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鴉と鬼  作者: saki
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 年を取ってしまった男に、ユニ、そして幼子。

 男は少年の時分に出会ったユニの事を綺麗だと褒め称え、神話に出てくるユニコーンのようだと言って「神立ユニ」という名を与えてくれた。

 ユニには仲間があった。

 異端ながらも力の強かったユニには守るべき存在があった。

 だが、ユニは男と共にあることを選んだのだ。

 そして、男の方もユニと共にあることを選んだ。

 ユニのことを好きだと言い、妻を娶ることなく、戦争の惨禍から戻ってきてからもずっと傍に居てくれた。だが、このまま家を途切れさせるのは忍びないと養子を貰い、その養い子が結婚して家を出てからは、また二人で静かに男の余生を過ごした。

 ある時、仕事が忙しいと言って戻ってきた養い子は己の娘を置いて行った。

 その娘は舌っ足らずの声で「ユニ」と呼んでは後を付いてきた。そんな姿を見て、男は「親子のようだ」と言っては笑ったのだ。

 幸せな時だった。

 ゆっくりと流れる時間が、ただただ幸福だった。

 ある日、娘を引き取りに来た養い子はユニの目の前で男のことを殺した。

 そして、ユニに手荒なことをすると角を取った。

 悲惨な最期だった。

 伸ばした手は男に届くことはなく、視界は赤く紅く染められていく。

 最後まで一緒だと約束したのに、男は自身の血の繋がらない子に殺されてしまったのだ。あっさりと、何の躊躇いもなく。


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