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◆第百九十四話◆◆

第百九十四話

 いや、ケータイを開いただけだけど。電話はかけませんとも。二人で仲良くやっているかと電話をしたとしようか?そうしたら由美子にかければ由美子はまず間違いなしに自分はうまくやっているつもりだが姉が言うことを聞いてくれないというだろう。悠子にかければその逆が帰ってくると思われる。

 やっぱり、今は勉強するしかないんだなぁ……

 一つだけため息をついてさっさと教科書を開くことにする。



―――――――



 やるべきことは全てやった。

 テストも全て終了した。



 ぶっちゃけ言って、簡単だった……前の学校のテストが異常性を帯びていたと痛感した。



 ともかく、今日のHRで簡略化されたテストの成績が配られるのである。このぺら一枚で涙を流すものが出たりするのだ。僕の場合は意外性で友人を作るための第一関門でもあるわけだけど。

「今回、全教科百点の奴がいるな……まぁ、学年末だけがんばったという奴が多かったのかもしれないが一学期とか二学期の試験もだな、先生は大切に……(中略)……お、もうこんな時間か……ともかく、今からこのテストの成績を見て騒ぐんじゃなくて冷静に受け止め、精進しろよ?じゃあ、いつものように出席番号順に取りにこい」

 転校してきた僕はもちろん一番最後である。ドキドキワクワクして先生のところへ向かっていったものは何かを悟ったものと今にも踊りだしそうな奴に分かれたりする。

「次は早乙女さんだ」

「きっと早乙女さんがオール百点よ」

「……」

 静かに席から立ち上がって毅然とした態度で担任教師のもとへと向かう。ああ、なるほど……この人が高畑さんが……いや、里香が言っていた『女王様』だな?

 きっと生まれも育ちも僕とは違うんだろうな……流星から生まれて天然地下水で育てられた……って、変な感じに育てられてるな、これは。

「惜しかったな、早乙女……お前はオール九十八点だ。あ、現代国語が九十六か」

「……」

 眉をぴくりと動かした後にそのまま無言で席へと帰っていった。

「あ、あれ……早乙女さんじゃないのか?」

「じゃあ誰が……」

 ひそひそとクラスメートがささやきあっている間も先生は生徒の名前を呼んでいく。とうとう、最後…つまり、僕の番がやってきた。

「間山霧之助」

「はい」

 一番後ろの席から最前列まで歩いていき、紙を手渡してもらう。

「がんばったな、まぁ、転校前のお前の成績は見せてもらっていたからやるとは思っていたが……次からもこの調子でがんばるように」

「はい!がんばります!!」

 意気揚々と後ろを向く……

「おお!不良高校生だと思っていたががり勉だったのか!?」

「すごい!」

「間山君素敵!」

「間山ばんざーい!!」

 そんな言葉を期待していたのだが、振り返った僕はなんだか重たいクラスの空気にさらされていたりする。ありゃ?オール百点採れば意外性があるって思っていたんだけど……どうやら違っていたようだ。

「……カンニングよ!!」

「え?」

「は?」

 女王様……と、多分呼ばれているはずの早乙女と呼ばれた生徒が席から立ち上がって僕の目の前までやってきた。

「貴方、カンニングをしたんでしょう?そうでなければこのわたしが貴方のような頭の悪そうな不良に劣るはずがないもの!先生、きっとこの不良はテスト中にわたしの答案を盗み見たに違いないっ!」

「じゃあ、何でお前より点数が良いんだ?」

「それは……じゃ、じゃあ、教科書をカンニングしたとか!」

「教科書は以前通っていた高校と若干違うから授業のたびに担当する教師に貸して頂く様、連絡しているからな……間山は教科書を持っていないぞ。テスト前日に教科書を渡すのを忘れてしまっていたからきっと悪い成績だと先生が思ったぐらいだ……さ、根拠のない疑いなんて持たないでおとなしく席に着きなさい」

 先生に言われて、早乙女という女子生徒は一度だけ僕のほうへと視線を移し……

「……わかりました……貴方、次のテストではこうはいかないと思って!」

 捨て台詞を残して自分の席へと戻っていった。次のテストって……三年生になってからだと僕は思うんだ。気の毒そうな視線が僕へと向けられる。まぁ、以前の除外するような視線ではなくなったのでよかっただろう。


※先に言っておきます。今回の後書きは妙なテンションの状態で書いているために読んでしまった人の中には頭痛、めまい、吐き気にブリッジしたまま階段を一気に降りて言った後に似た感覚が襲い掛かるかもしれません。かも、ですよ?あくまで過程の話ですからあまり気にしないでください……心にぐっさぁ!と突き刺さる感触は相変わらずです。いや、久しぶりにぐっさぁってきました。凹む……へ~こんだらカー○ン!ってな歌があった気がしないでもありません。けど、やっぱり自分で決めた道なので以前やってしまったように途中でぶつ切り終わりをやってしまいたくありません。読む人によっちゃあ何また言い始めてるんだって思われる方もいるかもしれません……どうぞ、流してください。挑発というか、そういったものに乗りやすい性質の雨月なのでああ……っと、気にしないでください。一度、ものすごくお目汚しなことを書いて消去しました。このままじゃ、この小説がネガティブな方向へとつっぱしるところでした。ここは心を静かにしてリラックスするのが常道でしょう。もちろん、つつけば割れるので妙ないじり方とか思いついてもしないようにお願いいたします。さて、きっと前回の軽はずみな後書きが原因だったのでしょう。これは反省すべき点です。聞き方がまずかったに違いありません。つまり、霧之助は今現在不幸だがこれから先もそうであると思うか否か?と聞くべきだったのでしょう。いやはや、口は災いの元ですね。言葉は選んで真剣に考えなければいけないと勉強になりました。茶化すつもりはなかったんですけど結果的にそうなってしまったようで実に残念です。傷心の旅には出ませんが、ここは一つ幸せを描き、まっすぐ歩くしかないようです。おこがましいとは思いますがよろしければ感想などいただけたらうれしいです。十一月二十五日水曜、二十三時十五分雨月。

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