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やまない雨
「嫌いじゃないよ、私、人付き合いが苦手だから、
怒って見えたならごめんなさい。」
私がそう言うと、
佐藤くんはキラキラな笑顔で、
「安心しました。」と言って、
何も無かったように仕事に戻った。
子供のような人だなと思い私も仕事に戻った。
その日から佐藤くんは、
暇さえあれば私の所に来るようになった。
「持田さん、これ新しいレシピなんですけど、
どうですか？」
「持田さん、趣味とかあるんですか？」
「持田さん、昨日のテレビ見ました！」
仕事のことからプライベートなことまで、
佐藤は毎日質問してきた。
始めは面倒に思っていたけど、
慣れて来ると、
佐藤と話すことが楽しくなっていた。
そして気が付くと私の心の雨はやんでいた。
やまない雨は無い。
この言葉は本当だった。
つづく
