覚めたところに映像が移り変わってしまっている。
「気にしないでよ、あれは……」
「集合しろ~!」
「っと、戻らないといけないか……行こう、早乙女さん」
そう促してから僕はバスへと向かったのだった。
―――――――
三泊四日というスケジュールを終えて、バス内は静かな空気に疲れていた。どうやらみんな疲れているようだ。もちろん、僕も疲れているわけだが。
修学旅行内は確かにいろいろとあった。みんなと一緒にはしゃいだわけではなかったけどいろいろなところをまわることができたし悠子たちにもお土産が買えたのでよしとしよう。
隣に座っていた男子が今日の朝、熱を出して倒れたために隣の席は開いていた。そこへ、早乙女さんがやってきて座る。
「……」
「……」
無言で座られたために返す言葉なぞ持ち合わせていない。どうかしたんでしょうかと聞けるぐらい肝っ玉が太けりゃよかったけどあいにく、僕の肝っ玉はそこまで太くなかった。ただただ、時間だけが過ぎていく。
「……」
「きちんと謝っていなかったので今のうちに謝っておきます……あの時はごめんなさい」
「はぁ、そりゃどうも……でも、行くときもサービスエリアで謝ってたよね?」
「……」
もはや応えることもなく、早乙女さんは自分の席のほうへと戻っていってしまった。ありゃりゃ、やっぱりクールだねぇ。
窓の外を見ていると窓に反射して再び早乙女さんがやってきたことに気がついた。手には何かを持っていたりする。
「……これ、どうぞ」
「え?御守り……?」
「怪我しないように、持っていてください。それじゃ、わたしはこれで……」
押し付けられて、ぼーっとしているとさっさと早乙女さんは戻っていってしまった。
「……」
手渡された御守りをしげしげと見て首を傾げてしまった。
「……安産祈願?」
え?これは……何故、こんなものを僕に渡したのだろうか?
混乱する脳内を一生懸命正常化させようと努力してみるもなかなか出来なかった。と、ともかく、それをしっかり持っていれば僕を守ってくれるに違いない。
こうして、二年生最後のイベントである修学旅行は幕を閉じたのであった。
さて、前書きで宣言したとおり今回で第二章は終了しました。まぁ、やはり転校したのは予想外でしたでしょうし悩んだ結果でもあります。下手な行動をとってしまうとどうなるかこれで身をもって知りましたけどね。さて、自転車で一時間でいける道のりを歩きで帰ってきたらどうなるか……結果、三時間程度で自宅に帰り着きました。途中、様々な困難(小学生に変質者扱いされる、小学生に気持ち悪いといわれる、ドーベルマンのような犬がこっちをみて逃げ出すなど)を乗り越えて帰ってきたのです。きっと天罰でもくだったのでしょう。そういえば以前暗がりで立ちしょんしてたら実はそこがお墓だったということがありました。あの時は生まれて初めて心からやばい!と思いましたね。故意じゃないから許されるのか?雨月自身は故意だろうがなかろうが、やったことにはかわりないために駄目だと思いますが読者の方はどうでしょうか?故意じゃないなら許せるか否か……っと、まったく関係のない話になってしまいましたが重ねて申し上げます、今回で第二章は終わりです。よろしければ感想、またはメッセージをいただけると光栄です。十一月二十七日金曜、十九時五十八分雨月。