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さつこいNEXT!  作者: おじぃ
日常編
6/57

神様、従姉に怯える

 音威子府純玲。一流ホテルを経営する音威子府家の次男の娘。ちなみに俺の母チャンは三兄弟の末っ子。純玲は俺より4年度上の従姉で、今年の12月で21歳になる。身長は155センチくらいで、血液型はAB。胸は残念AかB。そんなプチ情報はまぁいいのだが、いま俺は、純玲が来てるせいで麗ちゃんと会えない。それ以前に部屋から出れない。


 壁に耳を当てて客間からの声を聞いてみると、どうやら麗ちゃんと純玲が何か会話してるようだ。危険人物二人が何を話してるのか気になるっちゃあ気になるけど、内容によっては俺にどんな制裁が下るかわからん。ましてや麗ちゃんと付き合ってるのに他の女子にちょっかい出してるなんて知れたら俺は確実に追い詰められる。


「ごきぶりーん、助けてくれー」


 俺の真横にある洋服タンスの上に置いてある虫カゴでキュウリを食べるごきぶりんに助けを求めたが、触角をピクピクさせて、得体の知れない見知らぬ相手に何をすれば良いかわからないと伝えてきた。そう、最近うちの家族になったごきぶりんと純玲はまだ面識がない。


 純玲を相手にしたら俺がプロデュースしてるストーカー撃退の実績を持つ昆虫エンターテインメント集団、『GKB10000』でも太刀打ちできないだろう。ってか、彼らの命が絶たれる危険性があるからやめとこう。


 ◇◇◇


 客間では神威くんのお母さんも加わり、三人で細長いグラスに注がれた氷入りのウーロン茶と仙台せんだい銘菓『はぎの月』をいただきながら談笑している。萩の月は純玲さんが仙台へ旅行した際のお土産だ。私も仙台へ行ってみたいけれど、札幌からだと飛行機に乗るため空港へ行くのが面倒だ。純玲さんは函館はこだて在住だそうで、特急と新幹線を乗り継いで4時間程度で到達できる。彼女のことだから特急はグリーン車、新幹線はその上のグランクラスを利用するだろうら、少々の長旅も億劫ではないだろう。


 あ、寝台特急なら札幌から仙台まで一本だ。密室で満天の星空を眺めながら神威くんと…。


 って、なに考えてるの!? なんなの私!?


 ◇◇◇


 あー、客間は母チャンが加わって危険人物の巣窟になったぞ。この号室で安全かつ常識的なのは俺とごきぶりんだけだ。マジで何を話してやがるんだ? 俺に制裁を加えるための作戦会議だとしたら、三人でタッグを組んで、まず母チャンにぶっ飛ばされて、次に麗ちゃんにオキシドールをぶっかけられる。トドメに純玲の攻撃だろうが、アイツは何をするかわかんねぇ。なんせ金持ちだから、罰ゲームとして馬にされて全裸で競争馬と一緒にムチで叩かれながら競馬場を走らされたり、そんくらいならまだしも、爪を剥がされたりタマタマを切り落とされたりってのをガチでやられかねねぇ。逮捕されたって保釈金払えばオッケーだろうしな。


 あれこれ考えてると、誰かが俺の部屋の扉をノックしたので、重い気分で仕方なく解錠して扉をゆっくり僅かにスライドさせた。


「あのっ、神威くんも一緒に、お茶、しませんか? なかなか部屋から出てこないから…」


 くううっ! この奥ゆかしさが可愛いぜ! 地獄への招待だと解ってても断れねぇ! おぅ、行くかと言って天の神たる俺は麗ちゃんと一緒に地獄へ踏み込んだ。



 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 今回は短めのお話となりましたため、週複数回投稿となりました。

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