◆第百六十八話◆◆
第百六十八話
屋上付近、屋上は完全封鎖(去年起こった事件が原因である)となっているためにどうやっても入ることができない。鍵は二つあり、一つの鍵を開けても今度は鎖でがんじがらめにされている部分の鍵を開けなくてはならずそこの鍵を持っているのは校長先生だけである。貯水タンクなどは屋上にないために屋上へと行く用事など殆どないだろう。もしも、屋上で殺人事件が起こった場合は校長先生が真っ先に疑われる可能性が高い。まぁ、強いて言うなら屋上で殺人事件が起こっても屋上自体いかないのだから死体が発見されない可能性が非常に高いわけだけども。
屋上付近の踊り場は基本的に不良が居座っていることが多いのだが祭りのときにもわざわざこんな陰気くさいところにいるはずがない。彼らはあくまで教師に見つかりたくないという理由でここにいるわけでどうせ今頃どこかの休憩所か何かですぱすぱやっているころだろう。話がちょっと逸れてしまったが今現在この屋上の踊り場には僕と名古ちゃんしかいなかったりする。
「先輩、去年の文化祭で大暴れしたって今日の朝聞きましたよ?聞いたといっても耳に入ったってわけなんですけど……」
詳しく聞いてみると去年の文化祭、場所は屋上……三人の不良をぼこぼこにして校長室へと連行したという話だ。不良の顔がもうめちゃくちゃで整形外科に行かなければ元の顔には戻らないように見えたらしい。
「なるほど、それでおそろしいと思われてるんだろうなぁ」
人間の力で顔がそこまでめちゃくちゃになるのだろうか?いや、ねぇ、確かにBJ先生だったらめちゃくちゃにできるんじゃないかなぁ?彼の場合はめちゃくちゃにした後にお金を払ってもらってなおすことだってできるんだし。
「あいにくながらそんな顔になるまでぼこぼこにした覚えはないけど?」
「じゃあ、うわさはうわさだったんですよね?よかったぁ、あたしちょっとは心配してたんですよ」
「ははは、まぁ、うわさはあくまでうわさだよ……ちょっとは本当だけどね」
「え?顔をめちゃくちゃにしたところですか?」
何でそこに食いつくかなぁ?もっと他に食いつくところがあるでしょうよ。きっと一般人と何処か思考回路が違うのであろう。人の考えに突っ込みを入れていたら悪いが僕の周りにはたくさんそんな連中がいるために大変である……いや、大変というより面倒だ。
簡単に事情を説明する……いや、僕も何であんなことになったんだっけなぁと思い出しながら徐々に説明していく……思い出せない部分も相当あったりする。
「確かね、えっと……劇を邪魔されそうになったからそんなことをしたんだと思う」
「なるほど、ボディーガードみたいなことをやったわけですね?」
「うん、ともかく僕一人で三人相手をしたわけじゃないから」
「意外とけんか強いんですか?」
「どうだろ?人並みなんじゃないかな?」
けんかの人並みってどのぐらいなんだろうか?百回やって五十回ぐらい勝てばいいとおもうけどあえてここは七十五回ほど勝たなくてはいけないかもしれない。けどま、けんかなんてするもんじゃないことは確かである。
「おかげで停学食らっててさ、次もしも暴力事件みたいなことを起こしちゃったら……」
「退学ですか?」
これはちょっと前に言われたこと……というよりは猛にも言い渡されていることなんだけどもここの学校は二度目の不祥事は生徒自身に責任を持たせるらしいのだ。
次、何か起こしたら退学または……転校である。もちろんこのことを両親はすでに知っている。
「退学か、転校だよ」
「どう考えても後者を取りますよね?学校だけに」
「……」
校舎、後者……おもしろくないな。
「ま、ともかく屋台でも冷やかしに行こうか?」
「はい、わかりました」
なんら変わりのない日常。今日だって不良をちらりと見たぐらいで去年やってきていた連中も静かに楽しんでいたようだ。もしも、目があったときはお互い苦々しい表情をしていたに違いない。
イライラがたまっているときはどうすることが一番いいのでしょうか?町内を走りまくる?腕立てを限界までやってみる?確かに、それも一つの手でしょう。他に何も思いつかないのは………家の中で暴れると言うのも一つの手かもしれませんね。あとで自分で片付けないといけませんけど。ああ、そういえば読者の方に折り入ってお願いがあります。いつも言っている感想くれくれじゃありませんから安心してください。誤字や脱字を見つけた時はよろしければ連絡していただけるとうれしいです。後で自分で読み直して誤字が発見されると地味に嫌ですから。まぁ、後書きを読んでくれている方にしかつたわりませんがどうかお一つ宜しくお願いいたします。十一月九日月、七時四十五分雨月。