表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/283

◆第百九十七話◆◆

第百九十七話

 家に帰り着き、体操服を洗濯機の中に放り込む。なんだか今日はかなり疲れている。

「……」

 頭もぼーっとするし、なぜかわからないが頬や額には切り傷やらが出来ている。はて?いつ出来たのだろうか?まったく思い出せない。

 しかし、たまに気がついてみたら怪我していたということがよくあったのでそういった類だろうと思って今日はもうそのまま布団を敷いて寝転がった。

 ちょっとだけ、寝よう……そう思っていたのだが、僕はぐっすりと熟睡してしまったようである。



――――――――



 次の日、学校に行くとひそひそとなにやら噂されていた。クラスメートの女子がこっちを見ながらひそひそと……いや、前もうわさされていたのでどうせ今回もろくでもない噂だろうと頭を切り替える。はいはい、どうせわたしゃ~悪い人間ですよ。

「……聞いた?間山君と早乙女さんが二人して昨日体育館倉庫にいたって話」

「うんうん!あれって早乙女さんのほうから誘ったって聞いたよ?」

「どうなんだろうね?仲が悪そうに見えたけど意外にいいのかな?」

「ああ、そういえば間山君って実は不良でもなんでもない人だったらしいね!意外とあるかもよ?」

「これが意外性ってやつね」

 今の噂を聞いただけで僕の心は晴れた。どうやら、誤解が解かれつつあるようだ。

 これはいいことを聞いた!僕の心は朝から舞い上がる白鳥のようだ。

 しばし、ぼーっと今後の青春に思いをはせていると教室の前の扉が開く音が聞こえてきた。

 誰かがやってきたのだろう。そちらのほうに視線を移すと早乙女さんが驚愕の表情で僕を見ていた。

「ま、間山さん?学校に来て大丈夫なの?」

「は?」

 一体全体、これはどういう意味だと首を傾げてみる。首を傾げたって意味がわからないので首を傾げても無駄だった。

「ちょっと来て!」

「え?」

 右手をしっかり掴まれてそのまま引っ張られるように、流されるように連れて行かれてしまった。場所は職員室で担任教師が険しい表情で何処かに電話をかけている。

「先生!」

「お、早乙女か……まだ間山は見つかってないぞ」

「いました、間山さんはここにいます」

 早乙女さんから僕のほうへと視線を移し、ものすごく驚いていた。

「お前、今まで何処にいたんだ!?」

「え?教室にいましたけど?」

「昨日はあれからどうした?」

「あれから?」

 その後、全職員の前で何が起こったのか、そして僕が何をしていたのか話すことになったのだった。


―――――――



「いや~話を聞いたときはあたしもあせったよ。霧之助が怪我したままで行方不明だって聞いたものだからさ。ケータイもつながらなかったし」

「あ~まぁ、電池が切れていたっぽいからね。けど、まさか記憶がなくなるなんて本当、びっくりしたよ」

 場所は喫茶店。一日病院で検査が行われ、異常無しということで放課後には開放されたのである。本当は入院していったほうがいいとまで言われたが無理を言って入院はしていない。

「でも本当に大丈夫?」

「うん、大丈夫。身体が丈夫なのは折り紙つきだよ」

 先生から、早乙女さんから聞いた話によると僕が見つかったとき僕はバレーのネットを支える金属の棒のようなものなどに押しつぶされているような状況だったそうだ。右手だけがそれら金属の棒と同じように天井に向けられていた。誰もが最悪の展開を予想したそうである。よかった、何もなくて。

 その後、担ぎ出されて保健室に一時的に置かれていたそうだがすぐさま目を覚まし行動を開始して僕はアパートに帰ってすぐに寝てしまった。そして、電気が消えており、鍵もかかっていたのでアパートに先生が一度は来たのだがまだ帰ってきていないためにどこかで倒れているのではないかと職員会議で話し合われて後は大騒動。そのとき本人はぐっすり眠っていたというわけである。

 学校を出る前に職員室の入り口でお騒がせしてすいませんでしたとなぜか僕が謝る羽目になったと伝えておこう。

「ともかく、二月に入ってすぐ修学旅行があるからねぇ……身体には気をつけておかないとね?」

「うん、僕はいたって気をつけてるよ」

 やれやれ、またこれで無駄に有名になってしまったことだろう。やっかいなことにならなければいいんだけどね。


気絶したことありますか?雨月は約一ヶ月前に生まれて初めて気絶しました。親戚の家で苦手なアルコールに手を出し、トイレで用を足し終わって……気がついたらトイレの床が頬に引っ付いていたのです。声がしたので気がついたわけですが、もしあそこで親戚のおばさんが声をかけてくれなかったらくたばって今頃こうして小説投稿していないでしょうねぇ。あ〜、そういえばこれまで幾度となく修羅場をくぐりぬけてきた自転車がとうとう動かなくなりました。七年以上ですので寿命でしょうか?ギア部分が動かなくなった原因だと思われます。ベルトがボルトに食い込んでしまって工具が手元にない今、今にも契れそうなゴムベルトを引っ張るのは自殺行為でしょうね。素人にはお手上げ侍!十一月二十七日金曜、雨月。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ