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◆第百九十話◆◆

第百九十話

 一月九日から学校ですよ。ええ、世間はもう正月ムードもそろそろ消え去っているのでしょうねぇ……いや、僕ももう正月ムードなんて引きずっちゃいないけどね。それより大変だったからさ。



「え~……あ~……今日からこの学校に転校してきた間山霧之助君だ。みんな、三学期だけだが仲良くしてやるんだぞ」



 人生というのは常に先が見えない道なんだなぁ……もはや今は笑うことしか出来ないよ。



「今日からこの学校に転校して来ました間山霧之助です……宜しくお願いします」



「「「……」」」

 クラスからの反応はない。うわぁ、この転校生かっこいい!とかそういった視線をくれている人なんて誰もいない。まるでケンカをやっている不良を見るような目をみんなしている。



―――――――――



 転校生の昼休みというものを僕は見たことがある。あれは……そうだ、小学三年生ぐらいのときに僕のクラスに転校生がやってきた。かっこよくはなかったし、勉強ができる!そういった雰囲気もなかった……だけど、彼の周りには人が集まっていたので大体そういったものが転校生だと思っていたがいざ自分が転校生になってみれば現実とはいかに厳しいものか判った気がする。

「……」

 態度の悪い不良を見る目でみんな僕を見ているのだ。隣に座っているのは眼鏡をかけているおとなしそうな男子。めちゃくちゃびくびくしていて居心地が悪い。ちょっと身体を動かすだけで隣の男子はびくっとするのだ。

 人によってはこれがうれしいという人がいる。ああ、俺のことを恐がってやがるぜ♪そんな風に考えているのだろうが……逆にびくびくしている人は面倒な人が来たな……そう大体思ってる。

 つまり、簡単に言うならば疎まれているのだ。暗にお前はこのクラスには合わないよといわれているのである。

 一人で疎まれる不良について脳内で可哀想だと話し合っていると昼休みは終わってしまった。

「はぁ……」

「ひいっ!?」

「……」

 隣の子、びっくりしすぎて椅子から落ちちゃったよ。



――――――――



 放課後になれば誰かが話しかけてくるかなぁと思っていたがどうやら甘い考えだったようだ。だぁれも、人っ子一人……というより、あっという間にクモの子を散らすかのように去っていってしまった。

 部活におべんきょ、恋愛にと……忙しいんでしょうねぇ、皆様方は……いや、それはわかっているんだけど寂しそうにしている転校生のことをちょっとは気にかけてくれてもいいんじゃない?

「……帰ろう」

 することもないし、まだ引越しの荷物を片付けてはいない。ああいったものは早めにやっていかないとおじゃまぷよよろしくたくさんたまっていってしまう。汚い部屋に帰ってきてどんよりするよりも綺麗な部屋でどんよりしたほうが幾分かましだ。

「あの人が……」

「しっ!声が大きいわよ」

「……」

 うっわぁ、前の学校じゃそんなに有名人じゃなかったけどこっちじゃ一発で有名人じゃないか……廊下で僕のほうをちらちらと見てはうわさをしている女子たち。じっと見ているとどこかに去っていってしまったし、曲がり角で僕とぶつかりそうになった男子生徒は一生懸命謝っていた。

「……」

 受け入れられていないんだな~……そんなことを思いながら新たなるアパートへと向かって学校を後にすることにした。


新たに話が始まったわけではありませんが、一つの区切りがついたのは確かだといっておきましょう。今後、これまで出てきていた人たちがあちらのほうでも出てくるとは限りませんからね。というより、出てくる確率のほうが低くなってしまうかもしれません。さて、第二百話に向けてそろそろ誰かのエンドを書き始めなければいけませんね。はてさて、一体全体何処の誰が記念すべき第二百話を飾るのでしょうか……それではまた次回、お会いしましょう。感想などがあればよろしくお願いします。十一月二十二日日曜、十九時二十六分雨月。

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