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◆第百五十五話◆◆

第百五十五話

 百合ちゃんが帰ったために今日はお開きにしようか、そんな話をしたのだが申し訳なさそうに雪ちゃんはこういったのだった。

「……何処かに行きませんか?」

「え?ああ……僕は別にかまわないよ」

 そういうと照れたように笑って僕より先にケーキ屋を出たのだった。少し変に思ったのだがまぁ、気のせいだろうし気にしなくていいだろう。

 あんなにうれしそうな顔をしている雪ちゃんを見るのは久しぶりだし……というより、雪ちゃん自体最近見なかった。ずっと百合ちゃんと一緒だったからなぁ、名古ちゃんとか今度探してあってみようかな……



―――――――



「わたし、一度こういったところに来てみたかったんですよ」

「へぇ、そうなんだ……僕もあまり来たことがないからね~」

 二人してやってきたのは駅前にあるゲームセンターである。ゲームセンターといっても暗めの印象を受けることはなくUFOキャッチャーなどが多くあり、珍しいことに比率が男四で女六だったりする。雪ちゃんに手を引っ張られながら中に入るとなるほど、やっぱり彼氏持ちだったり女友達と一緒だったりと女子の園だったりするわけだ。ここを男一人ではいるのは相当勇気がいるだろう。

「……すごいねぇ」

 雪ちゃんに引っ張られながら感慨深げに店内をきょろきょろ動かすも男の姿が殆どない。

「で、何処に行こうとしてるの?」

「…プリクラです!」

 あれ?今も流行ってるんだ……ともかく、引っ張られてそのまま引っ付いた状態で撮られる。

「これ、家宝にします」

「……そこまで?」

 まぁ、人の価値観なんて人それぞれだし。



―――――――



「そこ、そこ右です!そうしたらキャッチできます」

「……こう?」

「違います!あぁ!もう!変わってください!」

「って、引っ付きすぎ……」

 そんなことがあったり……



――――――――



「ってハメ技!?」

「……甘いですね、間山さん!この黄金コンボにはまったものは逃げられませんから!」

「くぅっ!ハメ技なんて卑怯だよ!」

「勝てればいいんですよ、勝てれば」

 そんなこともあった。



―――――――――



 気がついてみれば九月の終わりごろでも暗くなってくる時間帯。ゲーセン内では逆に人が増えてきていた。

「雪ちゃん、そろそろ帰ろうか?」

「…そうですね、今日はちょっと羽目をはずしすぎました」

 ああ、確かにそうだろうね?サルのぬいぐるみ、像のぬいぐるみ、豚のぬいぐるみに鯨のぬいぐるみと雪ちゃんの意外な腕を見せてもらった。

「今度また来ましょうね、間山さん」

「そうだね、まぁ、今度……ね」

 その今度がいつになるかはわからないんだけどね。茜色を通り越して夜がそろそろやってくる。僕は雪ちゃんを自宅まで送っていくことにしたのだった。


たまにはこういうのもいいでしょう。陰が薄くなってきているところでしたし……意外な素顔が……あの子に限ってあんなことをしないけど実は……人は意外性を求めたりしますよ。最近、感想評価待ってます!次回は連続して更新したいな、そんな風に考えています!そして、なんとなく機嫌が悪かった百合、霧之助との関係はどうなってしまうのでしょうか!?あおったところで今日は終わりです。十月三十日金、十七時四十一分雨月。

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