◆第百四十七話◆◆
第百四十七話
食事が終わってさっさと雪ちゃんたちのお母さんは寝室へと戻っていったようだ。どうやら、終わらせなくてはいけない仕事があるようで……僕も邪魔になってしまうといけないので帰ることにした。
「悪いな、母さんもそろそろ実家に戻ると思うからさ……また呼ぶ」
「気にしないでよ。お仕事なら仕方ないからさ……あ、ここまででいいから」
二人に手を振って、僕は帰ることにした。夏だからまだ夕焼けは完全に沈みきっておらずたそがれ時をさっさと家に向かって歩き始める。
最近はここらも物騒になってきたから気をつけておかないと……この前、男の子が襲われたって話を聞いたからなぁ…最近は男でも気をぬいたらいけないようだ。
暗闇にびくびくしていてもしょうがないのでさっさと自宅へと向かっていく。
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自宅に着くまで特にこれといって問題がなかった。
「お帰り、早かったね」
「う、うん……友達のお母さんが仕事があるみたいだったから邪魔になるといけないと思って……あのさ、由美子」
「何?」
先ほどまで顔を合わせていた百合ちゃんのお母さんの言葉を僕は思い出していた。そして、雪ちゃんと話した平行世界のことも頭の中にある。
「……僕には由美子の未来を決定する権利も何もないよ」
「……は?」
由美子はこいつ、頭をどこかで打ってきたのではないだろうか?そんな心配そうな顔をしているのだった。僕がこれ以上由美子に話すことはない、そういうわけでさっさと自室へと逃げ込むことに決めた。
―――――――
夏休みも気がつけば後二日で終わってしまう。振り返ってみたらなんともまぁ、充実しすぎた(お勉強的に)長期休暇だっただろうか?
「夏休みももう終わりかぁ」
「何が言いたいんでしょうか?」
「……結さん、夏休みって有限なんですよ?」
「知っています。それで、遊びに行きたいと?」
「え~と、まぁ、その、そういった感じです」
「……相変わらずはっきりとはいいませんね」
しょうがないじゃないか。ずっと勉強しかしていないから頭の中が数式や古語の単語でいっぱいいっぱいなのである。しかし、人間の脳みそは右脳がなくなっても左脳でがんばれるという前例もあるそうだから……左脳だけでがんばれるのなら脳みそが本気を出したとき……人間って次の段階にいけるんじゃないの?
そんなわけのわからないことを考えるぐらい今の僕は疲れているのである。そして、結さんも疲れていたのだろう……一つため息をついて立ち上がった。
「わかりました、そこまで霧之助さんが疲労しているのならどうぞ遊んできてください」
「いいんですか?」
「ええ、かまいませんよ?わたくしも夕飯の買い物に行きますから」
「僕もそれについていきます」
まぁ、ぶっちゃけいって遊びに行きたいというわけではなく勉強から開放されたいのである。
そんな感じで夏休みもあっという間に過ぎていき、文化祭の準備が始まる二学期へと季節は移ろい変わり行くのだった。
ええ、もう、ね、もうちょっとで百五十話目ですよ。さてさて、どうしたものか……何か記念にやるべきか……やらざるべきか。きっちりと、区切りのいいところで終わらせたいとは思っていますが未だその雰囲気すら出していませんからね。とりあえず第百五十話ではまだこの小説は終わりを迎えません。ちょいとだけ不安が出てきているわけですけどね……。これまでは様々な姑息な手を使って感想をいただいてきましたが……今回は直球勝負でお願いしてみましょう。誰か、感想をくださいっ!!言って気がつきましたがいつも言っていることじゃないですか……無意味でしたね。さて、今回で霧之助たちの夏休みも終わりを迎えました。よくよく思えばこの小説も夏休み半ばぐらいから書き出されてきて……よくもまぁ、更新が続いたものです。これも皆様あってのことでしょう。よろしければこのまま霧之助の最後までお付き合いお願いしたいと思います。けどまぁ、考えてみれば百合エンド、悠エンドを頭数に入れなかったらまだ百四十五話…ですね。また誰かのエンドでもいいかもしれません。十月二十二日木、八時五十七分雨月。