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◆第百五十二話◆◆

第百五十二話

 思えばもう骨子は決まっていたのだから台本を書くのは簡単だったのかもしれない。猛の手には『百合さんの日常』という台本が握られており、それはうちのクラスの殆どに配られていた。僕が聞いた話では中身は基本王道的ラブストーリーで一人の少女が主人公といったものだった。それが嘘だと気がついたのは台本を手に入れてた後だった。

「ねぇ、猛……ここに『どろどろの三角関係の末に女は男を執拗に付けねらうのだ』って書かれてるけどこれって王道?」

「ああ、大体三角関係ものが多いだろ?」

「まぁ、そうかもしれないけどさ……ちょっと違うと思う」

 表現がきつすぎるんだよ。もしかして本当にこのままやるのかな?

「で、僕の役っていったい何?」

「言ったろ、お前はすべるヒロインのギャグを心の底から面白いと思っている男だよ」

「……ものすごく難しそうな立ち位置だね?」

「そうだろうな、俺も見たときはマジかよって驚いちまったぐらいだ……」

 心の底から面白いと思うところがポイントだぞ?そういわれたのだが正直言ってこの役を降りたかった。客人の前で一人、すべるギャグを笑わなくてはいけないのである……場がしらけているのに自分だけ笑う、その行為がどれだけ大変であるか予想もつかない。台本内でこの人頭大丈夫か?そう思っていた登場人物を自分がやる羽目になるとはまったく思っていなかった……。

 そういえば主役の百合ちゃんの姿が見当たらない。そこらかしこで台本の台詞を覚えていたり、大道具や小道具を作っている人を見渡してみるのだがいないようだ。

「で、百合ちゃんは?」

「百合さんは……トイレじゃないのか?待ってれば来るだろ……それまで台詞をお前も覚えておけよ」

 そういわれてまぁ、仕方ないということで台本をめくる。

『ジャマイカ!』

「……」

 一つ目の台詞がこれだから本当に、本当にこの劇が成功するのかどうか不安だ。どういったシチュエーションで使うのか読んでみるとどうも病院でであった時に使う台詞のようだ……どうやっても理解できない。

「ジャマイカ!よし、これは完璧だろう」

 もはやインパクトが強すぎてジャマイカが頭の中から離れない。邪魔なイカなのだろうか?これからどうやってどろどろの三角関係に持っていくのは想像もつかなかったりするのだが……

「何々?『女は自分だけのギャグに笑ってくれると信じていた男が他の女のギャグに笑ったことによって恨みを持つ?』……」

 おそろしい話である。最終的にどうなってしまうのか気になった。そういうわけで台本の最後を見ようとするとタイミングよく?百合ちゃんが戻ってきた。

「お帰り」

「ただいま……っと、もう練習してるんだな……じゃ、私と一緒にやるか?」

「そうだね」

 最初の時点から台本を見て僕と百合ちゃんは練習することになったのだった。


進展ないなぁ、そう思う方もそろそろいらっしゃる方でしょう。マンネリしてきたなぁ、そう思ってしまう方もいるでしょう。学園生活なんてそんなものです。大切にしない日々が過ぎていき、そんな退屈な日々の中にちょっとした事件が起こる、そこが面白いんですよ。ゆっくりしているのは嵐の前触れ、ボーっと過ごしている方気をつけてください。思わぬところに落とし穴がありますよ?さて、あおったところで後書きです。最近雪の出番が減っているなぁ、そう思っていたのですがここにきて大躍進。ええ、今回はまだ出てませんよ?まだ、ということはいずれ出てくるって事ですけどね。ああ、先日ルー○ファク○リー3を購入しました。いまだあっちはバッジを取り終えてないんですけどいかんせん、赤いはさみ一匹じゃつらいんですよ。予断ですがくらげも捕獲しましたよ……っと、完全に脱線気味ですね。私事を書くスペースではないのはわかっています。話に入るのかなぁ、そう思わせて失礼ですがここできらせてもらいます。もう少しでハロウィンですね。夜道に気をつけてください、かぼちゃ頭の変態があなたを狙っているかもしれませんよ?十月二十七日火、八時三十四分雨月。

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