◆第百十四話◆◆
第百十四話
「あ、もしもし?今日は頼みますよ?」
「あ〜はいはい、わかってるよ〜」
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今日は日曜日である。蒼空は山の向こうまで続いていき、日光は大地に惜しみなくその暖かい光を与えている……そんな日。
「あ、そういえばテスト終わった後旅行ありましたね?」
「そ、そうだね……」
そんないつもの調子とはちょっと違った感じで雪ちゃんと会話をする。そして、雪ちゃんは息を静かにすうとこういった。
「今日一日、ばれないでやり過ごしましょう!」
「えいえい?」
「おー!!」
僕と雪ちゃんは二人で待ち合わせていた場所で決意を固めたのだった。いくつか、作戦を決めていたりもする。しかも、終わりは今後のことも考えて別れ話という結末。これでとりあえず別れたという事になり後に問題が起こったりすることはないだろう。
作戦その壱:腕を組んで相手を待つべし!!
「あのさ、雪ちゃんちょっと近づきすぎなんじゃ……」
「こ、このぐらいやっておかないとばれちゃうかもしれません!」
「で、でも、その、腕の部分に……その、もにょにょが……」
「え?何ですか?」
「おっはよう!!お久しぶり〜雪!ああ!それがうわさの彼氏かぁ、雪の妄想じゃなかったんだ!?しかも、ちゃんとした男だし!」
結構短めのツインテールをぴょこぴょこと動かしながらその少女は僕の周りをうろちょろとまわってじろじろと見ていた。な、なんなんだ……この人は?
立ち止まって右手をパーに、左手をグーにしてからぽんと叩く。
「うん、誰の婿になっても尻の下かも♪……アンダーヒップ?」
「なっ……失礼な!」
ちなみにこの台詞を言ったのは僕じゃない。雪ちゃんだ。
「わ、わたしは尻に敷きません!尽くすほうですから!」
うん、きっといつもこの人におもちゃにされてきたんだろうなぁ……雪ちゃん。
「んにゃんにゃ、人生何が起こるかわからないよ〜?ああ、自己紹介忘れてた!あたしの名前は高畑里香。中学一年生のときに雪にあったんだよ。お好きなように名前は呼んでね♪えっと、君の名前は?」
「僕の名前は間山霧之助」
「そっか。よろしく〜」
「うん、よろしく」
がしっと握手を酌み交わす。いや、酒じゃないんだけどねぇ……なんだかこの表現が……あいたたた。
「高畑さん、握力強いね……」
「ぬははは♪これでも剣道やってたからね〜。成績落としても竹刀落とすな!があたしの信条だから」
百合さんと戦ったら実に面白い試合が見れるに違いない。提案してみようとも思ったがやめておいた。
「で、彼氏自慢はもう終わり?」
「はい、もう終わりです!」
「そっかぁ、もっといじろうと思ってたのになぁ〜」
にやっとした表情がこちらに向けられる。そのとき、言い知れぬ不安が頭の隅を高速で、否、光速で通り過ぎていった。
「じゃ、移動する前にトイレ行っておいでよ雪」
「そうですね、行ってきます……里香はどうしますか?」
「あたしゃ〜さっきそこでしてきたからいいよ〜」
そういって近くの芝生を指差す。やれやれ、こんなわかりやすい嘘を言うなんて……芝生に入るなって文字が書いてるじゃないか。
いつものことなのかぜんぜんわからないが雪ちゃんはトイレのほうへと走っていった。そして、僕は初対面の人と雪ちゃんを待つことに……
お隣のニヤニヤした少女、どなたか何とかしてもらえませんかね?
ある人の大筋のエンディングを昨日のうちに書き終えてみました……もうちょっと細部をつめる必要はあるでしょう。もう、完全なハッピーエンドですよ。これでおわっちゃってもいいのではないか?そこまで考えるほどでした。しかしまぁ、あいにくながら第一部でメインをつとめていた悠子ではありませんし、その妹でもありません。おいおい、またサブキャラかよ?読んでそう思うかもしれません。雨月はメインよりもサブのほうが好きなのです。性能の高いガンダムよりしょぼいジムに自分を重ねます。格闘ゲームも主役キャラよりネタっぽいキャラでがんばろうとします。ポケモンだって最初の三匹はボックスに預けてはじめに出てきた奴を適当に捕まえてそのまま全国制覇に……ともかく、そんなのばっかりなのです。先に言っておきますがこの小説をバッドエンドで終わらすのって結構難しい気がします。後味悪い終わりでもそれで納得できるのならいいんでしょうけどね。永遠持論をまくし立てたって意味がないとはわかってますので、このぐらいにしておきます。本編、実際はいつものように複数から一つの話を成り立たせています。はじめのほうで雪と霧之助の会話に出てきた修学旅行……テストの話が終わった後から開始されます。エンディングは……予定としては百二十話記念でやろうかなぁと思っています。では、感想評価ありましたらどうぞよろしくお願いします。九月二十六日土、九時四十八分雨月。