◆第百三十三話◆◆
第百三十三話
期末テスト、ちょっといつもとは違った結果になった。僕らのクラスだけ特別問題で固められていたために他のクラスとはまったく違った問題が出されるわけである。しかし、ここまでやってきて『黄銅猛の作った問題文がなくても点数を採れるのではないか?』と思うグループが出てきた。そして、『脱黄銅』を掲げたグループが猛のつくった問題文を一切使わずにテストに望んだ。
井の中の蛙大海を知らず。
勘違いをしてしまった彼らは全員見事に四十点以下の点数を採ってしまい赤点。夏休み三分の二を補習へと回されるという惨劇が起こってしまったのである。改めて猛の問題のすごさをクラスメートたちは理解し、彼をあがめたのであった……
ばかばかしい話だった。クラスメートが何点を採ろうと大して僕には関係ない。僕の点数?僕は元から猛には頼っていなかったから八十点平均だったかな……もちろん、猛の問題をやってテストを受けた連中は軽く九十の後半ばっかりだったけどさ。
「宇宙の意思が……地球の鼓動が……」
ああ、そういえば百合ちゃんのテストの結果も平均で九十点後半を採っていた。もはやここまで来ると天才となんとかは紙一重……といったところだろうか?
―――――――
昨年の夏休みが家の中で半引きこもり状態となっていたために何か対策をとらなくてはいけないと思っていると由美子がこういった。
「じゃあ海に行こう!」
「海?」
「うん、海!」
「……」
海、海かぁ、まぁ、妥当なところだろう。
「でも二人で行くの?」
「友達を誘えばいいんじゃない?」
「ああ、そっか」
由美子がケータイから誰かに電話をしている間に僕も友人を誘ってみることにした。どうせ暇をもてあましているだろうから猛を呼んでやろう、あと、百合ちゃんに雪ちゃん、名古ちゃんに……そうだな、結さんも誘ってみよう。
―――――――
「高畑さんも誘いたい?」
『ええ、たまたまこちらに遊びに来ていたところでして……どうでしょうか?』
高畑里香。ちょっとばかり記憶の隅のほうに追いやられていたのだが何とか引っ張ってくる。確か雪ちゃんの中学時代の友人だったかなぁ……明るい性格だったから別につれてきても大丈夫だろうけど……
「あのさ、この前のことって大丈夫なの?」
『この前の……?あ、ああ…大丈夫です。そこはうまく説明していますから』
「そっか、それならいいと思うよ。うん、来るのはかまわないよ」
『そうですか、ありがとうございます』
大所帯になりそうだなぁ……というよりも夏休みすることがないんだろうね。こうして、学生割引のきいた(嘘っぽい話だ)海岸へと向かうことになったのだった。
学生割引。まぁ、大体学生といったら大学生で小学、中学、高校生は基本的に生徒と呼ばれるものだそうです。さて、御託はこの程度にしておいて今回も後書きに行ってみましょう。今回からなにやら海へ行こう!とそういった感じになってきていますが霧之助の住んでいるところにはもちろん市民プールがあるという設定ですが残念ながらぼろぼろのため使用不可という結論に至っているわけです。これもまた、後のほうで出てくる話なんですけどね。海へいくことになっていつものメンバー(もはや悠、悠子ははずされてますが)が普通に過ごすというのも面白いでしょう……しかし、海といえばトラブル、トラブルといえば海というほど海は危険がいっぱいです。サメが!くらげが!フジツボが足に寄生した!フナムシがたくさんよってきた!足つった!なぁんてあげればキリがありません。そんなわけでいろいろと起こる予定です。起きない可能性も十分考えられるためにそういったことになってもご了承ください。十月十日土、二時五十八分雨月。