表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さつこいNEXT!  作者: おじぃ
日常編
2/57

新聞部!

 こえー、麗ちゃん怒るとこえー。まさか目んたまと口にオキシドールぶっ込まれるとは思わなかった。シュワシュワが強力過ぎてアタマおかしくなりそうだったぜ…。今度バカやったら何されるんだ? ロケットランチャーで自宅爆撃、ヒグマを派遣されて食われる、カニの水槽に投げ込まれてオチンを切り取られる…。やべやべ、人が想像するものは実現できるんだ。余計なことを考えるのはやめよう。


 いや待てよ? 俺は神だから人が想像するものには該当しない。ならダイジョブだぁ! よっしゃ、これからも飢えた非リア充をこの聖なる手ホーリーハンドで喜ばせてやるぜ!


 俺の女子に対するセクハラ、じゃなくてスキンシップには基準がある。


 まず第一に恋人が居ない女子であること。他に、スキンシップにより著しい精神的苦痛を与えて落ち込むと見込まれる女子には手出ししない。俺のせいで不登校になったり学校行くのがイヤになったら良くないからな。だから、人をよく観察してからスキンシップを図る必要がある。


 放課後の部活タイム。俺と麗ちゃんは新聞部に所属していて、二人がよく話すようになったのは、二人きりで雪まつりの取材に行ったのがきっかけだ。あどけなさが残る黒髪ロングの美人だけど、当時は大人し過ぎて何を考えてるかわかんなかった麗ちゃんは、雪まつりで水族館の動物たちを象った雪像を見たら、これまでのイメージからは想像できないくらいぱあっと笑顔を華やがせ、はしゃいでた。俺にしか見せない特別な笑顔が恋へ導いたんだ。今でこそみんなの前でもよく笑うようになったけど、それはそれでいいことだ。


「うららひめー! 私とイイコトしようじゃないかー!」


「遠慮しておきます」


 俺と麗ちゃんが部室に入るなり麗ちゃんにギュッと飛び付いたショートヘアの幼児体型に赤い縁のメガネが知的さを演出するオヤジ趣味の女性は、三年生で部長の知内しりうち見知みしるさん。今日も麗ちゃんに絡んで絶賛ハァハァ中。


「はははっ、あまりしつこいと留萌さんに嫌われちゃうよ?」


「それはやだー! うららひめー! 私を嫌わないでおくれー!」


「はぁ…」


 見知さんに御尤もな指摘をしたのは三年生で副部長の木古内きこない新史あらしさん。知的な爽やかスマイルがトレードマークのイケメンで、校内では部活の時間以外、殆ど女子に囲まれている。まったく羨ましいぜ! たまに思うんだけど、新史さんがスカートめくりやったら女子はどう思うだろう。喜んでケツ突き出すんかな?


「勇せんぱい、あーん!」


「なっ、なんだよ」


 見知さんの一つ下座側では、セミロングのツインテールとロリフェイスに似合わないEカップの胸を持つ一年生、不入斗いりやまず水菜みずなちゃんが、更に下座側に座ってる俺のクラスメイトで親友のクールガイ、長万部おしゃまんべいさむにクッキーをあーんしてる。


 水菜ちゃんは今年の4月、両親が離婚により高校入学を機に神奈川県の茅ヶ崎ちがさきから、母方の実家がある札幌に引っ越してきた。二人の出会いは、新年度初日当時帰宅部だった勇に俺が無理矢理部員勧誘を手伝わせたのがきっかけだ。当時の新聞部は部員が見知さん、新史さん、麗ちゃん、俺の四人しか居らず、部の存続には最低あと一人の部員が必要だった。


 そこで、勇は入部しなくていいから勧誘の戦力になってくれと涙ながらにお願いしたのだ。んで、校庭に棒立ちしてた勇に一目惚れして近寄って来たのが水菜ちゃん。水菜ちゃんは勇が入部するなら私も入部するという条件を突き付けてきたので、勇を半ば強引に入部させた結果、部は存続、現在に至る。今では勇と水菜ちゃんはペアで取材を敢行する体制になっている。


 話を目の前の光景に戻す。水菜ちゃんにあーんをされている勇は照れて迷惑なフリをしてるけど、内心満更でもないと思う。


 新聞部では記事を執筆するための糖分補給として、部費からお茶とお菓子を買っている。今日はアイスティーにクッキーとシュークリームという、この部で最もオーソドックスなメニューだ。


「いやーんもう勇せんぱい照れちゃってカワイイ!」


「照れてねぇよ。暑苦しいから大人しくお茶しててくれ」


「そうやって邪険にして、私が居なくなったら勇せんぱい寂しいでしょ?」


「そんなことねぇよ」


「素直にならないと、私が他の男に拐われてから後悔しますよ?」


「はいはい解りました寂しいです」


「エヘン! 解ればよろしい」


 おうおう水菜ちゃん、反るとデカパイが強調されるぜ。


 部室での二人は大体こんな感じだ。勇のヤツ、早く素直になってくっ付けばいいのに。


 ガラガラガラ。


「わーあ、クッキーとシュークリームだぁ! 美味しそう! 先生の分は?」


 部室の扉が開き、入ってきたのは三十路の売れ残りで顧問の占冠しむかっぷらん先生。生徒からは主に『カップちゃん』と呼ばれている。大人っぽくスッキリとしたショートヘアで、顔も歳相応に美人だけど、ハスキーボイスと子供っぽい態度が物凄く残念だ。ちなみにバストはBカップ。


「ごめんなさい、買うの忘れました」


 麗ちゃんが淡々とした口調で詫びた。気持ちが籠っているのか怪しい。


「えぇ!? そんなぁ。もういい! 先生帰る!」


 半ベソ気味なカップちゃんは勢い良く扉を閉めて走り去った。


 滅多に顔出さないから部員から忘れられちまうんだよな。


 そんなこんなで、俺たちの物語は新シリーズになって益々ヒートアップしてくぜ!


 あぁ、早く麗ちゃんとイチャコラしてぇなぁ!



 ご覧いただき本当にありがとうございます!


 これで主要キャラクターが出揃いました!


 シュウさんの『女の子、娘にしました』とのコラボ企画作品『女の子、神様に会いました』の前半部分は明日、2013年4月27日の13時頃掲載予定です。お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ