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カレー祭りだ!
「あのさ、好きなものってある?」
「君」
即答すると、彼女は一瞬にして顔を真っ赤にする。
付き合い始めてから1ヶ月。そろそろ、こういうやり取りにも慣れてきたかな、と思ってたんだけど。
「……わ、私」
「あの〜、大丈夫?」
今にも倒れそうになる彼女の眼前で手を振ってみるも、まったく気付かない様子。
こりゃ重症だ。
「わ、わわわ、私を……食べ、るるるるって!?」
「っておい!」
なんの話をしている!
「だって、好きな食べ物聞いたら、私だって……」
「いや、好きなものとしか聞いてないから」
とりあえず、彼女の勘違いを解いておく。
もう一ヶ月になるんだから、そのくらいやらないか。なんて思う人もいるかも知れないが、僕はこう見えて純情派だ。
「好きな食べ物、か。カレーとかかな?」
まだ赤くなっている彼女に言う。
いや、カレーだったら、大体の人が好きだし……ね。
「か、カレーね。ようし、わかった。明日はカレー祭よ!」
「なんか、さっきからお前のテンションについて行けないんだけど」
「明日は楽しみにしててね!」
……カレー祭をか?




