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◆第百六十七話◆◆

第百六十七話

 目が覚めて結さんが隣にいた。そりゃそうである、一緒に寝たのだから。たとえ着物がこう、なんだかめくれていたとしてもそれは僕がやったわけではない。二人の身体がこれでもかというほど密着していたとしても何もなかったといっておこう。



 記憶にございません。



 嘘じゃない、本当である。今ここで下手に動いたら……これ以上着物がめくれちゃったりしたら大変なことになりそうだからこのまままた目を瞑ろうとして……まだ今日が文化祭二日目だということに気がついた。



 学校に行かなくてはいけない!



 イレギュラーな状況が最近続いているようだが学校だったらゆっくりできるだろう。心を落ち着けるために学校に行こうなんてこれまで考えたことがなかった。



――――――



 自室へと戻るために重い金属製の扉を開けるとそこには由美子が立っていた。

「あ、由美子お早う!」

「え?あ、うん……」

 すでに由美子は制服に着替えている。まぁ、いまさらだけど似合ってるといってあげなくもない。

「今日も制服にあってるね……っと、僕も急いで着替えてこなきゃ!」

 すぐ近くの扉を開けてしばしの時間をいただく。朝ごはんはちゃんととらなくてはいけないのだが時間がないので食パンを口にくわえて戻ってくる。

「じゃ、行こうか?」

「え……う、うん」

 なんだかよくわからないが僕の顔を見ることなくそらすのであった。何かあったのだろうか?

「何か顔についてる?」

「……いや、そうじゃなくてさ……家に帰ってきてなかったし、結さんの家から出てきたって事はお兄ちゃん……もしかして、泊まったの?」

 まぁ、そうなるであろう。正直に伝えたらものすごくジト目で見られた。

「信じられないよ……一体全体どうして?」

「えっとね、ちょっと僕もよくわからない状況に陥ってるんだけどさ……」

 一生懸命はなしてみるのだがどうにも、由美子は信じてくれていない更には僕が言い訳のような嘘を並べ立ててると結論に至ったらしい。

「お兄ちゃんのスケベっ!!」

 ばちこ~んというすさまじい音を僕の頬が奏でるのであった。いたたた……。

 傷む兄貴を残して由美子の背中は階下へと去っていったのである。



――――――――



「お早う」

「……どうしたぁ、その面は?由美子ちゃんにでも張られたか?」

 猛がこれまたニヤニヤといやらしい笑みをうかべながらこちらに寄ってくる。ペットボトルに水を入れて持っていればよってこないだろうか?友人だ友人だ言うぐらいなら何か言葉をかけてくれるだろうに。

「霧之助……安心しろ、私だったら……」

 ほら、見てみなよ……さすが百合さんは見た目は恐いけど心根は優しいいい人なんだよ。

「……両方にくっきり手形をつけてやるからな」

 友人を作り直すべき方法を今から模索したほうが良いかもしれないなぁ……



――――――――



 文化祭二日目、僕は百合さん、雪ちゃんと一緒にまわっていた。本当は猛も一緒に来るはずだったのだが矢田さんがやってきて猛は一緒に行ってしまったのである。しかし、残念ながら二人とも百合さんは前日の映画を見に来た人数を後に計算しにいかねばならず、雪ちゃんもちょっとした休憩で付き合ってくれていたに過ぎない。ちょっと時間がたてばまた一人になってしまった。

 由美子は友達と周っているだろうし……って、早速妹が出てくる時点で何気に僕って友達少ないかな?

「ああ、そういえばいたっけなぁ……」

 まだ家に帰るには早すぎる時間帯だ……一縷の希望を抱いて僕は友人と呼べる後輩の教室へと向かったのだった。

「すんませーん」

「ひいっ!?ななななな、何ですかっ!?」

 半ば休憩室へと変わっている一年生のとあるクラスへと顔を見せたのだが……どうやらお呼びじゃないらしい。和やかだった雰囲気はまるで街中で凶暴な虎を見たかのような反応に変わっていた。あれ?僕って何かしただろうか?

 ひそひそと声が聞こえてくるのを聞いてみると……

「おい、あの人が去年の文化祭で暴力事件を起こした人か?」

「ああ、あんなひ弱そうな顔して実はおそろしいぐらい恐いんだとよ」

「宮川とか黄銅とかここの学校の不良仲間と一緒につるんでるだってさ」

「恐いね」

 いや、まぁ、確かに去年そういったことがあったことは確かなんだけど……うわさとは非常におそろしいものである。

「……先輩はどなたかお探しですか?」

 戦々恐々としているこのクラスの学級委員長と思われる女子がやってきて用事を聞きにきた。きっと心境は生贄の娘だろうな。

「名古時羽ちゃんっているかな?探してるんだけど……」

「名古さんですか?今トイレに……」

「あれ?先輩どうかしたんですか?」

「戻ってきましたよ」

「ありが……」

 その前に教室の扉が閉められる。

「……僕何か悪いことしたかな?」

「あ~、そのこと詳しくあたしが話します。どこで話しましょうか……ああ、屋上付近なら人もこないんじゃないんですかねぇ?そこにいきましょう!」

 先に歩いていく名古ちゃんを追いかけるような形で僕も屋上の近くへと向かうことにしたのだった。


どうすれば面白い小説をかけるか?これは徹底すべきお題目でしょう。そしてもう一つ気がついたこと……この小説ってコメディーじゃなくて学園物じゃないの?書いてる人はまわりが見えなくなるものなんでしょうね。最近になってようやく気がつきました。今後そういったことがないようにジャンルわけはきちんとしておかなくてはなりません。では、次回またお会いできたらお会いしましょう。十一月八日日、十一時三十八分雨月。

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