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◆第百五十話◆◆

第百五十話

 去年と同じようにまた演劇ということになったわけだけどももちろん暴力的な(桃太郎、金太郎、鶴の恩返しなどは禁止。あと、白雪姫も禁止って……子供じゃないんだからさ)題材は禁止された。

「ラブが必要だろうなぁ、百合さんはどう思います?」

「そうだな、ラブを入れよう」

「また主演お願いします」

「ああ、がんばる」

 そんな会話が台本作成組のほうから聞こえてきていた。大道具などを作成する側は何を創ればいいかまだわからないために活動を始めてはいない。

「……」

 大道具係りに任命された僕は手持ち無沙汰に窓でも眺めることにした。放課後残ってやっているわけで、他の生徒たちも部活がないものたちは残って作業を行っているようである。夏の大会が終わったためか三年生の姿が殆ど残っておらず、グラウンドからは二年生たちの声が聞こえていた。

「霧之助、何黄昏てるんだよ?」

「別に……黄昏てはいないけどさ、やることないから暇なんだよ」

 ボーっとしていた僕に猛が声をかけてきたのでそれに適当な返事をする。適当な、とは実に便利な言葉で意味としてはきちんと当てはまること、もしくはその場にあわせていい加減にやり過ごすといった感じである。まぁ、たいていの人たちが後者のほうで適当という意味を使っているに違いない。

「お前は適当な人間だ」

 なぁんて、そんなことを言われたことはないからね。社会に出たらそういった言葉を使われるかもしれないけど高校時代じゃそうそうないでしょ。

「じゃあ、霧之助、お前は主人公の少女にほれられている役な?お前が一番適当だろうから」

「言われたよぉっ!!ってちょっと待った!それ絶対適当に決めてるでしょ?」

「ああ、適当に決めたつもりだぞ?」

「適当に決めないでよ!」

「?」

 もはや言っているほうも聞いているほうも頭の中に『?』といった文字が展開されているこの混沌とした状況。誰か、収集お願い。



――――――――



 猛から適当に(また言い出すと面倒だからやめておこう)決められた役だったが、さらに台本まで考えてくるようにいわれた。台本、これを考えるのは非常に大変だと思うんだけど……もちろん、百合ちゃんだって猛だって考えてくるといっていた。僕の案が採用されることはまずないだろう。

 しかし、一応考えたという結果を示したかったために助け舟を頼むことにした。

「台本ねぇ~」

「由美子、何かいい案ないかな?」

「私にふらないでよ。私たちだってアイディ~アが出てないんだから他を助けるほど余裕なんてない」

 手厳しい一言である。まぁ、それも事実だけど……助け舟はおぼれている僕を見捨てていったというわけである。

「あ、そうそう」

 由美子は何かを思い出したようで首をかしげるのだった。

「どうしたの?」

「去年、大暴れしたんだって?東先生から聞いたよ~」

「東先生か」

 ご無沙汰している気がするが……まれに学校じゃ見かけるんだけど余計なことを吹き込んでいるんだなぁ……

「まぁ、否定はしないけど大暴れはしてないと思うよ?」

「今年はもっと暴れるのか聞いておいて欲しいって言われたけど?」

 暇な先生である。やれやれといった具合に僕はため息を一つつくのだった。


男は女の失敗作だ。なんて言葉を聞いたことがあります……世界毒舌辞典?ってそんな名前の本だったかなぁ……まぁ、そういった考えもあるでしょう。現にカマキリのオスが受精に必要なだけで、喰われちゃうって話は知っていると思います。他にもチョウチンアンコウのオスはものすごく小さくて中にはメスとどうかしちゃうオスもいます。それに最近、男が女になっちゃう話って結構多いですからね……小説の題材として、ですけど。なんだか最近愚痴っぽくなっている気がしないでもないですが雨月の心は……穏やかではありませんね。やらなくてはいけないことがたくさんあるのです。さて、ここできっと返答の来ないアンケートまたやりますか!1、霧之助の高校三年生が見たい。2、霧之助にプロレス技をかけてほしい。3、悠子と悠を復活させて欲しい。アンケートなんて三択ぐらいがちょうどいいでしょう…では、次回もよろしければお読みください。十月二十五日日、十時四十分雨月。

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