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◆第百十六話◆◆

第百十六話

 二年生になってはじめてのテスト。五月終盤から始まる。

 一学期中間テストのテスト期間はもう始まっているのだ!戦士は剣(大体シャーペン)を握り締め、魔王(教師)が作り出した魔物(問題)を一生懸命退治しまくる。

 勇者(優等生)しか存在しない気がついたら超エリート部隊クラスとなった僕の友人たちは皆一様に伝説の盾(猛作成のテスト対策問題)を片手に魔物退治の予行練習をしている。

 そんな最中、今にも消え入りそうな声は僕の隣から聞こえてきた。

「霧之助ぇ、私は……私はもう、だめだぁ」

 だめだぁが『だっふんだぁ』と聞こえてしまった。どうも、僕も勉強のし過ぎのようだ。なれないことをやろうとするとどうもいけない。

 一日目が終わっても尚、生徒たちは帰ろうともせずに教室で明日のテストの自習を各自がしているのだ。教師のほうもここまで粘ってくるとすでに去年でわかっている。テストの難度が上がり、このクラスの所為で他のクラスはいつも地獄を見ているということになる。

 ちなみに、一日目のテストはクラスメートほぼ全員自信があるらしい。今回も殆ど百点か?と教師陣はびびりっぱなしだそうだ。

「早いよ百合ちゃん!あきらめないで!」

「……そうだな、悪い……私が弱音を吐いていたらこの世界はあの天使たちに……ぶつぶつ」

「……」

 これももはやテストのイベントと化してしまった……百合ちゃんはテスト幻影症という病気にかかっているのかもしれない。

「何バカなことを考えてるんだ?」

「え?何でわかったの?」

「いや、お前今自分の口から言ってたぞ?」

 猛がこちらへとやってくる。やれやれ、ちょっと僕も疲れているみたいだ。

「で、どうかしたの?」

「ああ、明日のテストは結構気合を入れたほうがいいかもなって忠告しに来たんだよ」

「わざわざ?」

 そんなこと友人でさえするのだろうか?首をかしげている僕のほうへと近寄って耳打ち。

「……大きな声じゃ言えないがクラス全体の点数がよかったらご褒美もらえるんだよ、担任から」

「そりゃすごい」

 なるほど、自分の利益を優先させたわけか。

「そういうわけで、クラス全員のモチベーションをあげ、さらにはプレッシャーまで与えてる」

「……プレッシャーに弱い人もいるんじゃないの?」

「まぁ、見てろって」

 そういっていかにもプレッシャーに弱そうなびくびくとしている生徒の下へと向かって先ほどと同じ言葉を言ったようだ。

 やはり、肩を震わせたが後に目に輝きがなくなった。

「うへへへ〜……」

「……」

 もはや何も見えてませんといった表情と危ない言葉をつぶやきながらその生徒は再び勉強を始めたのだった。

「な、何したの?」

「お前にはこの問題集(猛製作)があるじゃないか!だから、お前はできるできるできるできるできるできるできるできるできるできる……」

「もういいよっ!!」

 あ〜なんだか頭の中に百合ちゃんがにらみつけている天使さんが見えてしまいそうだ。

「……僕は帰る事にするよ」

「ああ、気をつけてな」

「百合ちゃんもかえる?」

「ワタシハ〜コノセカイヲ〜マモラナクテハ……ダカラカエレナイ、霧之助ダケデモ帰宅シテ……」

「……」

 相当重症だな。そっとしておいてあげよう。



――――――――



「あ〜もう!こんなのわかんない!!」

 夕飯終えてリビングで勉強してるとこれまた同じく目の前で勉強していた由美子は騒ぎ出した。

「おかしい!この世界のほうが間違ってる!社会が悪いんだぁ!!」

「……お疲れなようで?」

「勉強なんてしたって運がないやつは駄目なままなのよぉ!!」

 頭を押さえてノンノン叫んでる。ああ、ここにも一人可哀想な子が……数字とマジでやりあう高校生……ちょいと前までモデルやってました。

「どれ、貸してみ」

「これ!」

 指差された問題を読んでいく。ふむふむ、頭から読んでってみて思ったんだけどやっぱり一年生の問題って二年側からみたらものすごく簡単なんだな〜……今やってるやつってやっぱり難しいと実感させられるものだった。

「ここはね、結構出されやすいと思うから覚えておくといいよ」

「そんなこといいから解き方!」

「そっか、そうだったね……ここの式をちょいと左のほうに動かして……」

「ふ〜む、なるほど……」



――――――――



「気がつきゃ朝だ……」

「あ〜……朝日が目にしみる……」

 頭の上にお星様がくるくる回っている気がしてそれをさっさと振りほどく。あ〜疲れた。

 凝り固まった身体をほぐしていると由美子がさっさと学校へ行く準備をし始める。

「今日、百点採ってくるから……採ってきたら一週間の間あたしの好きなものだけ作ってよ……」

「わかった、約束するよ」

 ふらふらになりながらも、何とか朝食とお互いとって学校へと赴く。あ〜……つらい。



――――――――――



 全ての問題が終わり、机に突っ伏して夢を見ていると隣人さんが話しかけてきた。

「……私は……私は世界を守った……」

「うん、おめでとう……」

 きっとエピソード二桁ぐらいいってるんだろうなぁ、『百合ウォーズ』。脳内天使とはっちゃけた戦いを繰り広げてきたのだろう。

「よし、あと一日か……」

 気合入れますかね。


エンディング手直し、終了いたしました。後はいつ投稿するかのタイミングを見計らって……予定的には第百二十話です。いきなり前の話とつながらずにエンディングに直行。そんなご都合主義が許されるかわからない昨今、あえて挑戦するのはいかがなものでしょうかとも思いましたが約束は約束!もちろん、エンディングのとき、前書きに書かせてもらいますとも。サブタイトルにだって何か変化が起こる可能性が非常に高いといっておきましょう。さて、これから先の予定ですがえてして旅行編とは難しいものです。どっかに旅行にいってうんぬん……そんな優しい旅行じゃないということだけを先に伝えておきます。第一、旅行編は非常に短いですから。テレビで最近麻生さんを見ません。ってどうでもいいことですね。では、今日はここまで!感想評価ありましたら……ああ、他の方に読まれたくないなぁという方がいましたら是非メッセージのほうでお知らせください。残暑見舞いに他の作者の方に送ろうかとも思いましたがやめておきました。九月二十七日日、十一時四十七分雨月。

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