◆第百四十三話◆◆
第百四十三話
結さんを探すことにしたのだった……けど、隣にいたりするんだけどね。相変わらずびっくりさせたがりの人である。もしも、僕がおじいちゃんだったらどうするんだろうか?心臓が止まってしまう可能性を否定できないよ。
「用事は済みましたか?」
「ええ、すいません……待たせてしまって」
「いえ、気にしないでください」
すでに会計をすませてくれていたようでスーパーの袋を手に持っていた。財布を取り出してお金を渡そうとするが阻まれる。
「いいんですよ、いつもただでおいしい食事を作っていただいているのですからたまには材料費だけでも出させてください」
「でも……」
「納得しないというのならそうですねぇ……この袋を持ってください……それで手を打ちましょう」
「……わかりました」
その程度なら簡単なんだけどなぁ……そう思っているとレジのところからひそひそと声が聞こえてきていた。
「あの子達学生結婚しているのかしら?」
「どうかしらねぇ?あっちの男の子、礼儀正しいし……結構お似合いの夫婦ね」
やめておこう、これ以上この会話を聞いてくるとなんだか心臓がどきどきしてきそうな気がしてならないし……
「帰りましょうか結さん?」
「そうですね、帰りましょう……」
結さんが奥さん……かぁ、うーんって、僕は何を考えてるんだよっ!!!
―――――――
妄想するのは中学生ぐらいだろうと思っていたが高校二年生にもなって自分が妄想しているなんて他人に知れた赤っ恥である。そういうわけで平静を装っていつものクールな感じを回りに振りまく。
「……なんだか挙動不審ですね?どうかしましたか?」
「いえ、気のせいですよ。僕が挙動不審なんて世の中が地球を中心にしてぐーるぐーる回っているとしかいいようがありませんから」
「……疲れてますか?」
「疲れてません!大丈夫です!」
そうですか?と首をかしげているが何とかこの場をしのぐ事ができたようだ。少しばかりあせったがまぁ、なるようにしかならないのである。
「あの、結さん……」
「何でしょう?」
「カレー、一生懸命作らせて貰います」
しばしの間どうかしたのだろうか、この人は……といった感じの視線を僕に投げかけていたのだがなにやら納得したようで手を打って笑った。
「はい、期待してますよ、あなた」
――――――――
「あ~つかれたっ!」
「お帰り~」
どうやら由美子が帰ってきたようだ。今日はいつもより数倍疲れているようで首をごきごき鳴らしながら扉を開けていた。
「あ、今日はカレーなんだ」
「うん、さっきまで結さんがいたんだけどね……お疲れ様」
少しだけ考え込むような間が空き、由美子は僕をじっと見ていた。真剣な表情……少なくともそれは演技でもなんでもないものだと思い、居住まいをついつい正してしまう。
「……あのね、お兄ちゃんに話があるの」
「話……それってどういった関係の話かな?」
「……本当は私自身が決めないといけない話。だけどね、一応、その、お兄ちゃんも家族だから聞いておいてほしい話なんだ」
静かにテーブルの席について僕に座るように促す。由美子に相対するような形で席につき、じっと由美子を見た。
「率直に言うけどお兄ちゃんは……いや、間山霧之助さんはモデルの間山由美子をもう一度見たいと思う?」
「……」
その言葉を聞いてようやく理解できたような気がしてきた。これまで、夏休みだったのにいつも外に出かけていたのは遊びに行っていたのではなかったのである。てっきりずっと友達と遊んでいたとばかり思っていたんだけどまじめな話で外に出ていたなんて正直言って驚きだった。
「……で、どうかな?まじめに考えてくれているのはうれしいんだけど……」
「あ、いや、その……」
まったく違うことを考えていたことを素直にいえなかったために後頭部を書きながら一つ、逃れるための言葉を口にしていた。
「明日の朝、決断させてくれないかな?」
「……うん」
僕はもう由美子のほうを見ることなく、自室へと逃げ込んだのだった。モデルとしての間山由美子……か。僕は彼女が載っている雑誌を手に取り、それをじーっと眺める作業を朝まで続けることにしたのだった。
一流の人はまねされます。内容を真似されるようになったら一流なのか?まぁ、首を傾げたい気持ちもありますが今回だけは譲ってください。つまり、真似をされるようになったら回りから認められつつある、最低でも一人の人はその小説がいいと感じるに値する代物というわけですね。そんな小説書いて見たいものですが……高望みして沈没していた船はよくみました。豪華客船はいずれ氷山にぶつかって海のそこ、ってのが常道です。この小説は安泰でしょう。せいぜい、屋台舟ぐらいでしょうし……沈んだとしても船内に残されるって事はないでしょうから。最近、本編のないように負けるようになってきたと思ってしょうがないのですが後書きってなかなか難しいんですね……ここに来てようやくその恐ろしさに気がついてきたような感じです。消しても消してもふってくるおじゃまぷよのような存在……。ともかく、人生何か目的立てないとやってられません!そういうわけで目的を、目標を立てます!万年時計がみたい!……って、知っている人いますかねぇ?それと、小説にはまったく関係ない……。目的を立てたところで不定期アンケート。以前のアンケートなんて誰も覚えてないでしょうし結果のことももはや作者すら覚えていません。今現在、影が薄いなぁ、雨月の小説張りに陰が薄いなぁと思うキャラは誰でしょう?……あれ?以前これやった気がしないでもないな……まぁ、よろしければ影が薄いキャラの情報、お願いします。では、今日はこのぐらいでさようなら。十月十八日日、九時四十二分雨月。