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◆第百二話◆◆

第百二話

「よっしゃ、これから一年生を見に行くぞ!」

「「「おー」」」

 クラスの殆どの男子が右手を天高く上げている。暇人だな……そう言う僕もその一人なのだが。

 ぞろぞろと廊下を突き進んでいると一人の女子生徒が立ちはだかる。あれ?この人どこかで見たことがあるような……

「黄銅君……」

「あ……矢田さん…」

「これから何処行くの?」

「ん?えーと、トイレ」

「この大人数で?」

 ああ、そういえば彼女の名前を思い出した。この人は確か猛のことが好きだと一度告白していた人じゃなかったっけ?そして、その隣に何故百合ちゃんと雪ちゃんがいるのだろうか?ついでに言うのなら結構な数の女子がいたりする。何かイベントでも?

 気がつけば男子の殆どが冷や汗をかいていた。もちろん、僕が冷や汗をかく必要なんてない。

「あのさ、彼女がいるのに一年女子を見に行こうとしてたの?」

 女子一人がそう発言すると男子の殆どが首を振った。

「いや、男子でさぁ、ほら、部活で即戦力になる奴を……探そうかなと思って」

「あんた、帰宅部でしょ!」

「……」

 墓穴を掘ったなぁと思った。他の男子もそういっているが各自詰め寄られており、彼女がいない連中は手を振って幸せそうに階段のほうへと向かっている。僕もそれに混じって階段に向かおうとするも百合ちゃんと雪ちゃんが前に立ちはだかった。

「おいおいおいおい、ちょっとそれはつれないんじゃない?」

「そうですよ、間山さん……女の子にそんなに餓えているんですか?」

「えーと、お二人とも何か勘違いしてない?僕は別にそういったあれで一年生のところに行こうとしてるんじゃなくて妹を見に行こうとしていたんだよ」

「妹?悠子は海外だろ?下手な嘘はつくなよ」

「言わなかったっけ?悠子は双子の姉で、もう一人は飛び級せずにここに入学してきてるんだよ」

「「ああ、なるほど」」

 宮川姉妹はどうやら納得してくれたようだ。手を振って一階下へと向かおうとするも、その手を掴まれる。

「もうちょっとで予鈴が鳴るぞ?」

「そうですよ、やめておいたほうが身のためです」

「ほら、二年になったんだからもっと親睦深めようや♪」

「……」

 教室へと引きずられていき、教室内部ではあちらこちらで尋問が続けられている。かわいそうに……

「で、霧之助は年下の何処に魅力を感じるんだ?」

「はぁ?」

「まぁ、なんだ、あれだよ。別に怪しくないアンケートだ」

「……」

「どうなんですか?」

 怖い四つのお目目からの視線をものすごく感じながら僕はどうやって逃げようかと考えたのだった。予鈴がなってくれたとき、それが天使の福音と思ってしまったぐらいだ。



―――――――



 なんとなく地獄の一部を垣間見てしまったような気がしてならない。浮気をしている方、これから浮気をしようと決心なさった方、やめておいてください。現実を見てしまうととてもつらいですよ。

 そんなバカなことを考えながらも放課後。特に部活にも入っていない僕はこのまま帰宅するという予定である。

「霧之助、今日どっか行くか?」

「うーん、今日はやめとくよ」

「そっか、それじゃあな」

 百合ちゃんが手を振って出て行く。廊下には雪ちゃんが待っており、姉妹仲がいいというのが誰にだってわかるものだった。

 さて、僕も帰るとするか。



―――――――



 一回の廊下を歩いていると新入生と思われる人たちが運動場へ、部室棟へと足を運んでいるのが見えた。ああ、青春だなぁと感じるが残念ながら僕は去年この季節に何をしていたのかまったくといっていいほど記憶がなかったりする。



 果たしてこのままでいいのだろうか?



 そんな考え事をしながら歩いていると何かに激突。結構な衝撃だったのだが何とかこらえてぶつかった何かを見る。

「あいたた……」

「ごめん、大丈夫?」

 まだ制服が真新しいようでどう見ても新入生の男子のようだった。

「……すいませんでした」

 それだけいって去っていった。これから部活でも見に行くのだろう。

 そんなことを考えながら歩いていると再び激突。次の一撃が先ほどの一撃に重なって威力倍増。若干の痛みを感じながら相手を見やる。これまた派手にぶつかってきたようで尻餅をついている。

「いたたた……」

 真新しい制服(その点では百合ちゃんが着ている制服は味がある)を着ているところを見るとどうやら新入生のようだった。

 次は女の子だ。眼鏡をつけていて近くにはカバーがかけられている文庫本が落ちている。

「す、すいません!」

 女の子は慌てて立ち上がり、僕に頭を下げた。


今回、雨月の作品最長記録を更新したのです。ちなみにこれまで最長だったのは『ご注文は? 〜魔法使いで!〜』でした。 さて、今回の話はどうだったでしょうか?一歩一歩、全身はしていると思いますがやはり始まりの季節は春が一番です。残念ながら雨月が小説書き始めたのは夏でしたけどねぇ……さて、話を破綻させておいて春に想像するものといえばなんでしょうか?桜だと思った方は綺麗な心を持っています。ちなみに雨月は……ネガティブな考えはおいておきます。とうとう現れた新キャラ……フェイントかけて引っかかった方、素直にご連絡ください。雨月が一応慰めます。初期メンバーに負けない濃いキャラにしていきたいと思っている所存です。そういうわけでこれからもハッピーエンドは何処ですか?をよろしくお願いします!感想、評価ありましたらお願いします。ああ、それと後書きも読んでるよ♪という方もご連絡ください。では、次回もお楽しみに!

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