沈黙の新聞部
月曜日の新聞部室。駅で夏海と落ち合うところを見掛けた水菜は勇に話し掛けにくい心境にあった。一方の勇もペアで記事を作成するため隣に座る水菜に対し同じ心境である。かといって互いに別の誰かと会話するわけでもなく、室内にはむず痒い空気が漂う。
あれ? 不入斗さん、今日は木古内さんに絡まない。どうしたんだろう?
おいおいおい、この沈黙苦手だぜ。今日は水菜ちゃん、新史さんに絡まねぇから余計に沈黙してるしよお。
麗と神威は新史に絡まなくなった水菜に疑問を持っていた。
ややっ、水菜っち、何かあったね。まさか薬物男子に告白して実らなかったのかい? ならば新聞製作チームも考え直さなければならないね。
新史は見知とほぼ同意のことを感じていたが、感情を言語化しなかった。考えるより感じる気質だ。
各々が黙って作業をしていると、不意に水菜のバッグからバイブ音が響き始めた。
『話したいことがある。部活が終わったらどっかで待ち合わせたい』
『わかりました! じゃあ駅で!』
スマートフォンを取り出した水菜は受信したばかりのメールをチェックし、返信した。
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別作品でもお知らせいたしましたが、10月半ば頃まで更新が遅れる可能性がございます。楽しみにしていただいております皆さまには大変恐れ入ります。




