-生きてさえいれば-
久しぶりに書いた小説です!
最近全然書けていなくて、唐突に思い付いたものですが、見ていただけたら嬉しいです!
1516年-日本-
ゴオォォォォォォ
女「私たちが仕えてきた城が…」
男「燃え落ちていくな」
火に包まれた城のすぐ側に2人の男女が怪我を負いながら、燃える城を眺めていた。
女の方は涙を流し、男の方は死んだ魚のような目をして静かに崩れ落ちる昔から仕えてきた城を見ていることしか出来なかった。
女「ねぇ、……。私たちはこれからどうすればいいの。」
男「都瑠!そんな顔をするな!生きてさえいればこれからどうするかなんていっぱい考えられるさ!それに、お前は1人じゃない!俺がいるだろ?」
都瑠「そうだね。……がいるなら大丈夫だよね」
そんな会話をしていた2人の間を裂くかのように弓矢が放たれた。
男は女-都瑠-を守るように立ち、弓矢を払ったが放たれ続ける弓矢をすべて払うことは出来ず、自らの体で受け止めた。
その間にも男は反撃をし、弓矢を放った者たちを撃退した。
しかし、自らの体で受け止めた弓矢は数十本にも及んだ。
その体からは血が溢れだし、吐血をしながらその場に倒れた。都瑠は男の側に駆け寄り、手を握った。
都瑠「どうして…ひくっ……どうして私を庇ったのよ…ひくっ」
男「…ハハ、そりゃ…お前、のことが…好きだからに、決まってんだろ…。つ、るはどうだ…?俺のこと…好き、か…?」
都瑠「…ひくっ……うん…小さい頃からずっと好きだよ…ひくっ」
男「…ヘヘ、改めて…好きな奴に、いわ、れると…嬉しいな。だからな、都瑠、そんな、顔をするなよ…さっきも言ったろ、生きてさえ…いれば、これからどうする、かなんて…いっぱい考えられる……お、まえは…ひ、と、りじゃ…ない、俺がい…………」
バタリ
都瑠「……!?いや、……やだよ、私を1人にしないで……目を、目を、あけて………いやぁぁぁぁ!!」
都瑠は亡き男の体を抱き締めながら、今まで聞いたことのないような声で泣き叫んだ。
2016年-現代日本-
社会人1年目になる藤原都瑠(20)は、朝飛び起きるようにして目が覚めた。
都瑠「何だったの、今の夢…?でも、夢にしてはすごくリアルだったし……って考えていても始まらないし、仕事行く準備しよう!今日は半日だし、久々に母校に顔を出して、部活にも参加してこよう!!」
都瑠は朝みた夢のことや、仕事のことよりも母校に行き、部活に参加できることを考えて朝の身支度を始めた。
そしてお昼までの仕事を終え、母校に着いてからは懐かしい先生を見つけては立ち話を繰り返していた。
都瑠「さすがに、生徒は私が卒業してから入った子達だから知り合いはいないか…。でもいいや!部活を覗きに行こう!」
大方の先生と立ち話を終えた都瑠は、自分が所属していた部活に顔を出すために外のコートへと向かった。
都瑠「先生ー!!遊びにきました!私も部活に参加させてください!」
先生「おお、藤原久しぶりだな!いいぞ!おーい、お前たち集合してくれ」
先生の呼び声にそれまで練習をしていた生徒7人が急いで集まってきた。
先生「今日はお前たちの先輩が遊びに来てくれたから、一緒に練習をするぞ!まず、自己紹介からするか!藤原」
都瑠「はい!藤原都瑠といいます。約2年前?に卒業しました!今日はよろしくね!!」
先生「よし、じゃあまず1年から自己紹介してくれ」